概要
Mac OS X(マック オーエス テン)は、AppleのMacintoshコンピュータ用の現行オペレーティングシステム (OS) である。バージョン9まで続いたそれまでのMac OSの後継として、BSD UNIXベースで新たに作られた。名称はローマ数字のX(テン)が付けられ、2001年に最初の製品版が発売された。「v10.5 Leopard」でUNIXとしての認証を受けた。
バージョン別OS名称
OSの各バージョンには猫科猛獣のコードネームが当てられており、Mac OS X v10.2 Jaguarから(日本ではv10.3 Pantherから)は商品名にもなっている。今年発売される新しいバージョンではMac OS X Lionとなる予定。
バージョン | 名称 |
---|---|
Public Beta | Siam |
Mac OS X v10.0 | Cheetah |
Mac OS X v10.1 | Puma |
Mac OS X v10.2 | Jaguar |
Mac OS X v10.3 | Panther |
Mac OS X v10.4 | Tiger |
Mac OS X v10.5 | Leopard |
Mac OS X v10.6 | Snow Leopard |
Mac OS X v10.7 | Lion |
Mac OS X v10.8 | Mountain Lion |
Mac OS Xの特徴
Mac OS Xは、ネクスト・ソフトウェアのOPENSTEPの技術をベースに開発された、Macintosh専用OSである。オープンソースOS「Darwin」をベースとし、POSIXに準拠したUNIX互換仕様になっている。
旧来のMacOSに比べて非常に安定しており、オープンな標準規格の採用を基本としている。Aquaと呼ばれる独自のユーザインタフェースのウィンドウシステムを採用し、MacOSの特徴である直感的かつ柔軟な操作を実現している。開かれているオープンソースの強みと、Macintoshが初めから持っていた「閉じていること」(ハードウェアとの密接な統合)の強みを併せ持ち、一貫したデザインと操作方法が統一された「GUI」と、UNIXの利便性と堅固さが共存しているところに他のUnix系OSとは異なる特徴がある。
UNIXベースとなり、比較的容易な移植でBSDやLinuxなど他のUNIX系OSで開発されたソフトウェア資産を、MacのAquaインタフェース上で使うことができるようになった。Aquaとの統一感のある外観を持つX.orgベースのX Window System「X11」(XQaurtz[1])をOSインストール時に選択して導入できる(10.5からはX11が標準でインストールされる)。X11がAqua上で動作することにより、X11上の操作が必ずAquaを経由することとなり、互換性のないアプリケーション間のコピーアンドペーストのような純粋なX11ではサポートされていない動作が可能となっている。
Mac OS X v10.4 まではClassic環境と呼ばれるMacOS互換機能を持っている。MacOS 9.2.2対応ソフトウェアをそのまま使うための互換性を確保しており、Aquaインタフェースの中に旧バージョンのプラチナアピアランスで動作した。旧来のアプリケーションの多くをMac OS X上で動作させることができ互換性は高いが、完全な互換性があるわけではなく、オーディオ関係のアプリケーションなど特にリアルタイム性が求められるものについては、メーカがサポートしていない場合がある。Classic環境を動作させるにはハードディスク上のいずれかのパーティションにMacOS 9.2.2がインストールされている必要がある。なお、Mac OS X v10.5およびIntel版のMac OS X v10.4からこの機能はなくなった。
Mac OS X v10.5には、小学館の国語および英和・和英辞典が標準で付属している[2]。OS Xそのものの機能ではないが、標準でインストールされるオープンソースソフト「Samba」の機能で、Windowsネットワーク環境でのファイル共有やドメイン参加など、Windows機との共存が可能となっている(以前はサードパーティー製ソフトが必要であった)。
2005年のWWDCでPowerPCに代わりIntel製CPUの採用が発表されたが、Mac OS Xは開発当初よりCPUに依存しない抽象化を示すためにx86版との並行開発をしており、すべてのバージョンのMac OS XでIntel版が存在していたという。これは、Mac OS Xの前身であるRhapsodyが当初よりPowerPC版とIntel製CPU版が計画されており、BlueBox(Classic環境の前身)は、PowerPC版でしか採用しないと発表しており、8年かけて計画を完遂させたと言えなくもない。
主要な付属アプリケーション
- Automator
- Dashboard
- DVDプレーヤー
- Finder
- Font Book
- iCal
- iChat (iChatAV)
- iSync
- iTunes
- QuickTime Player
- Safari(Webブラウザ)
- テキストエディット
- Xcode・Interface Builder・その他の開発ツール
- アドレスブック
- ターミナル(CUIシェル)
- プレビュー
主要なユーティリティ
- Boot Camp アシスタント
- ColorSync
- DigitalColor Meter
- FileVault(ホームディレクトリを暗号化)
- Grapher(グラフ計算機)
- Inkwell(手書き認識)
- ディレクトリ
- ディレクトリユーティリティ
(Mac OS X v10.4ではディレクトリアクセス)
- VoiceOver(音声認識)
- X11 (X Window System)
- アクティビティモニタ
- キーチェーンアクセス
- コンソール
- ネットワークユーテリティ
- システムプロファイラ
- ディスクユーティリティ(HD・CD・DVD等のフォーマット)
- ファックス
- 移行アシスタント
- Dock
- ことえり
- Podcast キャプチャ
- RAID ユーティリティ
- Time Machine
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