「何故か辻田さんから目を離してはいけない気がする。
この気持ちは一体...⁉︎」
(原作148死 ケイ・カンタロウの柱文より)
概要
官ナギとは、漫画「吸血鬼すぐ死ぬ」に登場する吸血鬼対策課の警官ケイ・カンタロウと、危険度Aオーバーの高等吸血鬼である辻斬りナギリのBLカップリングである。
二人の関係性
思い込みの激しい熱血漢×巻き込まれ型不憫キャラ、というアンタッチャブルカプで、
官→→→→→→→→←ナギといった作品が多い。
かつて辻斬りナギリに襲われ重傷を負って以来、吸血鬼対策課の一員として辻斬りナギリ逮捕を目指すカンタロウと彼を襲った張本人である危険度Aオーバーの吸血鬼……という字面だけで考えるとなかなかにシリアスな関係。
しかし本作はギャグ漫画。
辻斬りナギリを本人だと気付かず「親切な情報提供者な一般人間」と勘違いし振り回す台風男と、分霊体を壊され不死身じゃなくなり、弱体化してしまったが故、本来持つ不運体質に引っ張られ振り回され放題な吸血鬼、という属性とは正反対の繋がりとなってしまっている。
カンタロウは彼が辻斬りナギリだとは気付いておらず、正体を隠す為にナギリが咄嗟に名乗った偽名『辻田さん』と呼んでいるが、辻斬りナギリはカンタロウの名前すら直接呼んだことはなく、「警官」呼び、若しくはカンタロウの名前にルビで「馬鹿」と呼ばれるのが常。但し2020年のホワイトデーアカジャでのみ「カンタロウ」と呼んでいる。(外部リンク)
21巻での2人の回の題名には「The road to hell is paved now!(地獄への道は舗装されている)」」というヨーロッパのことわざに因んだ名称が付けられ、最後のコマの立て札には「ROAD PAVING(道は造られ続けていく)という意味深い英文が書かれている。
続けて本巻のアカジャ3日目最後には「Who is paving the road that leads to hell? It's him, and… you!(誰がこの地獄の道を造っているのか?それは”彼“であり、”貴方(読者)“でもあるのだ)」と締め括られた。
カンタロウにとって「辻田さん」は自身の辻斬り調査においてなくてはならない存在になっており、「ああああああ辻田さーーーーーーん!!!!!!!本官!!!!!本官はやはり一人ではダメでありましたあああああ!!!!
辻斬りに肉薄する調査は辻田さんがいてこそ!!!!辻田さんこそ運命のキーパーソンなのでありまああああああす!!!!」(外部リンク)
と“運命”と断定してまで必要としている模様。
しかし、それと同時に「辻斬りナギリ」については...
「本官地獄の果てまでヤツを追いかけるでありまあああす!!!!!!」(外部リンク)
経歴
2人の初登場は2巻16死。全盛期時代だったナギリは交番勤務の警官でまだモブキャラであったカンタロウの銃弾を頭に浴びるも、当時のナギリは分霊体を持った不死身であったため攻撃が全く効かず、カンタロウを斬りつけ重症を負わせたのが全ての始まり。
分霊体が破壊されナギリが不死身の力を失い弱体化した後、長い回を経てカンタロウは再登場する。
ナギリに対し本人と気付かずに「辻斬りナギリをご存知ではありませんか?」とナギリの行方を尋ね、ナギリがどんなに恐ろしい吸血鬼かを熱弁する。
ナギリはカンタロウに対し「そういえばそんな奴斬ったな」程度にしか認識していなかったが、弱体化して以来ろくに恐れられる事がなかった為に内心「こいつ分かってるじゃないか」と嬉しがり、「褒美にもっと俺を思い出させてやろう」とまた彼を斬りつけようとする。
しかし直後にカンタロウが対ナギリ用にと持ち出した対大型吸血鬼用のパイルバンカー(戦車装甲も粉砕するレベルの威力)を見ると大汗を流して怖気付き、正体を隠す為に「辻田」と名乗る。
その後「ナギリを見た事がある」とカンタロウに嘘をつき隙をついて斬る機会を窺うもことごとく失敗し、挙句自分がついた嘘を信じたカンタロウによってナギリを探す為にとナイトプールだのディスコだのあらゆる場所に連れまわされてしまう。
(因みに9巻のアカジャでは温泉やらカラオケやら卓球やらにも連れ回し、「ナギリは歌が非常に上手い」という新事実が判明した。)
