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油圧ショベルの編集履歴

2022-06-27 16:49:33 バージョン

油圧ショベル

ゆあつしょべる

油圧シリンダーによって駆動する関節を持った腕にバケットをつけた重機であり、また自走が可能。バケット部分は用途に応じて様々なアタッチメントに交換できる

概要

エンジンと走行装置を有する機体上の、油圧シリンダーで作動する腕(ブーム、アーム)の先端にバケットを取り付け、土砂などを掘削または整地する自走式掘削機の中でも、油圧ポンプと油圧シリンダーを用いる機械のこと。

エンジンにはディーゼルを使用するものが多いが、近年ではポンプを電気モーターで回転させる方式のものが開発されている(バッテリーを搭載したEV、有線で給電するものなど。非公式に改造したものならばそれ以前から存在していたと思われる。)

操縦席と腕の付いた上部フレームは油圧モーターで旋回する。下部のクローラーは油圧モーターで駆動させることが多い。

油圧シリンダー作動は大型化に限界があり、作業半径が20mを超えるような大規模な掘削機械には、動力源に電気を用い、ウインチとワイアーで作動する昔ながらのケーブル式ショベルバケットホイールエクスカベーターバケットチェーンエクスカベーターなどの特殊な方式のものが使用されているが、近年ではバケット容量が40立方メートル超えの超大型の油圧ショベルも開発されている。


腕にフックを取り付ければクレーンとしても使用可能。ただし、その際は移動式クレーンの免許も必要となる。

下部走行フレームにドーザーブレードを装備し、ブルドーザーのように使用できるが、本体を支えるアウトリガーとしての役割が大きく、比較的小型の機体に備え付けられている。


足回りは無限軌道を装備したものが多いが、タイヤを装備したホイール式ショベルもある。

無限軌道は小型機ではゴム製の事が多いが、大型の車両では金属製が多い。

舗装路を通過する際はゴム製の保護履帯などを取り付ける、あるいは鉄板などを敷いて路面を保護する必要がある。


近年はエンジンで発電機とオイルポンプを回し、電気モーターで上部フレームの旋回など慣性力のかかる動作を行い、回生ブレーキで電気を回収するものもある。


名称

「油圧ショベル」は、1990年代に入ってから、社団法人日本建設機械工業会により制定された統一名称である。


パワーショベル

小松製作所の商標のバックホー、あるいは手前から全面に向けて押し出して掬う方式のショベルの名称でもある。(蒸気機関や内燃機関を用いたケーブル式ショベルで、油圧式でないものも含まれる)ホイールローダーやドーザーショベルなどは別の分類となる。


ユンボ

ユンボ」はSICAM社(フランス)の商標で、固有の商品名である。SICAM社と当時技術提携していた三菱重工が同名の商品の製造販売も行っていた。[pixivimage:https://www.pixiv.net/artworks/28318659:s]

現在はレンタルのニッケンが商標登録している。語感の良さ、文字数の少なさなどから建設業界を初め広く浸透し油圧ショベルの代名詞となっている。


ショベルカー

ショベルカー」はこういった商標名を回避するために使われた言葉で、業界用語としては使われる機会は極めて少ない。俗語の中でもさらに本流から外れた呼び名と言っていい。マスコミやおもちゃ業界では重宝されるのか、これが多用される。


ドラッグショベル(ドラグショベル)」、「バックホー

ショベルの作用面が手前を向き、操縦者側に引き寄せるように作業するものを「ドラッグショベル」、地表より下の掘削に適するドラッグショベルを「バックホー」と呼ぶこともある。耳慣れない呼び名だが、公的機関ではこの呼名で書類を作ることが多い。公共工事の積算などでは頻出するだろう。


アタッチメント

腕の先端は別のパーツに交換できるアタッチメント方式が多い。そのため土木工事はもちろん、各種の解体工事、金属リサイクル、荷役、林業など多岐にわたる作業に使用されており、それらの作業に特化した数多くのアタッチメントが存在する。


以下に主なものを簡単に記す。

バケット

溝掘り作業に使用。穴掘りや解体ガラ分別、岩石の掘削など目的によって形状の異なるものが各種ある。

リッパー

爪状で、木の根を抜いたり、岩石を削るのに使用。

油圧ブレーカー

削岩機。タガネを打ち付けるアタッチメント。油圧で主に斫りや採石場での石の小割り、岩盤の掘削作業に使用。また、トンネルの掘削時に発破ができない場所で使用されることがある。

油圧クラッシャー

いわゆる「大型のニッパー」である。主に鉄筋コンクリートの建造物の破砕・解体に用いられる。また後述の鉄骨カッターを兼ねた汎用機も少なくない。

鉄骨カッター

その名の通り主に工場倉庫など鉄骨をメインにした建造物や、工場のプラントなど金属製の構造物の解体に使用される。また鉄道車両自動車船舶などの解体に使用されており、また対象物に応じて用途が特化されたものも多い。

グラップル

嘴状で物が掴める。林業や家屋の解体、廃棄物の分別に使用。

マグネット(電磁石

くず鉄(スクラップ)の荷役や分別に用いる。

その他

草刈りや林業、転圧や穿孔などさまざまな分野に特化したアタッチメントが存在している。興味があれば調べてみるといいだろう。



操作

スロットル

主にエンジンの回転数を変え出力調整に用いる。

アーム、ブーム、バケット

左右アームレストの部分に操作用のレバーがある。

操作パターンはJIS式とコマツ・日立パターンが主流で、メーカー出荷時はJIS式に設定されている(三菱パターンや旧・ヤンマーパターンもあるが少数派である)。

右レバーの操作

左右でバケット操作(左:掘削、右:開放)、前後でブーム操作(前:下げる、後ろ:上げる)

左レバーの操作

JIS式では前後でアーム操作(前:伸ばす、後ろ:曲げる)左右で旋回(左:左旋回、右:右旋回)。

コマツ・日立パターンではレバーの左右と前後の役割が逆で、(前:右旋回、後:左旋回、左:アーム伸ばし、右:アーム曲げ)。

左レバーの操作が混在している地域では、JIS式を横旋回、コマツ・日立パターンを縦旋回と呼ぶことがある。

無限軌道

無限軌道を装備する機種は走行時の操作が統一されており、中央に二本ある走行用のレバーがそれぞれ右のカタピラと左のカタピラに対応し、前へ倒せば前進、後ろに倒せば後退する。ペダルがレバーと直結されていることもある。


【操作例】 前進・後退は車体から見てであり、操縦席が旋回して後を向いている時は逆になる。

左レバー右レバー動作
前へ直進
前へ少し倒す右へ曲がりながら前進
中立右へ信地旋回
超信地旋回(時計回り)
超信地旋回(反時計回り)

関連タグ

重機 建機 建設機械 土木機械

ショベルカー パワーショベル ユンボ バックホー

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