「所詮人類は資本主義の奴隷ミキよー」
「あざます」
「バーベキューになる 本当にバーベキューにされてしまう この会社は本当にやる 臨時編集として雇われたから知ってる シンジ 原稿を描け 描けないなら俺と場所を代われ」
プロフィール
概要
本作における、いわゆる隠れミッキー的なキャラクター。通称「便利モブの人」。
友人からのあだ名は“ミッキー”。理由は「高校の頃にメチャクソ雑なミッキーのモノマネをしたから」(ちなみに記事冒頭のセリフが、その「メチャクソ雑なミッキーのモノマネ」である)。
人物像
新横浜のあちこちにモブとして出没しており、ただの通行人Aからバーテン、VRCの作業員、各施設や催しのスタッフ、携帯ショップ店員、競マの実況から果てには殺し屋まで、まさに『ありとあらゆる仕事』を掛け持ちしている。
ちなみにファンブックでは、『新横浜美術館スタッフの方』として紹介されている。
本編ではモブなのでセリフ自体も少ないが、Twitter上のイベント(アカウントジャック・ホワイトデーイベント)ではメインキャラ同様に活躍しており、19巻のアカウントジャックでは『畏怖畏怖クラブ』の退治人役キャストこと『プラチナ』として進行を務めた程(下部画像の衣装は、第230死で退治人役として登場した時のもの)。
仕事の内の1つで退治人業も営んでいるが、ロナルド達ギルドメンバーとは違って稼ぎを最優先にしており、報酬が釣り上がった焦げ付き仕事(訳アリ仕事)のみを1人で引き受けている。そのためロナルド達とも顔見知りではあるものの、「同業者」というよりは「色んな所で働いている人」という印象を持たれている様だ。
素の「三木カナエ」としては、どこか飄々とした、少しキザっぽい立ち居振る舞いをする。笑い方は「ハハッ」。
とにかく稼ぐために無数の仕事をひたすらこなしており、中学生の頃には既にバイトをしていた。
その理由は弟家族(弟、弟の嫁、甥)と祖母に仕送りをするため。
…だったのだが、最近は仕送りを止めているらしい(理由は後述)。
派生も存在し、嘘予告、Δ世界線にそれぞれ存在している。
外見
黒髪に七三分けという一見地味めな風貌をしているが、よく見ると手や腕などに細かい傷跡があり、首に特に大きな一文字の傷がある。
普段はモブ故に顔が隠されているが、Twitterやファンブック、特定の本編などでは素顔が公開されており、ドラルクの目を細くした様な四白眼をしている。オーバーワークのせいなのか隈が濃い。
私服で登場する事も度々あるが、基本は黒シャツに白いスラックスを着用。柄物の服が好きなのか、黒の柄シャツやアロハを着ている姿も確認されている。
強さ
退治人としても働いているだけあって、上述の畏怖畏怖クラブの回ではコースの演出の一環と言えど目にも留まらぬ二刀流のナイフ捌きを披露しており、作者がTwitterに投稿した強さを表す一覧表ではマリア・ター・チャン・モエギに並ぶ強さだと判明。
同時に、前述の2人・ロナルド・サテツ以外の退治人達を上回る戦闘力を持つ事も明かされた。
過去
弟のノゾミと共に祖母に育てられる。物心ついた時には両親はおらず、父親はトラックで居眠り運転の事故を起こし他界しており、母は「いなくなった」らしい。
自分と違い運動神経が悪く、身体も弱いのにいつも後をついてくる弟を疎ましくすら思っていたが、ある日用水路に遊びに行った日に、彼の性質を決定付けてしまう事件が起きる。
弟に軽い気持ちで「橋を渡ってこっちに来てみろ(※)」と言った事により、弟が用水路に落ちてしまうのである(※橋といっても、角材だの板だのを渡しただけの粗末な物だった)。
幸いにも用水路は浅く流れも緩かったため弟は助かったが、その後身体の弱い弟は風邪を拗らせ肺炎になりかけてしまう。幸い弟は完治したものの、幼い兄をすっかり変えてしまうには充分なきっかけだった。
それから、三木カナエは弟の望みを全て叶えるためだけに生きる様になった。
弟が欲しがったものはどうやっても手に入れ、そのためならば方々を駆けずり自分の小遣いをはたくのも厭わず、金が無くなれば人に頭を下げて譲ってもらう事までするようになった。そして、自分の物は何も欲しがらなくなった。
「ノゾミが欲しいものを手に入れられないのは間違っている」という独白が、その頃の彼の全てを物語っている。
その後、成長するにつれ自身の家の経済状況を分かってきた彼は中学に入ってすぐにバイトを始める。弟を高校に進学させるために吸血鬼退治人登録をし、未成年ながらに退治人としても働く様になった。
「働いても働いても辛くはなかったが、腹が減るのに腹が立った」と、彼は語っている。