果てには誤作動でカンタロウと手錠で繋がれ共に共闘せざるを得なくなったり、その際彼の突発的な行動によりコンビニのショーウィンドウに激突し小学生に「壁尻の現行犯逮捕」とカメラを向けられたりと公式が病気状態になってしまっている。
194死では吸血鬼アベックにく美の念動力により自身の木陰に入った2人組を催眠術でカップルにさせる「吸血鬼伝説の木」の木陰に新横中の人々が集まった際、何故かコイツら2人も一緒にいた。(かなり小さく描かれているためよく見ないと分かりにくいが、顔の左頬に傷がある短髪の男性とフードを被った後ろ姿の人物が一緒にいる姿が確認できる)
“辻田さん”への執着
カンタロウは公式で『辻田さんになんかヤバい執着を向けている』とされており、作品の特性上本当に恋愛感情であってもおかしくはないと見る読者も多い。
何故ならカンタロウの辻田さん(=ナギリ)に対する執着があまりに度を超えているのである。
下記にて主な例を記載する。
- ナギリがいない普段の話では殆ど笑顔を見せない(アニメではその様な描写はなくナギリがいない場でも常に笑顔を見せているが原作漫画ではそれが顕著)が、ナギリの前では終始頬を染めながら満面の笑みを浮かべる
- 常にナギリの手首を強制的に掴んで行動
- 対策課の仕事中にナギリの姿を見かけるや否や「辻田さん!!」と叫び、仕事を放り出して彼の元へ向かう
- 9巻のアカジャでナギリが丸(=ジョン)の名前を口に出した際急に静かな口調になり「マル?どなたですか?それは?」「彼女さんでありますか?」と尋ねる
- 正気を失ったドラウスにより「あらゆる人間がちんちんと言うようになる催眠術」にかかった際、ナギリに会って早々「ああっ、辻田さん! ちんちんでありますね!」と発言。しかも原作漫画では上述の通り頬を染めながら満面の笑みで発言しているため尚更タチが悪い。(ナギリは勿論これ以上ない程までにドン引き)
- 148死の柱でのカンタロウの説明文「何故か辻田さんから目を離してはいけない気がする。この気持ちは一体...!?」お察しください。
- 13巻のアカジャでナギリの隠れ家を見つけた際には「もしものために...心に刻んでおくであります」「あくまでもしもの!ときのために!」と何故か二回繰り返す
- ナギリが廃ビルに住んでいるのは生活苦に陥っているためと思い込み、「本官ちで一緒に暮らしましょう!!」という爆弾発言をかます。当然ナギリに「嫌だ、死ね!」と拒絶されるだけでなくその場にいた小学生に「行政の支援とかまずやるべきこと色々あるでしょ」と説教される。後に作者は自身のラジオにて「カンタロウは独身寮に住んでいる」事を明かした上でこの事件を振り返り「その状態で「本官と一緒に暮らしましょう‼︎」とかほざいてんのかヤベェなお前は」と発言。
- 232死や21巻アカジャなどでナギリの服が脱げていようものなら自身の吸対制服をナギリに羽織らせようとする。「辻田さん‼︎その格好ではお寒いでしょう、本官の服を‼︎」「辻田さんそのお姿は一体‼︎お風邪を召されてしまいます‼︎本官の服‼︎本官の服を‼︎」(逆に自身の服が他人の服に変えられた時は服を羽織らせようとはせずに一緒に探しに向かうという徹底ぶり)
- オッパイ丸出し強盗団にナギリが人質にされたと誤解した時は青筋を立てて激怒・突進し、以降は事あるごとに彼らに対し「貴様ら」と怒鳴りつけるほど目の敵にする
- 正月に「正月こそ辻斬りは現れるかもしれない」と辻斬り捜査を無理やり理由にねじ込んで自作のお雑煮を食べさせようとナギリを追い回す(作者のツイートより)
- 272死で新横中が御真祖様を追いかけている中、1人だけナギリを連れて路地裏で辻斬り捜査。ノースディン、イシカナ、吸血鬼サンダーボルトが生み出した虹と雷の景色を目にし、「キレイ...でありますね、辻田さん...」という誤解を与えかねない発言をかます。
実際ナギリに「何でいつもバッタリ会うんだ ストーカーか貴様は」とキレられた際には「辻斬りの出そうな路地をパトロールしていただけ」と弁明しながらも頬を染めて恥じらいの表情を見せ、後ろの背景には少女漫画でよく見るキラキラしたトーンが貼られていたほか、182死でナギリが顔を近づけてきた際カンタロウが何故か頬を染めている描写がある。
