概要
神ナギとは、神在月シンジ×辻斬りナギリのBLカップリングである。
ダンピールと吸血鬼、漫画家とそのアシスタント、貧弱な男と強靭な男である。
35歳と24歳という、11歳離れた年の差カプでもある。
お互いのことは「アシさん(もしくはツジタさん)」「クズ(もしくはカス)」と呼んでいる。
経歴(※最新巻25巻までのネタバレ注意)
- 157死「君はステキなアシスタントさん」
馴れ初め。全ての始まり。
豪雨に襲われたナギリは、仕方なく近くの建物で雨宿りをすることに。その建物はシンジの家だった。
原稿の〆切に追われて焦っていたシンジは、玄関前にいたナギリをヘルプで来てくれたアシスタントと勘違いし、彼を家に招き入れた。
自分の正体に気付かれないようにするため、漫画のトーン貼りを手伝うことにしたナギリ。
眠気覚まし(寝たら原稿が描けなくなる)のためナギリに話しかけるシンジは、彼に子供の頃の夢を訊く。一度は「知るか」と一蹴したナギリ。だが…
「お 思い出した 子供の頃の夢… は 退治人になりたかった… ヒヒ なんて笑い種だ…!!」
ナギリは、自身が今まで忘れていた夢を思い出す。幼少期、人間から吸血鬼になり、多くの人々を傷つけた自分が、今更そんな夢を思い出したところで…と、自嘲気味に笑うナギリ。それを見たシンジは突如、ひよこの物真似をした。ナギリに殴られそうになるも、
「いやっ…笑わせて慰めようと!!」
「あーあのぼくデビュー遅くてさぁ…30までほぼプーだったし…いやぼくの話はいいんだ いやその えーと」
「きみが今何になりたくても…人生遅すぎるってことは…あんまり無いよ」
この言葉を聞いたナギリは、凪いだ表情をしている。しかしシンジの「…俺の原稿以外は」の一言で怒り、いつもの調子に戻った。
その後、結局最後まで原稿に付き合ってしまったナギリは、給料代わりに担当編集を斬って吸血しようと企むが、相手が相手だったため、びっくりして逃げ出した。
余談だが、ナギリに抱きつくシンジが1コマだけ描かれている。シンジ曰くナギリは「土みたいな匂い」らしい。
- 2018年大晦日アカジャ
アカジャ(正式名称:アカウントジャック。吸血鬼すぐ死ぬの作者・盆ノ木至のTwitterアカウントを、登場キャラクターたちが占拠して呟く行事)に登場。「お蕎麦がちょっと多すぎるんだけど、よかったら食べてかない?」と、原稿以外の理由でシンジはナギリを招こうとしていた。
- 2019年ホワイトデーアカジャ
シンジ曰く「最近はツジタさんが来てくれる」とのこと。また、ナギリはシンジに貰い物の高級菓子を横流ししている様子。
- 12巻発売アカジャ
シンジの担当編集・クワバラの呟きに、名前を伏せて登場。原稿が修羅場になり、2人一緒に大変な目に遭っていた。
- 13巻発売アカジャ
157死の後日談。
あの日渡せなかったアシ代を渡すため、シンジはダンピールの探知能力を頼りに、ナギリを探しに行く。暗い路地裏に入ったシンジは、そこでナギリと再会した。
「……ン? 何だ、何のつもりだ? モゴモゴ言うな、何がしたいんだ!」
「…金? …なんだ? 俺を金で懐柔しようと思ったか? …アシスタント代?」
「…なんだ、離せ、気色悪い」
「は? ヘルパシ?? またいつでも?? バカか!!」
「もう行く、離れろ!! …なに? 名前?」
「…辻田ァ!!」
「はー……なんかやっぱ、すごいオーラがある人だったな… また来てくれるといいなあ…」
「ツジタさんかー…、……。いい吸血鬼の人だな…。」
- 2020年ホワイトデーアカジャ
一緒に宇宙勇者サーガ(シンジの好きなSFアニメ)の上映会(強制)をしている。この頃から、ナギリはシンジの家を緊急避難先扱いし始めている。
- 人気投票結果発表巻頭カラー
4位の作者・盆ノ木至を除いた、上位15人で飾られた巻頭カラー(ナギリは6位、シンジは16位)。2人がセンターで見つめ合っている。
- 227死「よいこすぐ死ぬ童話」
『こびとの靴屋(漫画家Remix)』に登場。
トーン貼り以外の作業をしているナギリ、シャツに胸ぐらを掴まれた跡があるシンジなど、1ページ完結だが細かくネタが散りばめられている。
- 16巻発売アカジャ
シンジが登場。「連絡手段は無いんだけど、不思議と僕が困ってる時に現れるんだよね…。まあ困ってない時ほぼ無いからそのせいでもあるけど」とのこと。また、シンジは『辻斬りナギリ』について調べていた時期があったらしい…?