…ここまでが、およそ確定している(であろう)三木カナエの過去である。
この過去は作者がnoteにて公開した『mob』という作品に書かれており、これが「全部の分岐がうまくいかないとこうなるみたいなやつ」、いわゆるバッドエンドIFである。
彼の人生には分岐点が6つほどあり、1つ目の分岐発生前までの人生が上述の過去(恐らく正史?)となる。
この後の彼がどうなるかは、是非『mob』本編を読んで頂きたい(各種記事リンクは下記項目へ)。
ただし、「ギャグではありません」「本編ではやれないやつです」との前書きの通り、かなり重い話であり終盤に残酷な描写があるため読む際は注意。
その後と現在(ネタバレあり)
この項目は、『mob』本編・『mob』正史分岐のネタバレを含みます。本編読了後の閲覧を推奨します。
『mob』本編では辛い最期を迎えてしまった彼だが、本編では勿論生きている。本編現在では弟と向き合い「本当にありがとう、それとこれとは話が別だ僕はもう大人だし仕送りは大丈夫だって言ってるだろむしろ自分を労われ兄ちゃんのバカヤローパンチ」を喰らって和解、今は仕送りを止めて祖母の施設代を兄弟で折半している(ファンブック1巻内容から情報が更新される)。
また、安いワンルームではなく補助金の出るマンション(通称『便利モブマンション』)に住んでおり、そこで吉田のおじさん、クラージィと出会い、お隣さん同士の便利モブ三人衆として日々楽しく過ごしている。
ワーカホリックは結局治らなかったが、仕事好きなワーカホリックとして今日も新横浜のどこかで、元気に働いている様だ。
人物像(ネタバレあり)
上述の過去から、他者(身内や親しい者、特に弟)にどこまでも尽くしてしまう所がある。長い間弟の望みを叶え、友人を支え、とにかく他者から必要とされる人材であり続けるためだけに生きていたので既に彼の性質として定着してしまっており、弟と向き合いパンチを貰った後も治ったわけではない様だ。
作者曰く「三ッ木ーは弟相手には極めてコミュ障」との事で、現に和解した現在でも顔を合わせればノゾミのために何かをしてあげようとする「金出す星人」と化してしまう(参考リンクその1、その2、その3、その4)。もっともクラージィや吉田と一緒の時もよく「金出す星人」になっているらしく、当のクラージィからその事を指摘された際は落ち込んだ(参考リンク)。
シンジのアシスタントとしても、シンジに原稿を描かせるための人質として度々オータムで人間BBQにされかけており、熱された網の上に吊るされるという恐怖体験からBBQが半分トラウマになったりしてさえいるのに、「でも友達がコロッケになるより自分がバーベキューになったほうがいい」とさえ言ってのける(前述のセリフの続きに「それほどNじゃない」とも彼は発言しているが、これは同名のSCPが存在しておりそれが恐らく元ネタだと思われる)。
それでも私生活は結構充実しており、便利モブ三人衆で集まって吉田のおじさんが作る巨大料理を食べたりゲームをしたり、友人とヒーローショーに行ったりと楽しく過ごしている。
また、某少年名探偵の作品が好きらしく、作者曰く「時計仕掛けは殿堂入り、緋色の弾丸は色んな意味で好っキー」との事。
2023年のホワイトデーイベントで判明したが、その時は落とした映画のチケットを渡された際ひどく動揺し、「甥のため」と繰り返しながらも「誰にも見せたり話したりはしていないと思うが」と口止め料の【あらゆるお店の割引券や無料チケット】を渡してくる。
この動揺っぷりの詳細な理由は未だ明らかになっていないが、少なくともこのイベントでは「誰にも見せたり話したり」どころか持ち主を探すため町中の色んな人達にチケットを見せて話しまくっている。可哀想である。
関係人物
- 神在月シンジ
高校時代からの友人。高校生の頃から要領が悪く貧弱な彼を何かと支えていた。
大人になった今でも飲みに行ったり、作業通話に付き合ってあげたり、一緒にヒーローショーに行ったりと仲良しで、シンジの漫画の単行本が出た時は一番にサインを貰いに行った。ちなみに酒はお互いにさして強くない。
学生時代にはシンジの好きなアニメ『宇宙勇者サーガ』のビデオを(かなり強引に)貸してもらった事があり、19巻のプラチナとしてのアカウントジャックではシンジと息ぴったりの掛け合いを披露している。
作者のYoutubeラジオにて「ナギリとアシスタントで面識がある」と明かされ、これによってシンジの所でも働いている事が判明した。