さらに作者による2019年のホワイトデーアカジャでは、読者にはわざわざ「義理」と前置きしておかきを渡しているものの、ナギリの知り合いである神在月シンジの発言からナギリには高級品のチョコおかきを渡していた事が示唆された。 (しかし当のナギリには「妙なもの」としか認識されなかった模様)その後も毎年ナギリに和菓子の贈り物をしているようだが明らかに読者よりも良い物を送っている。
(2020年度:読者→花見団子 ナギリ→桜餅
2021年度:読者→ようかんセット ナギリ→龍屋の芋ようかん
2023年度:読者→草餅と桜餅 ナギリ→龍屋の桜薯蕷(推定))
以上のカンタロウの友情を軽く超えた異常な執着さはナギリも薄々理解しているらしく、199死のコンビニ強盗回では「自分が人質になればカンタロウは怒って突っ込んでくる」と推測した上で逃走作戦を立てたり、自分が辻斬りだとバレたら「本官の純情を弄びやがって‼︎」とキレられ殺されるだろう、と想像していたりする。
公式も2人の関係をさりげなく茶化して(?)おり、148死の予告では「道の角でぶつかる運命⁉︎」などと少女漫画でよくある展開っぽく予告したり、アニメ化決定の記念扉絵では表紙のド真ん中かつやけに近い2人、背後から笑顔で茶化す野球拳大好きと花が生えたコゼンラを持ったゼンラニウムが描かれたり、人気投票結果のカラーイラストではナギリに親しげに話しかける神在月シンジを見て大慌てするカンタロウというどう見ても争奪戦としか思えないイラストが描かれたりしている。
また、ナギリも不本意ではあるがカンタロウに振り回されながら吸血鬼を退治したり人助けをするなどの善行を行うことが多くなり、お互いに大きく相手に影響を与えているようだ。
それと同時に、最近はカンタロウに対して無意識に心を開いている節があり「俺をナメてるのか過大評価してるのかどっちだ!」「何でコイツらはよくて俺の乳は駄目なんだ!」などと思わず自身の正体を隠さずにツッコミを入れたり、「辻田さん」と呼ばれた際に「な、何だ」と返答する様になったり、辻斬りの決定的な痕跡を見つけて喜ぶカンタロウに一瞬ではあるが笑顔を浮かべていたりしている。
なお前述の行動を経てもナギリは自分の行いを反省したり、また改心した様子などはなく、そもそも過去に関する謎が多いため、想像の幅が広く読者間で解釈が大きく変化していたが....
衝撃の事実(ネタバレ注意)
注意:この先、最新巻のネタバレがあります。
当ネタバレは2人の関係性及び印象を大きく変えてしまう可能性がある衝撃的な内容のため、アニメ派の方々は閲覧を控えることを強くお勧め致します。ご注意下さい。
302死において、ナギリ(と、無理矢理付いてきたカンタロウ)は締め切りで狂っていた漫画家神在月シンジの元でアシスタントを行うこととなった。
カンタロウはまともな線も引けず、シンジ諸共ナギリに説教されて漫画を描く2人の後ろでじっとしている他なかった。
その際に幼少期のカンタロウの憧れが「時空超越ガンダマン」というヒーロー漫画であったことが判明し、その時点で一旦過去話は終わった。
神在月のアシスタントを手伝った帰り道、カンタロウは、昔の自分の夢が「漫画家になること」だったこと、当時警察に入っていたのは夢のため、貯金のためのただの腰掛けのつもりであったことをナギリに明かす。
それを聞いたナギリは「お前みたいなバカが!?」「さっきも(まともな線も引けず)ただの置物だっただろうが!」と驚くが、これを機にカンタロウが警察を辞めて漫画家を目指し、もう自分を追いかけてこないように「そんな夢...を追うのは大事だ!!今すぐ警察を辞して目指せ!なっ?」とカンタロウの肩に手を置き夢を後押ししようとするが...
「ああいえ、もう漫画家になる気はありませんので!」
「辻斬りに斬られたあの夜以来!
描きたいものなど何一つ無くなりましたので‼︎
かつての軟弱な本官はもはやおりません‼︎
辻斬り逮捕こそ本官の使命となったのでありますからしてーーー‼︎」
と、彼はガンギマリの目のまま、満面の笑顔で敬礼して答えた。
その言葉を聞いたナギリはあまりのことに言葉を失い、一瞬の隙をついてその場を去る。
退治人を夢見ていた幼少期の自分、「なりたいものや、やりたいことがあるのって、それだけで大事な事だと思うから」という数刻前の神在月の言葉、そして自身に襲われずに漫画家になったカンタロウの姿を思い浮かべ(この時、肝心のカンタロウの目は真っ黒に塗りつぶされている)ナギリは動揺と絶望のあまり、暗闇の中嘔吐するのだった...
