官ナギ
かんなぎ
二人の関係性
思い込みの激しい熱血漢×巻き込まれ型不憫キャラ、というアンタッチャブルカプで、
官→→→→→→→→←ナギといった作品が多い。
かつて辻斬りナギリに襲われ重傷を負って以来、吸血鬼対策課の一員として辻斬りナギリ逮捕を目指すカンタロウと彼を襲った張本人である危険度Aオーバーの吸血鬼……という字面だけで考えるとなかなかにシリアスな関係。
しかし本作はギャグ漫画。
辻斬りナギリを本人だと気付かず「親切な情報提供者な一般人間」と勘違いし振り回す台風男と、分霊体を壊され不死身じゃなくなり、弱体化してしまったが故、本来持つ不運体質に引っ張られ振り回され放題な吸血鬼、という属性とは正反対の繋がりとなってしまっている。
カンタロウは彼が辻斬りナギリだとは気付いておらず、正体を隠す為にナギリが咄嗟に名乗った偽名『辻田さん』と呼んでいるが、辻斬りナギリはカンタロウの名前すら直接呼んだことはなく、「警官」呼び、若しくはカンタロウの名前にルビで「馬鹿」と呼ばれるのが常。但し2020年のホワイトデーアカジャでのみ「カンタロウ」と呼んでいる。(外部リンク)
経歴
交番勤務の警官でまだモブキャラであったカンタロウの銃弾を浴びるも分霊体を持った不死身であったため攻撃が全く効かず、カンタロウを斬りつけ重症を負わせたのが始まり。
分霊体が破壊され、ナギリが不死身の力を失い弱体化した後、長い回を経てカンタロウは再登場する。
ナギリに対し本人と気付かずに「辻斬りナギリをご存知ではありませんか?」とナギリの行方を尋ね、ナギリがどんなに恐ろしい吸血鬼かを熱弁する。
ナギリはカンタロウに対し「そういえばそんな奴斬ったな」程度にしか認識していなかったが、弱体化して以来ろくに恐れられる事がなかった為に内心「こいつ分かってるじゃないか」と嬉しがり、褒美にとまた彼を斬りつけようとするが、直後にカンタロウが対ナギリ用にと持ち出した対大型吸血鬼用のパイルバンカーを見て怖気付き、正体を隠す為に「辻田」と名乗る。
その後「ナギリを見た事がある」とカンタロウに嘘をつき隙をついて斬る機会を窺うもことごとく失敗し、挙句自分がついた嘘を信じたカンタロウによってナギリを探す為にとナイトプールだのディスコだのあらゆる場所に連れまわされてしまう。
(因みに9巻のアカジャでは温泉やらカラオケやら卓球やらにも連れ回し、「ナギリは歌が非常に上手い」という新事実が判明した。)
果てには誤作動でカンタロウと手錠で繋がれ共に共闘せざるを得なくなったり、その際彼の突発的な行動によりコンビニのショーウィンドウに激突し小学生に「壁尻の現行犯逮捕」とカメラを向けられたりともはや公式が最大手どころか公式が病気状態になってしまっている。
194死では吸血鬼アベックにく美の念動力により自身の木陰に入った2人組を催眠術でカップルにさせる「吸血鬼伝説の木」の木陰に新横中の人々が集まった際、何故かコイツら2人も一緒にいた。(かなり小さく描かれているためよく見ないと分かりにくいが、顔の左頬に傷がある短髪の男性とフードを被った後ろ姿の人物が一緒にいる姿が確認できる)
...最早ここまで来ると狙ってやっている様にしか思えません。
“辻田さん”への執着
カンタロウは公式で『辻田さんになんかヤバい執着を向けている』とされており、作品の特性上本当に恋愛感情であってもおかしくはないと見る読者も多い。
何故ならカンタロウの辻田さん(=ナギリ)に対する執着があまりに度を超えているのである。
主な例を挙げると、
- ナギリがいない普段の話では殆ど笑顔を見せないが、ナギリの前では終始頬を染めながら満面の笑みを浮かべる
- 常にナギリの手首を強制的に掴んで行動
- 対策課の仕事中にナギリの姿を見かけるや否や「辻田さん!!」と叫び、仕事を放り出して彼の元へ向かう
- 9巻のアカジャでナギリが丸(=ジョン)の名前を口に出した際急に静かな口調になり「彼女さんでありますか?」と尋ねる
- 正気を失ったドラウスにより「あらゆる人間がちんちんと言うようになる催眠術」にかかった際、ナギリに会って早々「ああっ、辻田さん! ちんちんでありますね!」と発言。しかも上述の通り頬を染めながら満面の笑みで発言しているため尚更タチが悪い。(ナギリは勿論ドン引き)
- 148死の柱でのカンタロウの説明文「何故か辻田さんから目を離してはいけない気がする。この気持ちは一体...!?」お察しください。
- 13巻のアカジャでナギリの隠れ家を見つけた際には「もしものために...心に刻んでおくであります」「あくまでもしもの!ときのために!」と何故か二回繰り返す
