概要
というか、幼虫があまりにも有名過ぎて、一時期まで逆に知名度が低かった(アリジゴクに成虫が存在するというだけで驚く人も居た)ほどである。
そのせいか様々なメディアで紹介され続け、今では脈翅目に所属する中でおそらくもっとも有名な種類と言えるほどになった。
カゲロウの名が冠せられてはいるが、本物のカゲロウとは何の縁もゆかりもない。ただ外見が似ているだけである。
カゲロウは成虫になると口がほとんど退化して摂食機能を失うものが大半で、寿命が極端に短く、羽化してから最短で数時間、長生きする種類でもたったの1週間ほどで死に至る。
一方でウスバカゲロウは成虫になっても完全な肉食性で、羽虫を捕まえて食べる。寿命も、あくまでカゲロウに比べればだが長く、2、3週間〜1ヶ月ほど生きるとされる(諸説あり)。
トンボ(特にイトトンボの仲間)に似た姿をしており、地方によっては極楽トンボ・神様トンボなどと呼ばれることもある。が、飛行速度はトンボとは比較にならないほど遅く不器用で、不完全変態のトンボとは違って完全変態(蛹を経た変態)を行う。
カゲロウとトンボは同じ旧翅下綱に所属する近縁の仲間だが、ウスバカゲロウの脈翅目は旧翅下綱とグループを大きく分かたれた新翅下綱に所属する。要するにぶっちゃけた話、まるで似てなくとも甲虫とかの方が、同じ新翅下綱なだけよっぽどトンボよりも近縁と言える。
どうも他人の空似が多い昆虫である。
漢字で書くと「薄翅蜉蝣」。間違っても「薄馬鹿下郎」などと呼ばないように。