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出して……、

おねがい…、ボクを出して…。

ボクをここから……、…出して……‼

この…オリの中から、出して……ッ!!!

ボクは…もうずうっと…、…このオリの中…。

つらいよ…さみしいよ…。外に出たいよ…。

外に出て…自由に走りたい!大地の上をおもいっきり走りたい!!

…だから…出してよ…!このオリから出してよッッ…!!

「ダメぇ~~♡」

「テメーは死ぬまでこのオリの中よ…!!」

「そして…めでたく死んだら…、」

「すててやるわ…!!」

「ひゃあ~っひゃっひゃっひゃあ~!!」

概要

絶体絶命でんぢゃらすじーさん』の長編5弾・「いのちときもちとぱぱぱぱぱーっ!?」に登場した悪役。

普段下ネタや理不尽ギャグがてんこ盛りのマンガとは思えないくらいシリアスな(ただしギャグシーン自体はある)『じーさん』の長編だが、その中でも外道の中の外道という他ない下劣ぶりを見せつけたのが彼女である。

 

やっていること自体は「闇の大魔王に宇宙を征服してもらう」「友達を利用して世界一強い男になる「人生をやり直せる」と言う噂を流し、訪れた人間を捕食する」「この世の全ての金持ちを皆殺しにする」と、今まで大長編悪役と比べれば、それほど大したことでは無いようにも見えるが、今作の悪役は非常にリアリティーのある悪人であり、その悪辣ぶりは「じーさん史上最凶の敵」と書かれ、作者でさえ「今回の大長編は悪がいつもより少しリアル」「これを読んで傷つく人が出ないか心配だが、どうしても描きたかった」と述べているほど。しかし救いようのない悪党ぶりは、「命」をテーマとして描かれた本作にすさまじい重みを加えた。

人物像

最近できたペットショップ「ステイル」の店長で、猫耳を模したカチューシャと黒色のおかっぱに小さい眼鏡とたらこ唇が特徴の大柄な女性。

客であるじーさんたちに笑顔で明るくふるまう人当たりの良い人だが、登場した勢いでちゃむらいを壁にめり込ませているのに全く気づかないなどちょっと天然。

……というのは表の顔で、その本性は自分にとっての役立たずは何でも捨てる、冷酷非道かつ残忍極まりないゲスの極み。

それは自らが経営するペットショップの動物たちであろうと例外ではなく、お気に入りの「デビルキャット」がいれば他はいらないと考えている。というか「元々ペットショップなんて真面目にやる気ない」と平気で言ってのけ、「飽きちゃうから」という理由だけで、3日間売れなかったペットを地下室に閉じ込めて殺処分(衰弱死)してから捨てており、その非道ぶりに「せめて生きている間に自由にしてやれよ!」と詰めるゲベに対して「そんなことしたら町に犬やネコが溢れてうちの売り上げが減っちゃうでしょ?」と答え、さらにその行いに激怒したじーさんが「ペットショップとしても人間としても失格じゃ!他のペットショップにも迷惑だし、第一犬や猫がかわいそうじゃ!」と叱りつけるも

「別にいーじゃん。…今の世の中…、すて犬やすてネコなんていーっぱいいるの。 みんな、みんな…、いーっぱいすててるのよ。…だからぁー♡

だからいーじゃん!みんなやってんだから、アタシだってすてていーじゃん!!

と悪びれもせずじーさんらを絶句させる。

おまけに趣味として凶悪な化け物をコレクションし地下で放し飼いにしているが、役に立たないと見なすとあっさり捨てると断言するほど薄情。じーさんに「オマエのおやじとかでも…、すてるってか!?」と言われても鼻をほじりながら「はあー?おやじぃー?カンケーねーっつのー。 たとえ父親だろーとなんだろーと、役にたたなきゃゴミでーす♡ とーちゃんとかマジいらねーわよーぅ。だひゃひゃひゃひゃひゃー。」と馬鹿笑いして返答する始末

さらに柴犬の柴田を背負って弱ったゲベに捨てちゃいなさいよ!そんな「おにもつ」。と嘲笑いながら誘惑し、それでなお「仲間」を捨てずに力尽きたゲベを嘲り笑い、その力尽きたゲベをオマエがすてられないものは、いっしょにせおってやる!!それが仲間だから!と、じーさんが助けたのを見て舌打ちするというゲスっぷりを見せた。

活躍

ペットショップ「ステイル」にやってきたじーさん達を明るく出迎えるが、トイレを探して偶然エレベーターに乗り込み地下室に来てしまったゲベに気づき、その晩、柴犬の柴田を連れて逃げ出そうとした彼らをエレベーターの出口で待ち構えて飛び出してきた柴田を猟銃で射殺。怒り狂って襲いかかったゲベも「あとで痛めつけるために」わざと急所を外して狙撃し、地下室に幽閉するが壁にめり込んだまま全てを見ていたちゃむらいによってじーさんに知られてしまう。

その後、死んだ犬猫に変装したじーさん達を地下に持ち込むが、それすらも見破ってエレベーターを停止させ証拠隠滅のため化け物たちを使って彼らを始末しようとするが、じーさんのギャグ漫画全開な行動によって全て撃退させられてしまう

それでもなお階段に登って出口まで到着したじーさんらに彼女は最後の切り札として世界一恐ろしい地上最強のネコ・デビルキャットを呼び出して彼らを殺すよう命令するが、じーさんの呼びかけと最後まで自分を運んでくれて感謝した柴田の幻により覚醒したゲベにより、デビルキャットがゲベのぱぱだと判明し、じーさんら共々衝撃を受ける。(タイトルの「ぱぱぱぱぱーっ!?」という謎のフレーズはここのこと。)

そして&息子を襲わせた罪は重いぜぇ……父親の恨み、思い知れ…!!とブチキレたデビルキャットによって皮肉にも上記の父親をゴミ同然に嘲笑った自分自身の発言を思い出させられながら恐怖に震え、その「父親」にペットショップもろとも踏み潰されてあっけなく成敗された。

 ぱぱの勝ち♡

ラストにてゲベの夢の中で実は柴田が生きていたことが暗示されたのだ。

余談

名前の由来はその言動から「捨てる」と推測できる。

今回の大長編のテーマはであり、作者である曽山一寿はこの回について 「今回の大長編は、悪の存在がいつもより少しリアルです」「この話で誰かが傷ついたりしないだろうか」「そんな危ない橋を渡ってまでこの話を描きたかった」 とコメントしている。

命でもなんでもすぐ捨ててしまうステイルと、仲間」である柴田の想い(気持ち)を捨てなかったゲベとの対極であるとも言えるだろう。

ちなみにその反動かこれまでの大長編でほとんど死んでいる校長もとい元・校長は今回は作者に「どーせまた死ぬんだからお前の出番ないよ♨️」と言われ登場できなかった。(正確には駄々こねたことで1コマだけのモブキャラとして登場している。暇な人は探してみよう)