1.カメの一種。
噛まれたらかなり痛く、甲羅が柔らかく鍋などの食用種として有名。
2.ラバーカップの俗称
以下、1.について記述する。
スッポン(生物)の概要
広義ではスッポン科の生物の総称であり、狭義では日本在来種であるニホンスッポンを指す。
流れの緩やかな川や田んぼ、沼などに生息し、よく底の泥の中に身を潜める。
通常のカメと違い甲羅は比較的に薄くやわらかく軟骨質で、手足と比べて首が長い。ただし、首以外を甲羅の中に引っ込めることはできない模様。
また顎の力が非常に強力で、不用意に指を近づけると最悪喰いちぎられる恐れもある。
昔から食材として重宝され、現在でも高級食材として扱われる。老舗の商店街の魚屋でも生きたまま並べられている事もあり、60年ほど前の子供たちは川で偶然捕まえたスッポンを売って小遣いを稼いでいたという。
骨以外のほぼすべての部位を食すことが可能。栄養価が高く特に精力増強や美肌によく効くと言われ、スッポンのエキスをサプリメントとして生産・販売する企業も多い。大抵は鍋料理にして賞味されるが、中には生きたスッポンを木綿でぐるぐる巻きにして火中に投じ、丸焼きにする「地獄焼き」なる豪快な料理法も存在する。
非常に臆病な性質で、まず自分から人間やエサ以外の物体を襲う事はないが、防御反応として噛みつく危険性がある。俗に「雷が鳴っても離さない」とも言われるように一度噛み付くと力ずくで外すのはほぼ無理とされるが、体を水中に浸してやると嘘のようにあっけなく離し、逃げていく。
またカメの仲間で唯一「唇」がある事でも知られる。スッポンを含むカメ類は歯を持たないが鋭い嘴を持っており、スッポンの唇はその嘴を保護する為に発達したと推測される。
食材として養殖化されて飼育知識が早く浸透した事と、意外と愛嬌のある顔つきからペットとして飼われることも多い。小さな仔亀の頃から飼ったり長く飼うことによって、人に慣れてあまり噛みつかなくなったり多少のスキンシップもできるようにもなるという。ただしほぼ完全水棲のため大きさと水量のある水槽での飼育と、爬虫類として定期的な日光浴は欠かせないので注意と覚悟が必要。
上述の通り噛みつく能力もさることながら、実はイソップ寓話『ウサギとカメ』の常識が通用しないほどの俊足の持ち主としても知られる(「関連動画」参照)。これは甲羅が軟骨質で大きさの割に体が軽い上に臆病ですぐに逃げたがるからであり、ただの亀だと思ってナメてかかると痛い目に遭う……かもよ?
そもそもリクガメや上陸したウミガメでもなければ、カメの通常歩行速度はそんなに遅いものでもなかったりするし、その行動範囲は脱走しかねないほど広い。