概要
重婚の一種。1人の妻が2人以上の社会的に認められた配偶者をもつ婚姻形態。男の夫としての身分が明確となっており、単なる妻貸しや愛人関係とは区別される。
なお、このような形態の結婚を認める社会、もしくは法律上の結婚制度のことを一妻多夫制と呼ぶ。
分類
国や地域によってさまざまな形式があるが、以下の3通りに大別される。
- 複数の夫が1人の妻と同一世帯を形成する。
- 1人の妻が別々に住む夫たちのところを定期的に巡回する。
- 数人の夫が1人の妻のもとを訪れる。
兄弟同士で妻を共有する場合が多いが、1人の妻と関係をもつ男同士が無関係である場合もある。
なおチベット、インド、ナイジェリア、ネパール、ブータン、スリランカ、北極圏の一部などでは伝統的な制度として現在でも存続している。そこには相続財産が田畑であるがゆえの地権管理の問題や、狩猟民族ゆえの夫の長期の不在による子作りの機会の確保の問題、などの諸事情が存在する。
日本においても、昔は人口比が男子に対して女子が極端に少なかったため、結婚出来る者が限られていた。
そのため、主に江戸時代の江戸における長屋の住人などは、一人の女子が長屋の他の男子に頼まれて関係をもっていたりなど、実質的な一妻多夫状態で町内の家族的な連帯関係が保たれていた、という説も存在する。
また、戦前戦中時代においては、多くの人々が戦地に狩り出され死傷者がでていたことによる人口減少や、国全体の存続の危機に伴い、国家総動員法による産めよ増やせよ政策によって、重婚やハーレム婚に大いに寛容だったとされ、当時の日本国民の平均年齢が現在の半分以下だったことも起因している。
あくまでも緊急の対策であったため、戦後以降になってからは平均年齢の上昇も相まって、一夫一妻制に勿論移行されたのは言うまでもない。
生物学的に考えると交互に受精すれば遺伝子の多様性が増えるので意味もなくはない。
一妻多夫の代表的な動物
表記揺れ
関連タグ
外部リンク
- 一妻多夫制(Wikipedia)
- 世界の一妻多夫制にはこんな理由があった!