概要
小学校から高校までは野球少年であり、18歳で予備校に通いながらパチプロになるも大学受験に失敗し映画監督を目指して映画専門学校に入学するがそこも中退。その後、劇団「プリティー・ママ」を旗揚げし、脚本家、俳優として活動を始める。
「プリティー・ママ」解散後、残った役者1名、スタッフ3名と劇団「SOULコンビニ」を結成。活動を続けながら俳優養成所の講師となるが、その養成所がすぐに経営破綻。行き場をなくした生徒らと劇団「チームKGB」を結成。
演劇活動を続けるかたわら、知人とバーを共同経営。家賃が安かったからという理由で選んだ場所であったが、開店後、周りが裏風俗店だらけだと知ったらしい。
閉店までの約5年間、酒浸りの日々を送るが2006年『悪夢のエレベーター』で作家デビュー。
地元の占い師から「売れるから来年の二月に東京へ行け」と言われ、それを信じて2008年に上京。そして本当に売れ始め代表作でもある「悪夢シリーズ」は売上75万部を記録した。
2021年、『仮面ライダーリバイス』のシリーズ構成を担当する。
作風
ダークでありながらもテンポの良い展開が「非常に読みやすい」と読者の間で話題となっている。また、読者の予想を超える衝撃のラストを描くこともしばしば。
初のシリーズ構成担当となった『仮面ライダーリバイス』でもその才能を遺憾無く発揮。伏線回収の上手さやギフテリアン、オルテカの凶行といった子供向け番組とは思えないような展開が話題となっている。
ただ、木下氏の嗜好なのかは不明だが五十嵐さくらやアギレラ(現在は夏木花)などの女性キャラの扱いや掘り下げが丁寧な反面、五十嵐大二や牛島光といった男性キャラの扱いが酷く掘り下げが甘いことが特徴として挙げられており、その点を視聴者から批判されることも多い。(最近では、主人公陣営が赤石英雄とギフの陣営に圧倒される描写が増加したこともあってヘイトが集まってしまったことも批判の原因と思われる。なお、このような特徴は『リバイス』に限った話ではなく、木下氏の小説にもこのような偏りが見られる。)
実は、良くも悪くもこのようになってしまった原因としては、木下氏の幼少期の経験が挙げられる。木下氏が小学5年生の時、パイロットであった父親が事故で亡くなり、それ以降は母親がシングルマザーとして木下氏を含む3人の子供を育てていた。そのため、彼にとっての「強い女性」は自分を女手一つで育ててくれた母親であり、母親のような「強い女性」を作品に描くことこそが彼なりの「親孝行」なのではないかと考えられる。実際に、木下氏は制作の初期段階で「女性ライダーを主人公にしたい」と話していたことから、その愛の強さが伺える。(結局、その要望も木下氏曰く、「秒で却下」されたらしい。)
『仮面ライダーリバイス』は、子供のみならず幅広い世代の人々が見る作品であるため、作者の私情は批判の対象となることが多いが、木下氏の半生といった様々な情報もある程度考慮に入れながら批評することを勧める。
関連項目
小林靖子:仮面ライダーシリーズでストーリー構成を複数担当したことがある脚本家。木下氏の作風は彼女に似てどこかシリアスな展開が多く、伏線回収も彼女と同様きっちり行っている。