G2(ジェットマン)
じーつー
概要
トランザの手により開発されたロボットの一体。黄色く丸みを帯びたフォルムと、左右で形状の異なるカメラアイが特徴で、作られたばかりというのもあってか子どものように人懐っこい挙動が目立つ。
G2は、「グレートイカロスを超える最強のロボットを作り出す」という野望の元、その試作テスト機として開発されたものである。一方でその動作機能(自我を持った人工知能内蔵のG2に対し、ベロニカは有人制御式)や等身、フォルム、そして性能と、どれをとっても実際に「最強のロボット」として開発されたベロニカと、G2との間で共通する要素が見当たらなかったりもする。
このため、「トランザがどういった部分に主眼をおいてG2を開発したのか」また「G2以外にも試作ロボットが存在したのではないか」など、様々に謎の尽きない部分はあるが、今となっては真相は藪の中であろう。
作中での動向
完成こそしたものの、テストのために一発ビームを放っただけで自壊するなど、G2の性能は誰の目から見ても高いものではなく、ラディゲたちからの嘲笑もあって機嫌を損ねたトランザは、失敗作と看做したG2をグリナム兵の訓練相手として下げ渡してしまう。
グリナム兵によって散々に痛めつけられたG2は、これに堪えかねバイロックから逃走し、とある採石場へと迷い込んだが、そこではグレイとマリアが凱と香を追撃していた最中であり、ボロボロになったG2と出くわしたグレイは、自らの持っていた電池を分け与えてこれを回復させた。
あくまでも、同じロボットとして最低限の情けをかけたに過ぎないグレイのこの行動であったが、これがきっかけでG2はグレイを慕うようになり、彼から邪険に扱われながらもその後を追い、戦いの中で傷ついたマリアが奏でた草笛にグレイが聞き入るのを見て取るや、自らもまた彼の気を引こうと草笛を吹いて見せてもいる。
が、当のグレイからは「お前に用はない」と冷たく突き放されるのみであり、それでもなお諦めきれないG2は、一時的に竜の元に託されたマリアを見つけると、グレイの元へと連れて行こうとするが、途中で落石に巻き込まれて崖から転落してしまう。
その後、やっとの思いで崖をよじ登ってきたG2の目に飛び込んできたのは、ジェットマンとの再度の戦闘の末にファイヤーバズーカでトドメを刺されようとしているグレイの姿であった。G2はビームを放ってその照準を逸らしたものの、その反動で再び崖下へと落ちて身動きが取れなくなってしまう。
度重なるダメージに自身の限界が近付きつつある中、グレイを想いながら吹いた草笛の音は、傷つき撤退しようとしていた彼の耳にも届いたが・・・
「・・・風か」
結局、最後までグレイに振り向いてもらえぬまま、G2はその活動を停止し爆発四散。人知れず最期の時を迎えたのであった。
備考
G2の登場した第42話は、彼の視点から始まり彼の最期で幕を閉じながらも(※)、G2自身は主人公であるジェットマンとは一切接触せず、また彼自身が主体となって作戦行動に当たった(物語の中心にあった)訳でもなく、あくまでも物語の本筋である竜・グレイ・マリアの三者間での想いの錯綜の傍らで、グレイを慕って行動するのみであったという、少々異色のポジションとなっている。
このような立ち位置ゆえに、天堂竜と鹿鳴館香の回想録の形を取った総集編ビデオ「東映テレビヒーロー図鑑」でも、過去に戦った敵たちを振り返る際にG2のみが紹介されていなかったりもする。
デザインは野口竜が担当。関節や指の処理などから、画材屋で売っているようなデッサン人形をヒントにして描いたのだろうと、後に振り返っている。作中では生まれたばかりの子供のような一挙手一投足が目立ったG2であるが、実際の造形物も背丈がグレイの胸ほどまでしかなく、その印象をより強調する形となっている。
(※ 当初のシナリオでは、実際の映像作品のように爆散して終わるのではなく、物語の導入時と同様にG2の主観映像で終わるよう指定されていたことが、後年リリースされたDVDのブックレットにて言及されている)