- 232死「オペレーション:ネイキッド・スニーク!!」
『吸血鬼任意の対象の衣服を半径10km以内のどこかの地点へ吹き飛ばす』と名乗る少女により、服を失ったナギリは少女こと福戸橋十子と一緒に、自身の服を探しに行く。
道中、十子の能力が覚醒し『半径10km以内の誰かの服を転送できる』ようになった。その能力を使ったことにより、原稿を進められず奇行に走っていたシンジの服が、ナギリに転送された。彼シャツではない。
直接会ったわけではないが、共演した回。
- 2021年ホワイトデーアカジャ
狂って人魚の格好をしながら作業通話をしていたシンジの元に、ナギリがやって来る。シンジの奇行をスルーするナギリ、人魚の格好のままお茶を出そうとするシンジ、ヨーグルトをたかるナギリなど、手慣れた(?)やり取りをしている。
ちなみにこの後、福戸橋十子によりシンジは貝ブラ、ナギリはパンツを失くした。
- 2022年ホワイトデーアカジャ
福戸橋十子により、ナギリは服が吹き飛び、代わりにシンジの服が転送された(通称:彼王蟲)。あまりに動きづらくて腹が立ち、切り捨てた模様。
- 21巻発売アカジャ
直接話したわけではないが共演。
手違いからヒーローショーに怪人役で出演する羽目になったナギリと、原稿から逃げてヒーローショーを友人と見に来たシンジ。
ナギリは客席のシンジに気付いたが、シンジはナギリに気付かなかった模様。ただ「すっごい動きキレてなかった!?」と、ナギリが演じた怪人に注目していた様子。
- 302死「みんなで地獄でダンシング♡」
お供してきた(無理矢理ついて来た)カンタロウと一緒に、シンジのアシスタントをすることになったナギリ。しかしカンタロウは絵どころか、線すら真っ直ぐに引けなかったため、結局シンジと2人で作業することに。
相変わらず奇行に走るシンジを「2秒とまともでいられないのか」「1人でもやってるのか!?若干怖いわ!!」と蹴飛ばしたり、椅子に縛りつけるナギリ。
何とか作業を終えて、アシ代を受け取ったナギリは、退治人になる修行を始めたことをシンジに伝える。
「応援してるよ なりたいものややりたいことがあるのって それだけで大事なことだと思うから」
背中を押す言葉に、むず痒そうな表情をするナギリ。シンジに見送られる形で、カンタロウと共に家を去ったが…。
- 316死「The path to paradise begine in hell」
雨が降る中、彼が向かったのはシンジの家。
ナギリが来ると、いつものように玄関を開けてくれたシンジは、ずぶ濡れの彼を心配し、家の中へ招こうとする。だが、
「…戻るんだ」
「えっ?」
「斬っても斬っても殴られても撃たれても 何も思わなかったあの頃に戻る 不死身で恐怖の存在に戻る」
「斬って斬って力を取り戻して そうすれば俺は元に戻るんだ!!」
ナギリは自身に言い聞かせるように、まるで子供のような口ぶりで…シンジに自身の正体を明かした。
そのナギリの言葉に、シンジは肯定も否定もせず…ただ問うた。
「戻って…戻ったその場所に 君は本当に居たいのかい?」
シンジの問いに酷く動揺したナギリは、背を向けて走り出してしまう。
…後ろから呼ぶ声に、耳を傾けずに。
サブタイトルの日本語訳は『楽園への道は地獄から始まる』。
アンソロジー・派生
- 公式アンソロジー「新横浜で会いましょう」
『ロナルドウォー戦記公式アンソロ』(作:藤近小梅)に直接会っていないものの共演。またしても何も知らない辻斬りナギリさん。
「最早なんて言えばいいんだ俺は」
「神在月先生を除いて殺すぞ」
- 公式アンソロジー「新横浜で会いましょう2」
『三人寄っても無理は無理』(作:ヒゲフサ)に登場。
「超スーパーヘルプアシさん」とシンジが自慢げに語る場面があり…?
