演:キアヌ・リーブス
吹替:森川智之
概要
映画『ジョン・ウィック』シリーズの主人公であり、作中で最強の実力を持つ殺し屋。
作中でも語られた「鉛筆一本で三人殺す」に始まりあらゆる銃器や刃物の扱いに長け、銃器に関してはヘッドショットマシーンとも言うくらい頭部を撃ち抜く。さらに作中ではより確実に相手を仕留めるためか、腹部や頭部に二発以上撃ちこむダブルショットを多用する。
場合によっては本やベルトでも戦うが、あくまでも5年のブランクがある状態で格闘では全盛期と比べると実力は劣っている。
そのため、一作目でも敵に押され気味な個所が部分部分にあり、友人のマーカスがいなければ助からなかった状況に追い込まれたり、三作目では疲労と連戦の負傷が癒えていないこともあってか(ジョン・ウィックはシリーズの1作目~3作目までの間は一週間しか経っていない。)ゼロやその弟子であるシノビたちにはかなり遅れを取っており「動きが遅い」と言われている。
しかし最も殺し屋や彼を知るものに恐れられるのは、仕事を必ずやり遂げる(自分の敵を必ず殺す)「断固とした、強靭な意志」である。
本名はジョナサン・ウィックで〝ジョン〟は愛称である。
ただし、彼は元々ベラルーシ出身の東スラブ系であり、実際の本名はジャルダーニ・ジョボノビッチでジョナサン・ウィックはアメリカでの帰化名である。
非常に寡黙且つストイックな人物であり、必要以上に話すことはない。しかし殺し屋相手の殺し屋をしていた割に世界中の殺し屋や裏社会の権力者、調達屋には親しい様子で対応されており、1作目~3作目で大勢の敵に襲われ続けても彼が生き延びてこられた理由の一つは、自分の依頼人や主席連合に逆らってでも彼を助けてくれるウィンストンなどの友人達がいたからである。
背中に刻まれた「Fortis Fortuna Adiuvat」のタトゥーはラテン語で「幸運は勇者を好む」という意味である。
言語に関しては英語とロシア語が話せるほか、イタリア語や日本語、インドネシア語も聞き取ることができ、手話もできる模様。
格闘技に関しては柔道や合気道といった日本武道に加え、サンボやカリ、ブラジリアン柔術からシラットまで体得している模様。
銃を胸の前あるいは顔の前までひきつける独特の構えが特徴。
これは現実にも用いられている構え方で、「C.A.R.システム」と呼ばれる。狭い場所での近接戦闘で、素早く効率的に拳銃を活用するために用いられる。
日本の広告では銃と格闘を組み合わせた戦い方を「ガンフー」という造語で表現している。
元々はロシアンマフィアであるタラソフの組織に所属する殺し屋でその一騎当千ぶりから「バーバ・ヤーガ」、「ブギーマン」として恐れられた。
物語の5年前に妻のヘレンと出会いヴィゴが引退条件として出した「不可能の殺し」を達成して殺し屋家業を引退、一般人として暮らし始めて5年が経っている。
しかし、妻のヘレンは結婚して数年で病によって亡くなってしまい、忘れ形見として受け取った犬のデイジーと過ごしながら1969年式フォードマスタングのBOSS49を飛ばす日々を過ごしていたが、ある時ガソリンスタンドでロシア人のギャングに車を売れと迫られるも拒否すると、深夜に部下を引き連れたギャングによってリンチを受けたうえに犬のデイジーを殺され、車も奪われてしまった。
そしてそのロシア人ギャングがかつて仕えていたヴィゴの息子であるヨセフと判明、全てを失った彼は家の地下に封印していた〝仕事道具〟を掘り出し復讐に赴くことになる。
使用銃器
彼は銃器に対してはあまり愛着は持たないようで、どれだけ高価な銃器でもデッドウェイトになると判断すれば敵に投げつけて破棄する。作中では弾切れ後は倒した敵の銃器・弾丸を奪い戦闘を続けるといったシーンも見られる。
2のウェポンソムリエによれば「ドイツ製が好み」とのこと。
一作目
- H&K P30L
コンペンセイターが装着されており、一作目で主なメインアームとして使用される。
二作目では冒頭の戦闘、三作目では敵から奪って使用しており、三作揃って出続けている。
彼のケースには二挺入っていたが、片方は使われることはなかった。
『Payday2』ではContractorピストルとしてジョン・ウィックコラボの兼ね合いで登場し、劇中通りのコンペンセイターを装着可能。
- Glock26
サイドアーム。ヨセフをレッドサークルで追い詰めた時に最初に使用していた他、不意打ちにも使用している。
- Coherie Arms CA-415
教会に強襲した際に使用。EOTech553とTangodown TDショートバーティカルグリップが装着されており、フルオートで使用している。
二作目ではアブラムへ〝和解〟をしに行った後は家の地下に他の武器と共に埋められた。
- Kel-Tech KSG
ヴィゴの手下から奪ったものを使用。
二作目ではしれっと持ち帰っていたらしく他の銃器と一緒に埋められた。
- DTA SRS
ヨセフを護衛するスナイパーが持っていたものを奪って使用する。
こちらも『Payday2』にコラボの一環で実装された。
二作目
- TTI Glock34 Combat Master
ウェポンソムリエからおススメされた一丁で前半のメインピストルとして使用する。
- TTI Glock26 Combat Carry
