概説
カラーランドセルとは、ランドセルの形態の一つである。黒、赤といった一般的な二色の色のランドセルのみではなく、様々な色のランドセルのこと。現在ではビビッドからパステル、ダークにペールに至るまで無限の色彩を醸している。
ランドセル多色化の裏
そもそもランドセルが赤と黒の二色を推していたのは、革の加工技術との関連がある。
赤や黒なら天然皮革で想定した着色となるが、さすがにパステルカラーなど淡い色を天然皮革に沈着させるのは天然皮革には困難なものだった。そこで人工皮革(合成革)による着色を試みるが、今度は合成革の強度に問題が生じ、通常の革製品では経験し難い「6年という長期」に耐えることが難しいことが判明する。それゆえ深緑・藍・深紅などの濃い色、皮革そのものの茶系のランドセルを天然皮革を用いて作ることはできても、薄く明るい色のランドセルを作るのは難しいことだった。
そうした四苦八苦を経て、2000年代後半に耐久性を兼ね備えた高品質の人工皮革が普及し始める。ここにきて、ようやくランドセルにカラーバリエーションを持たせることが可能となり、2011年には8割以上を占めていた赤と黒が5割を下回り、女の子に至っては赤を2割に抑えてピンクが5割を占めるまでに台頭している。
もっともやんちゃざかりの子供が毎日使うものとしては、明るい色だと汚れが目立つため保護者にとっては少々悩みの種だったり(市販の透明なカバーで対応可)また選択肢が広がった裏返しで「どの色がいいか」を巡り家族間でトラブルになるケースも。決して安くない買い物なので、もし買うときは事前にしっかり話し合おう。
実写はともかくアニメなどはいちいち設定するのが面倒なのか、2019年現在もあまり見られない。