「ハァッ……、ハァッ、ハァッ、…何なんだお前は、来るなっ、来るな、来るな!!やめろ、ウッ…グ、がっ、ア、アアア、アッ、が、はっ……!!!」
「ほぎゃーっ何の音!?今夜まだ怒られるような〆切では!?……外……?……ひーーっ、ひ、人が倒れてるーー!!!どどどうしよう、だ、大丈夫ですか!?ウッ…美味しそうなニオイ……い、いや駄目だ、非常事態!どどどどうしよう、どうしよう~~ッ!!」
2022年ホワイトデーアカジャに初登場。
「美味しそうなニオイ」発言からΔシンジは吸血鬼であること、Δナギリは出血を伴う重傷を負っていた人間であることが推測できる。
嘘予告・オルタにも2人は登場しているが、現時点での接触・接点は不明。今後のアカジャに期待。
余談
- ナギリは初対面時、シンジを吸血するのを躊躇っている。不味そうだから。
- シンジはダンピールであるため、ナギリが吸血鬼であることは既に気付いており、それを承知の上で彼を家に招いている。実際、本編やアカジャでナギリを家に招いている際、シンジから玄関を開けていることがほとんどであり、ナギリが玄関のドアを叩く・チャイムを鳴らすなどといった描写が無い。
- 「ゲームや漫画を持ったことがない」「雨の日に傘や雨具を使っておらず、土の匂いがする」など、シンジは少なからずナギリがワケアリなことを察している可能性が高い。
- 「辻斬り」として指名手配されているナギリは常に気を張っているものの、シンジ相手にはそんなことは無い。シンジが貧弱すぎるおかげ。
- ナギリはダンピールを警戒しているが、シンジがダンピールだとは気付いていないらしく、シンジもナギリに明かしていない模様。2人が登場する回ではシンジの耳(ダンピールは吸血鬼と同じ尖った耳なのが特徴の1つ)が、意図的に髪の毛で隠れて描かれている。
- シンジのせいで、ナギリはオータム書店のシチューの具になりかけたらしい(該当ツイート)
- シンジが連載している漫画『アンドロメダイガコーガジャイアントバトル飯』に登場するキャラクター『殺し屋忍者』は「辻斬りナギリとアシさんをモチーフにしている」という。ほぼ100%本人である。
関連作品
関連タグ
別表記:神辻
以下、単行本未収録及び未収録エピソードに関するアカジャにつき、ネタバレ注意。
- 24巻発売アカジャ
カンタロウの呟きにシンジが登場。
「辻田さんがこちらにいらっしゃってはいないでしょうか?」
「あ……アシさんか…。いや、来てないです。……。」
「うおおお、先生もナギリについて再びお調べになっていらっしゃるのですね!!!頼もしいであります、もし何か新たな知見がございましたらぜひ本官に!!」
「……はい…、……」
「もし辻田さんがおいでになったら、あるいはまた辻斬りナギリについて何かお閃きがございましたら、本官にお伝え願えませんでしょうか!!」
「はは…、〆切〆切なもので、お役に立てるかどうか…。」
彼に関する話題では、妙に歯切れの悪い答え方をしていた。
- 322死「ザットデイ・サイド・K」
とある日、原稿に行き詰まっていたシンジはクワバラに連れられ、オータム書店で執筆することに。コロッケの生地にされそうになるも、何とか原稿を終わらせ、カレーを奢られて五体満足で無事に帰宅した。
資料の整理と称して本棚を漁り、ネーム作業から逃げるシンジ。
ふと目に留まったのは『辻斬りナギリ』について調べたファイル。
『被害者数千人規模』という普通に考えたらあり得ない内容、ハッキリ被害者だと明らかになっているのは、退治人や吸対ばかりであることに、シンジは着目する。
なぜ辻斬りナギリは辻斬りになったのか?なぜ人を襲うのか?自身の力を誇示するため?それとも別の理由が?…雑誌に書かれるようなバケモノじゃないのでは?
…どういうわけか脳裏に過ぎったのは、アシスタントの彼だった。
玄関から気配がして、開けるとそこにはアシさんがいた。初めて会った日と同じように、雨の中傘も雨具も使っていない、ずぶ濡れの彼が。
「あれ? アシさん!? どうしたの雨の中 入って入って! 冷えるから早く 散らかってて悪いけど」
心配するシンジに、アシさんは言った。
「…戻るんだ」
「えっ?」
「斬っても斬っても殴られても撃たれても 何も思わなかったあの頃に戻る 不死身で恐怖の存在に戻る」
「斬って斬って力を取り戻して そうすれば俺は元に戻るんだ!!」
…そう、この322死は、316死のシンジ視点の物語だったのである。
子供のような口ぶりで、両手の平を見つめ、顔を覆うアシさん。
「戻る」と言う彼に、シンジは雑誌でバケモノとして描かれた『辻斬りナギリ』を重ねてしまった。
「戻って…戻ったその場所に 君は本当に居たいのかい?」
シンジの問いにアシさんは顔を上げた(この時、彼の見開かれた目以外は真っ黒に塗り潰されている)。
そしてそのまま背を向けて走り出してしまう。
「!! 待って!! 待ってくれ!! アシさん! アシさん!!」
血液錠剤を引っ掴み、アシさんを追うシンジ。
しかし運動神経も、ダンピールとしての探知能力も鈍い彼は、アシさんに追いつくことは出来なかった。
アシさんを見失い、人混みの中、雨で濡れた地面を見つめるシンジ。
もっと自分に体力があれば、探知能力を鍛えていれば、父親の言う通り吸対に入っていれば、アシさんに追いつけていたかもしれないのに。
貧弱で無力、ほんの数メートル程度しか探知できない自分、身体能力のブーストなど出来ず安定剤程度の役割しか果たせない血液錠剤を片手に握り締めながら、
「クソ…ッ…」
自分自身に悪態を吐くしかなかったのだった…。
- 2023年ホワイトデーアカジャ
呟かれたのは、322死が掲載されたチャンピオンの発売日。恐ろしくタイムリー。
アシさんが来なくなり、シンジはクワバラから新しいアシスタントを打診されるも、断っている。
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