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センシティブな作品

MacOSX

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まっくおーえすてん

macOSが初期のバージョンで使っていた呼称。pixivの擬人化イラストなどはこの頃のバージョンをモチーフにしたものが多い。

概要

Mac OS X(マックオーエステン)は、Apple Inc.2001年からリリースしたMacintoshパソコン用のOSの旧呼称である。2012年〜2016年頃のバージョンはOSX、近年のバージョンについてはmacOSへ。

OSの開発経緯や、PowerPCIntel Mac時代のOSの機能などは本記事で記述する。

v10.6まではサーバー版がMac OS X Serverとして販売されていた。

特徴

1996年にアップルが買収したNeXT社の技術をベースに、バージョン9まで続いたそれまでのClassicMacOSの後継として開発された。OSの刷新に合わせて完全なプリエンプティブ・マルチタスクやメモリ保護を実装し、安定性は従来のClassic Mac OSとは比べものにならないほど向上した。ちなみにシステムエラー時に出てくる爆弾アイコンは廃止されている。

UNIXベースとなり、比較的容易な移植BSDLinuxなど他のUNIX系OSで開発されたソフトウェア資産を使うことができる(Mac Portsというリポジトリサービスを使うのが一般的)。

またWineという互換環境をインストールすれば制限はあるがWindows向けソフトウェアも一応使うことができる。IntelMacなら、Boot Campという機能を使ってWindowsそのものをインストールしてデュアルブートもできる。また、.net Frameworkランタイムmonoを導入すれば同FW準拠で書かれた大半のWindowsソフトは動作する。

多言語対応に力を入れており、最初のバージョンから標準インストールで複数の言語がサポートされている。そのため、Classic Mac OSとは異なり言語別パッケージという概念がなく、同じバージョンならばどの国で買っても同じパッケージとなった。

v10.4までのPowerPC版はClassic環境と呼ばれるClassic Mac OS互換機能を持っていた。

開発

Mac OS Xの開発はNEXTSTEPに従来のMac OS(両者は全く異質なシステムである)を統合する形で進められた。1997~1998年ごろに開発されていたもの(コードネームRhapsody)は「Macっぽい見た目のNEXTSTEP」という具合だったが、開発者の支持を得られなかったため、実際に製品化されたMac OS Xは、両OSに由来するテクノロジーが深い部分まで密接に統合された全くの新システムとなった。

Rhapsodyは1999年にMac OS X Server 1.0として出荷されたが、2001年にクライアント版Mac OS Xをベースに改めて発売されたv10.0以降のMac OS X ServerとはGUIのみならずカーネルそのものやAPIの違いにより基本的に互換性のない別のシステムである。

主なコンポーネント

現行のmacOSでは既に廃止されている機能は†(ダガー)を付けている。

NEXTSTEPから受け継いだ機能

  • カーネル - XNUと称し、Mach 3.0マイクロカーネルをハイブリッドカーネル化して実装。ドライバモデルはNEXTSTEPで採用されたObjective-CベースのDriverKitを機能限定版のC++で実装したI/OKitに置き換えている。
  • BSDサブシステム - OSXのUNIX互換機能を担う。FreeBSDと密接な関係がある。
  • Cocoaと開発環境 - Objective-Cベースのオブジェクト指向API。OSXのメインのAPIだが、従来のMacのToolbox APIとは全く異なる。iOSのAPIもこれである。JavaPythonなどとの言語ブリッジも用意されており、後に開発言語にSwiftが加わった。
  • Dock - 基本的に「Macらしさ」の色濃いOSXのGUIの中で、NeXT色を強く感じさせる部分。NEXTSTEPとMacOS Xに特有のGUI要素だったが、Windows7以降のWindowsのタスクバーはこれに似た機能をそなえている。
  • レインボーカーソル - Macユーザーにはおなじみの、処理待ち中にカーソルが虹色の丸になってクルクル回るあれ。Classic Mac OS時代は「腕時計」だった。
  • プロパティリスト - オブジェクト直列化のためのプロトコル。ただし、フォーマットはNeXTと異なる。
  • †NetInfo - ディレクトリサービス。v10.4で後継のOpen Directoryに置き換えられた。