34と同じくソムリエの選んだ一品。カシアンとの揉みあいで使用した。
- TTI TR-1 Ultralight
「ゴツくて正確な奴」という注文から選ばれた一品。
BCMのカスタムパーツでフルカスタマイズされており、BCMBFG、PRI コンペンセーター、1-6x24Trijicon Accupointスコープが装着、RMRサイトをオフセットでマウント、TTIベースパッドによって装弾数は35発に拡大しており、マガジンクランプでジャングルスタイルにしてある。
ここまでカスタムされてあるとかなりの値段になるが容赦なく投げ捨てている。
劇中では11.5インチと言及されているが実際には14.5インチである。
ちなみにしれっとルビー・ローズと一緒に行動する警備兵の一人がホロサイトのみを装着した物を使っている。
『Payday2』では2とのコラボでContractor.308という名称で登場したが、何故か7.62×51mmのAR-10仕様になっていた。
- TTI BenelliM4 Super 90
「デカくて大胆」という注文から選ばれた一品。
ソムリエの祖国であるイタリア製ということから自信を持っておススメしていた。
ちなみに実際には他のベネリ製ショットガンを使用する予定だったが、空砲が上手く作動しなかったためM4に変更された。
また、三作目ではTTIカスタムではないべネリM4をシャロンが使用している。
- Kimber Warrior
バワリー・キングに助けを求めたジョンが受け取った一丁。
キングはジョンに殺されかけたことがあったため、当時のジョンの賞金と掛けて「一発100万ドル」として弾倉一本しか渡すことはなかった。
銃器に執着しないジョンとしては珍しく敵の弾倉を奪ってチャンバーチェックシーンがある。
次回作ではダントニオをコンチネンタル内で殺めた銃として下記のスーパーキャリーのグリップを装着したものが登場したが、正確には誤りである。
- Kimber Super Carry
敵から奪った一丁であり、ウィンストンに静止されたがコンチネンタル内で躊躇なくダントニオを射殺した。
三作目
- Remington 1875
殺し屋に追われる中たどり着いた古式銃ショップで.44-40弾薬を込めようとするが入らなかったため、コルトM1851の銃身、1860Armyのハンマーを移植、一発撃った後に破棄した。
このシーンは『続・夕陽のガンマン』のトゥーコがガンショップでリボルバーを組み替えるシーンのオマージュである。
- TTI STI2011 Combat Master
終盤のコンチネンタル内での銃撃戦で使用。
9mmメジャー弾という威力の高い弾薬を使用しているが、ボディアーマーを着込んだ相手には通じず、隙間の生身の部分を狙って撃っている。
- TTI SIG-Sauer MPX Carbine
2011と同じくコンチネンタル内で使用。
Trijicon MRO、Streamlight TLR-8、TTIベースパッドが装着された物を使用しているが、STI2011と同じく威力不足で役に立たず、それほど使用されずに敵に向けて投げ捨てられお役御免となった。
『Fortnite』ではジョン・ウィックコラボの兼ね合いでタクティカルアサルトライフルという名称で実装された。(実際にはPCCであってアサルトライフルではないが)
- TTI M2 Ultimate
上記の銃の威力不足から火力が必要だったためにウィンストンのシェルターから取り出した。
威力の高いスラグ弾を使用し、アーマーを着込んだ相手の頭を吹き飛ばしていた。
またジョンは本銃で「クアッドロード」を行っている。
『Fortnite』ではコンバットショットガンという名称で登場し、クアッドロードをするためリロードが早い。
ゲームへの出演
- 『Payday2』
プレイヤブルキャラの一人として登場する。
声優はキアヌ本人ではなくDave Fouquette氏が担当している。
ゲーム内キャラの元海兵隊であるChainsとは知り合い、PVでは彼の窮地を救った。
Chainsに「仕事をするのにマスクが必要」と言われてサングラスを持ち出したり、何故か他のメンバーが偽名を使っているにも関わらず彼だけは本名を使うといった不思議な面も。
- 『Fortnite』
スキンの一つとしてソフィアと共に登場する。
また、かつてザ・リーパーという彼を意識したスキンが登場していたが、PVではついに本人と対峙することとなる。
余談
- 元々ジョン・ウィックは「Scorn(軽蔑)」というタイトルだったが、主演のキアヌがジョン・ウィックという名前を大変気に入ったために監督が変更し、タイトルが主人公名となった。
- また、当初の脚本では敵は2~3人しか死なない予定だったが、脚本が出来上がるにつれて増えていき、最終的には平均で一作に約100人が死ぬこととなった。そのため「映画内で最も多く人を殺した俳優」ランキングは約270人を殺したチョウ・ユンファが第一位だったが、三作でそれらの数を越してキアヌ・リーブスが一位となった。
- 三作目の台詞の一つ「Guns. Lots of guns.(銃だ。大量の銃だ。)」はかつてキアヌが主演を務めた名作『マトリックス』の台詞のオマージュである。