- 「本官ちで一緒に暮らしましょう!!」という爆弾発言の全て(後に作者は自身のラジオにて「カンタロウは独身寮に住んでいる」事を明かした上でこの事件を振り返り「その状態で「本官と一緒に暮らしましょう‼︎」とかほざいてんのかヤベェなお前は」と発言。とうとう作者からもヤバい奴認定された)
- オッパイ丸出し強盗団にナギリが人質にされたと誤解した時は青筋を立てて激怒・突進し、以降は事あるごとに彼らに対し「貴様ら」と怒鳴りつけるほど目の敵にする
- 272死で新横中が御真祖様を追いかけている中、1人だけナギリを連れて路地裏で辻斬り捜査。さらにノースディン、イシカナ、吸血鬼サンダーボルトが生み出した虹と雷の景色を目にし、「キレイ...でありますね、辻田さん...」という誤解を与えかねない発言をかます
実際ナギリに「何でいつもバッタリ会うんだ ストーカーか貴様は」とキレられた際には「辻斬りの出そうな路地をパトロールしていただけ」と弁明しながらも頬を染めて恥じらいの表情を見せ、後ろの背景には少女漫画でよく見るキラキラしたトーンが貼られていた。
ナギリがヒナイチに露出魔と呼ばれた際には「大空は俺のもの」と言いながら全裸で駆け回るナギリの妄想をし、「ろ、露出は!そういう特殊なお店などに行って行えば法には」とフォローしようとしてナギリにキレられたり、挙句には彼が廃ビルに住んでいるのは生活苦に陥っている為と思い込み、上述の「本官ちで一緒に暮らしましょう!」という爆弾発言をかまし「嫌だ、死ね!」とドン引きされた。
あまりの執着ぶりにその場にいた小学生にまで「行政の支援とかまずやるべきこと色々あるでしょ」と説教される始末であった。
さらに盆ノ木先生による2019年のバレンタインデーアカジャでは、読者にはわざわざ「義理」と前置きしておかきを渡しているものの、ナギリの知り合いである神在月シンジの発言からナギリには高級品のチョコおかきを渡していた事が示唆された。その後も毎年ナギリに贈り物をしているようだが明らかに読者よりも良い物を送っている。
(2020年度:読者→花見団子 ナギリ→桜餅
2021年度:読者→ようかんセット ナギリ→龍屋の芋ようかん)
また、ナギリも不本意ではあるがカンタロウに振り回されながら吸血鬼を退治したり人助けをするなどの善行を行うことが多くなり、お互いに大きく相手に影響を与えているようだ。
それと同時に、最近はカンタロウに対して無意識に心を開いている節があり「俺をナメてるのか過大評価してるのかどっちだ!」「何でコイツらはよくて俺の乳は駄目なんだ!」などと思わず自身の正体を隠さずにツッコミを入れたり、「辻田さん」と呼ばれた際に「な、何だ」と返答する様になったり、辻斬りの決定的な痕跡を見つけて喜ぶカンタロウに一瞬ではあるが笑顔を浮かべていたりしている。
なお、前述の行動を経ても辻斬りナギリは自分の行いを反省したり、また改心した様子などはなく、そもそも辻斬りナギリが作中でも過去に関する謎の多いミステリアスな存在のため、想像の幅が広く読者間で解釈が大きく変化する。
派生
原作者考案の、本編とは違う派生の世界での2人について記述する。
- 嘘予告、嘘
「俺の顔を覚えているか、辻斬りナギリ!」
単行本の最後に毎回掲載されるシリアスな世界線。辻斬り逮捕に燃える警察官×危険度Aオーバーの吸血鬼というそのままの関係性の二人が見られる。因みにナギリは一切喋ることがない。
- 逆転、Δ(デルタ)
本編や嘘予告での立ち位置が逆転。
- 反転、オルタ
キャラの性格や特徴などを反転した世界線。
カンタロウは熱血な性格が反転し、非常に大人しく知的な性格に、ナギリは短気な性格が反転して非常に心優しい性格になっている。しかし、この世界線でのナギリは誰にも自身の存在を覚えてもらえず、カンタロウだけが存在を知っているという設定である。
- 辻ずきん
「そうだ、いっそのことお泊まりになっていっては!」
「だから他人の家で何を言ってるんだお前は!(怯え)」
9巻限定特典リーフレットにて描かれた童話の世界線での2人。
ある時、悪い狼(ナギリ)は丸ずきん(ジョン)が今川焼きを買っているのを見て自身へ助けを求める暗号と勘違いし、おばあさん退治人を食い殺して丸を自由にしようとおばあさんの家へ向かうが、そこにいたのは凶悪な狼を探してパトロール中だった狩人のカンタロウ。ナギリはカンタロウに名前を聞かれ、正体を隠すために「辻ずきん」と答えるが、カンタロウにこれまた異常に執着されるのであった…
その後、2022年のホワイトデーアカジャでは「狼に襲われたら危ない」と危惧したカンタロウが小屋にナギリを連れ込み世話をしている模様。