Classic Mac OSから受け継いだ機能

  • †Carbon - Classic Mac OSのToolbox API をOSX向けに再設計したもの。C/C++ベース。Cocoaの浸透により徐々にフェードアウトし、macOS Catalina(10.15)の完全64ビット化に伴い廃された。
  • Finder - デスクトップシェル。macOSの「顔」の部分。Classic Mac OS由来なので初期はCarbonベースだったが、v10.6でCocoaベースに作りなおされた。
  • 画面上部固定のメニューバー - 初代Macから現在のmacOSまで、Macのアイデンティティとして脈々と受け継がれている。
  • デスクトップ - NeXTにはデスクトップという概念が無く、Dockはこれを補うための要素であったと考えられる。
  • HFS+-Apple独自のファイルシステム(Mac OS拡張フォーマットともいう)。NEXTSTEP(というかUNIX)由来のファイルシステムであるUFSも初期バージョンからサポートしているがあまり使われず、v10.5でUFS でフォーマットされたボリュームにインストールできなくなった。OSX High Sierra(10.13)で後継のAPFSが実装された。
  • QuickTIme - Carbonベースのマルチメディア環境。v10.6のQuickTimeXを経て後継のAVFoundationに置き換えられた。
  • AppleScript - OS標準のマクロ言語。後にCocoaフレームワークとのブリッジも用意された。
  • †ATSUI - テキストのレイアウトエンジン。後に後継のCore Textに置き換えられた。
  • ことえり - インプットメソッド。OSX Yosemite(10.10)でiOSのインプットメソッド(固有の名前は与えられていない)に置き換えられた。

このほか、QuickDrawやリソースフォークなどもサポートされたが、基本的に従来のMacの機能を移植するために用意されたレガシーな機能であり、徐々に廃された。

完全に新規に開発された機能

  • Quartz -PDFベースの描画エンジン。機能的にはほぼNeXTのDisplay PostScriptの上位互換だが、Classic Mac OS由来のQuickDrawを効率的にサポートするために新規に開発された。

バージョンの変遷

v10.8までのOS Xにはネコ科猛獣のコードネームが当てられていたが、v10.9以降はカリフォルニア州の地名がコードネームとしてつけられている。v10.2 Jaguarから(日本ではv10.3 Pantherから)は商品名にもなっている。

バージョンコードネームバージョンの概要
Public BetaSiamベータ版だが開発者以外も有償で購入できた
v10.0Cheetah開発環境のCD-ROMが付属
v10.1Pumav10.0ユーザーには無料提供
v10.2Jaguarこのバージョン以降のコードネームは商品名でもある
v10.3PantherSafariが標準ブラウザに
v10.4Tigerこのバージョンの途中からIntelに対応した
v10.5LeopardPowerPC対応の最後のバージョン
v10.6Snow Leopard64ビットに本格対応。カーネルは32ビットのままである
v10.7LionMission Controlによる複数デスクトップ、ダウンロード販売に移行

主要な付属アプリケーション

  • iPhoto(後継は「写真」)
  • FaceTime
  • iTunes(後継は「ミュージック」など)
  • Mail
  • iBooks(現macOSでは「ブック」)
  • Safari(v10.3以降、v10.2にも対応)
  • テキストエディット
  • アドレスブック(現macOSでは「連絡先」)
  • プレビュー
  • ターミナル

主要なユーティリティ

  • Automator(操作の自動化)
  • スクリプトエディタ
  • ColorSync
  • DigitalColor Meter
  • FileVault(ホームディレクトリを暗号化)
  • Grapher(グラフ計算機)
  • VoiceOverユーティリティ(音声認識)
  • アクティビティモニタ
  • キーチェーンアクセス
  • 移行アシスタント
  • Time Machine

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