概要
リュックサックに形状が似ている。
箱状の収納スペースにサイドポケットがいくつかついており、収納口の根元から半面を覆うように革製の蓋で閉じる設計となっている。
下記にある起源故か、分厚い革で縫製されるため耐久性が高く、小学校での六年の通学生活に耐えうるほどに頑丈。
そのため壊れる場合は、肩紐の根元の金具が金属疲労を起こすか、肩紐の細い部分がちぎれるといったケースがほとんどである。
その強度ゆえに、単なる鞄としてだけではなく、低学年くらいまでは背中側に転んだ場合のクッションとしての意味合いも持っている。
男子は黒、女子は赤が定番だが、2000年以降カラーバリエーションが豊富になり、色とりどりのパステルカラーや革の色を活かしたシックな茶色など、児童の好みで色を選ぶ時代となった。
2020年頃からは、ICT教育の重視から大型のタブレットやノートPCにも対応した幅広のランドセルが登場。一方で大型化の為に更に増加した重量(そこにDX化が進まぬ大量の教科書の重量も加わる)や、祖父母まで巻き込んだランドセルの高額化が問題になるケースも増えている。
現在では小学生時代のランドセルをミニチュアサイズに縫製し直し、思い出の品として手元に残すサービスも存在する。
小学生のシンボル的なアイテムといえ、これを背負っていることが「小学生であること」の記号的な表現ともなる。中高生でこれに対応するものを挙げるならさしずめ(学生鞄ではなく)制服ということになるだろう。
なお日本の全小学生がこれを背負うのかと言われれば別にそういうわけでもなく、指定鞄の学校は割と存在するし公立校であっても「軽い」「帰国子女なので持っておらず、かつ短期間しか使わない」「壊した」などの理由でリュックサックや肩掛けカバンなどの代替品を使う人もいる。
pixivにおけるランドセル
前述の通り、ランドセルといえば小学生が装着すべき物とされている。
よってランドセルを背負わせたり側に置いたりすることで、そのキャラが小学生であると特徴づけられる便利な小道具である。オリキャラであれば特に効果的。
たとえ体格が小学生を超越していても、ランドセルが有れば※小学生ですと強弁できる。
またランドセルを背負ったキャラと禁則事項することでおまわりさんこっちです行為の暗喩となる。その為同人商品を扱う業者の中には作中にランドセル描写が有る場合取り扱いを拒否する事例もある。
ちなみにPixivにてランドセルタグ付与作品の半数近くがR-18とされている。このロリコンどもめ…
一方(公開プロフィール等から)小学生ではないキャラが装着している事例もあり、この場合は彼女らにお子様の格好をさせて辱めるという羞恥プレイや倒錯プレイとなる。
ちなみにザクとガンダムのバックパックもランドセルという。ザクも兵器であるためミリタリー的な経緯から理にかなう名称といえる。
pixivにおけるランドセルの正しい装着法
一.服を着て装着すべし。
一.男は黒。女は赤(現在は黒と赤のほかカラフルな物が主流。通学用には勿体無い高価なものも…?)。
一.飾りじゃないのよランドセルは
ランドセルの歴史
江戸時代に幕府が洋式軍隊を導入する際に、兵士の背嚢(はいのう)として輸入したもののオランダ語の呼び名「ランセル」(ransel)がなまって「ランドセル」になったと思われ、幕末の教練書である、元治元年(1864年)版『歩操新式』にもカタカナ表記で「ランドセル」の語が見られる。明治時代に帝国陸軍にて将校用背嚢として制定され、以後終戦まで殆ど形を変わらず使用され続けた。
通学かばんとしての利用は、明治に入って官立の模範小学校として開校した学習院で、これを元にした物が使われるようになった。後に伊藤博文が当時皇太子だった大正天皇の学習院初等科の入学祝い品として献上し、それが徐々に浸透して今のような形になったという説が有力。
海外では
日本では小学生のものというイメージが強すぎるため、仮に大人が背負って歩いていれば(コント番組か何かのコスプレイベントでもない限り)不審者扱いされかねないだろう。
しかしこうした文化的な文脈から自由な海外では、ある種のファッションとして人気を集めつつあり、アメリカやフランスなどでは「おしゃれなバックパック」として使用する大人も見られるようになっている(使用法としてはオランダ発祥の背嚢なので間違ってはいないが)。デザインだけでなく6年使っても壊れない耐久性や機能性も評価されているという。
また中国人が日本旅行の土産として買っていくことも多いが、こちらは主に自分の子どもに贈る目的である。赤いランドセルに人気があるが、これは中華圏において「めでたい縁起のいい色」「魔除けの色」であるという文化があるためと思われ、日本でもさるぼぼの例があるように「赤」を陽と魔除けの象徴として扱う文化が根付いている。
なかには日本のアニメを観てランドセルの存在を知り、欲しくなるという人もいるようだ。
近年は使用済みのランドセルを恵まれない国に送る事業も展開されている。