夢見関
ゆめみぜき
「もう…夢のせいでバカにされるのはイヤなんだよ…。」
「…バカにされない…ラクな人生を生きたいんだ…。」
登山に訪れたものの、早速遭難してしまったじーさんたちの前に現れたよぼよぼでガリガリのおすもうさん。
子供の頃から「世界一強いおすもうさんになる」ことが夢であり、その夢だけを追いかけたまま大人になり、ジジイになってしまい夢は結局叶わず、夢を追い続けた結果、地位もお金も親友もない、貧乏で知り合いから(子どもの頃はご飯をたくさん食べててデブだったため)「男のくせにおっぱいが大きい」、「大人のクセにいつまで夢見てんだ」と馬鹿にされる悲惨な人生を歩んできた。
そんな自身の人生を嘆いていたが、ある時「夢の道」、「現実の道」のどちらかを進めば人生をやり直せるという「時空の分かれ道(タイムフォークロード)」の噂を聞き、人生をやり直し夢を完全に諦めるべくそれがある山に行くも、その道に通じる扉には鍵がかかっており、鍵穴にピッタリなトンガリ頭を持った校長を見つけ、「キミがほしい ♥️」と愛の告白(?)をしてついでに誘拐した。(その事実を知った校長は当然逃げようとしたが、いつの間にかいたゲベに二度も阻止され、結局鍵の役目を果たされて出番を終えた……)
最初の時はじーさんに2秒で負けるほど弱かったが、じーさんらとともに早速扉の中へ入ると、謎の声に「夢を持つ資格と夢を諦める資格がある」として「若返りの魔法」によって全盛期の姿へと若返り、転がってきた岩を素手で受け止めるほどまでに強くなる(だが、それを見たじーさんに「本当は夢を諦めたくない」という本心を見抜かれてしまう)。
当初は自身の夢に未練があるものの過去の経験から「しょせん夢なんて大人には不必要なもの」、「夢は子供のもの」だと諦めており、「現実の道」を通って誰にも馬鹿にされることのない普通で楽な人生を生きようと考えていたが、同行していたゲベに「夢がないことは決して楽ではない。夢のない人間は夢の「代わり」となる小さな「目標(卒業、試験、就職など)」を目指して歩く必要があり、それを目指して歩くことはとても大変でとんでもなく立派なことだ」と教えられるが、それでも夢のせいで惨めな人生を送ることを嫌い「普通」に生きたいと願い「現実の道」を進もうとしたが、本性を現した大妖怪・夢現道に捕まりそうになったところをゲベやじーさんに助けられる。
自身をかばって捕まってしまったゲベを助けるべく夢現道に挑むも力及ばず弱音を吐いてしまうが、じーさんに 「子供にしか夢を「つくる」ことができないが、大人は夢を「育てる」ことができる。夢を育てるのに早いも遅いもない。」 と、かつて弁護士になる夢をもっていたが猫だからという理由で諦めるしかなかった過去を話したゲベに「自分は夢と現実、どっちが正しいか否かに答えはないと思っているが、人間であり夢を持ってるお前が夢を諦めてしまうのは世界で一番もったいないことだと思う」と教えられ再び自身の夢を信じ目指すことを決意し、夢に力を貰いパワーアップして夢現道を圧倒し、最後は張り手で吹き飛ばしてゲベを救出する。
そして、じーさんやゲベに言われた言葉を通じ、「人生で大切な事、それはどんな道でも胸を張って歩く事」に気が付くのであった。