ジャック・ド・モレー(Fate)
じゃっくどもれー
「ひ、羊……かわいいですよね」
プロフィール
概要
『Fate/GrandOrderArcade』の第六章『騎勲渇仰遠征ロスト・エルサレム』から登場し、特異点発生の一因となったサーヴァント。
小説『Fate/requiem』で名前だけは挙がっていたが、事実上本作が初の本格参戦となるアーケード版完全オリジナルのキャラクターである。
今までもAC限定サーヴァントはいたが、無派生かつ本編に直接関与するケースは今回が初。
容姿は銀の短髪を持つ眼鏡の美青年だが、それらを外套で隠し、どこか暗い雰囲気を放っている。
真名
ジャック・ド・モレー。
十字軍時代に存在したテンプル騎士団23代目団長であり、最後の騎士団総長。
ブルゴーニュ地方の小貴族の出身であるが、詳しい半生は杳として知れない。
一国に匹敵する財を抱え、西欧諸国の金庫番と化していたテンプル騎士団は、その威勢を妬み財を巻き上げようとした野心深きフランス王フィリップ4世から異端者の濡れ衣を着せられる。
モレーとフランス支部の団員たちは異端審問にかけられ、フィリップ4世の息のかかったローマ教皇クレメンティア5世によって七年にも及ぶ拷問の末に有罪判決となり、パリのセーヌ川にあるシテ島で火刑に処された。
モレーは火刑場においても堂々と騎士団の清廉潔白を叫び、火刑が権力者の欺瞞であると聴衆に訴えて釘付けにした。その態度に憤怒したフィリップ4世の指示で弱い火で火責めにされながらも、最期まで無実を示すため神に祈り続けて焼死した。聴衆もモレーの死に様を見て、これがフランス王の謀略だと確信したという。
人物
一人称は「私(わたし)」。
生真面目かつ人見知りする性格で、第一印象はコミュ障気味でひどく脆弱な雰囲気。
ところがいざ交渉の場になるとそれは一転し、しぶとく強靱な精神力を発揮する。
テンプル騎士団の誓いである『清貧、貞節、服従』『降伏よりは死を選ぶ』を頑なに守ろうとし、騎士団の金庫は神の所有物であるため、金銭の扱いに関しては非常にドライ。感情を挟まず、絶対に自分らが損をしない取り引きを心がける。
しかしメンタルの弱さから、すぐに胃をわずらって嘔吐してしまうので、そんな時はひたすら羊など可愛いモノのことを考えている。
そして本人の体調が悪化するにつれて弁論の切れ味は増し、一歩も引かずに相手をやり込める。
フランス王家によって処刑されたが、サーヴァントとなったモレーには、結局衰亡の道を辿った彼らへの憐れみはあれど憎しみは無い。
ただ、貸したお金を返して欲しいだけである。
能力
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | B | C | B | A | C | B |
保有スキル
対魔力(B) | 自身の弱体耐性をアップする。 |
---|---|
騎乗(C) | 自身のQuickカード性能を少しアップする。 |
騎士団の誓い(A) | 範囲内の味方全員に防御力アップ&一定時間ごとにHP回復状態を付与+自身に弱体無効状態を付与。 |
喜捨の勧め(A) | 範囲内のターゲット単体に一定時間ごとにNPが減る状態を付与+自身に一定時間ごとにNP獲得状態を付与。 |
巡礼の守護者(B) | 範囲内の味方単体にガッツ状態を付与&被ダメージカット状態を付与&強化解除耐性をアップ。 |
宝具
欺くも永き巡礼の旅路(ピレリナージ・ド・テンプル)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜100
- 最大捕捉:2人
「騎士として敗北し、修道士として破戒し、総長として廃絶した!何も為せぬまま、灰燼に帰した我が無念、今此処で晴らそう!『斯くも永き巡礼の旅路(ピレリナージ・ド・テンプル)』!!」
テンプル騎士団の栄光と衰亡の歴史。輝かしい幻影をまとう剣と騎馬の突撃。
エルサレムのソロモン神殿跡地の発祥から、パリ・セーヌ川シテ島の火刑場に至るまでの二百年に渡る騎士団の生き様を誇る。
焼身の業火に包まれながら剣を振るう最後の総長ジャック・ド・モレーの雄姿は、あたかも灯滅せんとして光を増すがごとし。
ゲーム内での効果は、『範囲内の敵全体に強力な攻撃+自身に「通常攻撃時にやけど状態を付与する状態」を付与&やけど状態を付与【デメリット】』。
他作品での活躍
Fate/Grand Order(アプリ版)
2021年ハロウィンイベント『ハロウィン・ライジング!』にて期間限定サーヴァントとして実装。
異端者という『無辜の怪物』として現界しており、醜聞による霊基の変質に邪神の介入が重なった結果、邪教に魅入られた女騎士へと衝撃の変貌を果たした。
関連人物
生前
フィリップ4世
カペー朝フランスの王。眉目秀麗だったことから「美顔王」とも呼ばれた。
フランスを「永遠なる西欧の覇者」にする野望を抱き、そのためにテンプル騎士団を聖ヨハネ騎士団へ吸収合併させ、自身で実権を握ってエルサレムの再征服を達成し、その偉業で諸国を平伏させるつもりでいた。
しかし度重なる財政再建の失敗に、モレーの火刑場での暴露と抵抗で信用を失墜させ、まもなく卒中を患うと「モレーの呪いだ」と周囲に零しながら病死した。
クレメンス5世
当時の教皇。アヴィニョン捕囚時代の教皇で、フランスの傀儡と化していた。
フィリップ4世の要請を受け、フランス国内のテンプル騎士団100名を匿名性の高さを利用した「異端審問」で連行し、悪魔崇拝・男色行為・反キリストの宣誓の強要など、数々の無実の罪状で拷問にかけさせ、彼らを獄死または火刑に追いやった。
彼もまたフィリップ4世と同年に亡くなり、その遺体も安置していた教会が火災に見舞われて激しく損傷したため、モレーの呪いと噂された。
Fate関連
聖堂教会のテンプル騎士団に所属する神父。
ただし実際の所は、名前だけをあやかった別の組織である。
フランス出身、政治的な理由から火刑に処された騎士、という関連がある。
ちなみにモレーのほうが100年ほど先輩になる。
後世に呪いの逸話が残ったモレーにも、彼女同様に復讐者の素養が考えられる。実際に、モレーが復讐者のクラスで呼ばれると考察していたファンも少なからず存在する。
が、実際のところはジャンヌ同様にモレーもフランス王家に対する恨みはない模様。
ジャンヌ同様フランス出身、政治的な理由から火刑に処された騎士、という関連がある。
殺された理由も異端である、莫大な富を狙ってという理由が共通しているがモレーとは違いジルは本当に異端に傾倒していたという違いがある。
ともに非業の死を遂げているが、シグルドは数々の武勇と因果の末に斃れただけに、モレーより幾分かは恵まれた方といえる。