その後は作者Twitterで度々アシスタントの様子が投稿され、よく人間BBQとして焼けた網の上にハーネスで吊るされながら原稿作業をするという拷問を受けている(これはシンジの「自分自身が辛い時より、他の誰かがしんどいのを見てるほうが辛い」という性格に基づき、アシスタントを人質にする事で描かせるという手法である。人の心はないのかオータム書店)。
また、三木はシンジの著作である『アンドロメダイガコーガジャイアントバトル飯』の主人公・ラクライの相棒にしてもう一人の主人公、“ムツ”のモデルにもなっている。
前述の通りアシスタント仲間。だが今のところ言及はYoutubeラジオの一言のみで、本編・Twitterでも特に詳細は明かされていないため、今後様子が描かれるかどうかは不明。
ちなみに彼もシンジの著作のキャラ、『殺し屋忍者』のモデルである。
第247死『バトル・ノワールで逢いましょう』にて、実はオータム側のバイト編集としてバトル・ノワールに来ており面識がある。
それ以前に三木はシンジのアシスタントであるため度々人質として拷問されており、あらゆる職を経験し退治人として修羅場も潜っているであろう彼をして「神在月がいなかったらとっくに(オータムとは)縁を切っている」と言わしめている。
三木はシンジと違いオータムに染まっていないので、人を焼き殺そうとしながら平然と心配をしてきたり脱稿しても装置をさっさと止めないクワバラや、先程まで友人が焼かれそうになっていた網で脱稿打ち上げBBQとしてバナナを焼きたいとはしゃぐシンジのコンビには、流石の彼もドン引きしている。
2023年のエイプリルフールの格闘ゲームパロディのクワバラとの試合では、「シンジが絡まないんだったら俺、全然強いんで。すんませんね、はい」とバッサリ対応している(ちなみに上述にも表記されている、Twitterで公開された更新版強さランキングにて、本当にクワバラより強い事が判明した)。
直接の関係はないものの、客と店員として関わる・共演する事が何かと多い。
店員を極端に怖がるドラウスにとっては、ある意味彼は天敵と呼べる存在かもしれない(しかし第292死では、怯えるドラウスに対し懇切丁寧に説明して彼を安堵させている)。
- 弟家族
弟、ノゾミの家族。義妹の名前は“ヒカリ”、甥の名前は“コダマ”(恐らくノゾミも含めて、新幹線の名前が由来)。彼曰く「ヒカリさんは弟に似ている」らしい。
弟のノゾミも作者note『兄弟』にて容姿が公開されている。こちらは素朴で優しそうな顔の青年で、兄より弟の方がかなりモブ顔である。イラストでは弟の横で気まずそうにしている様子が描かれており、パンチの一件以来弟に頭が上がらない様な印象を受ける。
- クラージィ
便利モブ三人衆の1人でご近所さん。スマホの操作を教えたり、吉田のおじさんから吹き込まれたであろう怪しい日本語を訂正したりと面倒見の良さを発揮しているが、一発芸(ミッキーのクソモノマネ)を悪霊憑きと勘違いしたクラージィから思い切り殴られたり、ゲームコントローラーのバイブレーションを悪霊憑きと勘違いしたクラージィの退魔パンチからコントローラーを庇って殴られたりと、ちょいちょいクラージィの天然にやられている節もある。
- 吉田のおじさん
便利モブ三人衆の1人でお隣さん。おじさん宅で開催される巨大料理パーティに参加したり、ゲームを一緒に楽しんだりと仲が良い。
おじさんからゲームの話を聞いたりするのも好きらしく、「父親がいたらこんな感じなんかな」と思ったりしているらしい。
余談
- ここまで濃いキャラをしている彼だが、本編には殆ど名も無きモブキャラとしてしか登場せず、度々「それでモブキャラは無理があるだろ」と言われ続けてきた。…のが公式にも伝わったのか度々のアカジャ出演などでそう思い至ったのか、22巻アカジャの逆鬼ごっこにてモブらしく背景と同化して逃げようとしたが御真祖様に「無理がある」とタッチされ、「自分でもそろそろ無理がある気がしていた」と発言するという一幕が投下された。やっぱりな…
- アカウントジャックではメインキャラ同様に活躍しているのだが、その内容がいきなり全裸にされる(2022ホワイトデー)、社会の窓を全開のまま固定される(21巻アカジャ)など、だんだん扱いが某ヨゴレかっこいいの人みたいになってきている。合掌。
- 度々Twitterに投稿される便利モブ三人衆のツイートでは、色々と彼の嗜好が見えたりする。ドラクエの職業では天地雷鳴士が好きらしく、理由は「名前が超かっこいいから」。
外部リンク
- 【mob ネタバレ有り 分岐】https://note.com/bonbon_storage/n/n0711d8168992
関連項目
作中で絡む場面は無いが、『他者(特に身内)にどこまでも尽くしてしまう』点が似ている。