302死後の動向
302死以降ナギリはカンタロウの前に姿を現すことはなく、何も知らない心配したカンタロウがナギリを探すも現時点では未だに再会できていない。
しかしその後の話である24巻アカジャを見る限り、302死以降カンタロウはあれだけ常に最優先にしていた「辻斬りナギリ」よりも「辻田さん」を探そうとする意思が大きくなりつつある模様。
ホワイトデーにおいては「辻斬り捜査は勿論、人探しも同時並行で行っている」「もしもの事など起こさせない」「本官が(辻田さんを)必ず守る」と発言している。(外部リンク)
派生
原作者考案の、本編とは違う派生の世界での2人について記述する。
- 嘘予告、嘘
「俺の顔を覚えているか、辻斬りナギリ!」
単行本の最後に毎回掲載されるシリアスな世界線。辻斬り逮捕に燃える警察官×危険度Aオーバーの吸血鬼というそのままの関係性の二人が見られる。因みにナギリは一切喋ることがない。
- 逆転、Δ(デルタ)
本編や嘘予告での立ち位置が逆転。
- 反転、オルタ
キャラの性格や特徴などを反転した世界線。
カンタロウは熱血な性格が反転し、非常に大人しく知的な性格に、ナギリは短気な性格が反転して非常に心優しい性格になっている。しかし、この世界線でのナギリは誰にも自身の存在を覚えてもらえず、カンタロウだけが存在を知っているという設定である。
- 辻ずきん
「“辻ずきん”さん!確かにチャーミングなおずきんで‼︎」
「そうだ、いっそのことお泊まりになっていっては!」
「だから他人の家で何を言ってるんだお前は!(怯え)」
9巻限定特典リーフレットにて描かれた童話の世界線での2人。
ある時、悪い狼(ナギリ)は丸ずきん(ジョン)が今川焼きを買っているのを見て自身へ助けを求める暗号と勘違いし、おばあさん退治人を食い殺して丸を自由にしようとおばあさんの家へ向かうが、そこにいたのは凶悪な狼を探してパトロール中だった狩人のカンタロウ。ナギリはカンタロウに名前を聞かれ、正体を隠すために「辻ずきん」と答えるが、カンタロウにこれまた異常に執着されるのであった…
その後、2022年のホワイトデーアカジャでは「狼に襲われたら危ない」と危惧したカンタロウが自分の小屋にナギリを連れ込み世話をしている模様。
余談
- 上述の通り、カンタロウはナギリに対し頬を染めながら笑顔で纏わり付きその度ナギリに嫌がられるのが常であるが、2人の内片方に頬を染めて笑顔で照れたのは実はナギリの方が先であり、寧ろカンタロウは人間は愚か吸血鬼にすらも馴れ合おうとせず、ジョン(丸)にすらも最初は敵意剥き出しで接していたナギリに初めて頬を染めるほどの好印象を抱かれた人物でもある。(104死より)
- 第218死では変な動物の能力暴走によってカンタロウがひまわりに変身(ドラルク曰く「教育テレビにたまに出てくる子供にトラウマ植え付ける奴」)し、身動きが取れずに大泣きしており、18巻アカウントジャックではナギリがクワガタムシに変身している(参考ツイート)。ちなみにひまわりの花言葉には「あなただけを見つめる」という意味がある。
- ナギリからカンタロウへの二人称は最初こそ「貴様」であったが258死以降は完全に「お前」呼びに定着した。
- 157死においての「ナギリの嫌いなものランキング」ではパイルバンカーが2位にランクインしているものの、何故かカンタロウ本人はランクインしていない。
アニメ関連
カンタロウが再登場した2期から始まったアニオリやイベントでのカンタロウとナギリの会話ややり取りにおいてもカンタロウのどこかヤバい執着さを感じる箇所や投稿が存在している。
- 2期3話のカンタロウ再登場回にて居酒屋に入る際「無論、奴と遭遇した場合にも辻田さんには指一本触れさせません!」
- 2期10話の手錠回後、吸対のLINEで辻田さんの話を持ちかけ、辻田さん全肯定+「胸襟を開いたお付き合い」(該当ツイート)
- 様々なアニメとの猫耳コラボで有名な『ナンジャタウン』と吸死2期とのコラボストーリーでは当ページの最下層(かなりスクロールしないと見れない)にて2人のやり取りが描かれ、猫耳になったナギリに「新しいご趣味でありますか!?よくお似合いであります!」と発言
...特にカンタロウの中の人に至ってはアニメでのカンタロウ登場回の度にTwitter(現X)上で「辻田さああん!!」と叫ぶという異常な程のファンサービスを提供してくる。2期最終回時に至っては「また演じるときのために肺活量を鍛える」と称して「あめんぼあかいな辻田さん!!」などと文字数の限界の限り「あめんぼの歌」での発声練習の間で辻田さんの名前を叫びまくるというネタツイをかまし、作者が扮したナギリによって空リプでツッコミを入れられるというトンデモ漫才が繰り広げられた。
(尚、ナギリの中の人はTwitter(現X)を運用していないため、当然この事も知る由もない。御本人がこれを知ったらどう思うのだろうか…)
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