二次創作の連鎖
ある作品の二次創作をベースにした二次創作のこと。しかしこの「三次創作」という呼称は同人でのみ通用する言葉であり、本来は二次創作(二次的創作物)の一種である。
「二次創作の二次創作」であり、決して足し算にはならない。
これは「三次創作の二次創作」に対する四次創作においても同じことで、以下五次創作、六次創作……などと次数を増やしても変わらない。次数をまとめた呼び方として「n字創作」がある。(2008年に濱野智史氏が提唱。関連リンク)
またある作品の二次創作において、中核とする題材が他者の二次創作物に由来する物である場合に、見れば解る原作は別として、他に題材とした二次創作があることを示す一種の礼儀作法として作品を「三次創作」と呼ぶこともある。
なおこのpixivなど、インターネットにおける投稿サイトが発展した現在、「ネタを元にしたネタ」ではなく「ネタを共有する」という形の二次創作が発展しており、こういった場合わざわざ何次創作と呼ばれることはない。
インターネットにおいてこれらはUGC(User Generated Content)と呼ばれる場合がある。
いくら二次創作が公式に投稿できる場所(カクヨム及びノベルアップ+)であっても、二次創作の二次創作としての三次創作は一切認められていない。規約違反としてアカウント凍結などのペナルティが避けられないので注意する事。
三次創作の誤用について
原作のストーリーや世界観をベースに独自の解釈や設定・オリキャラを多数盛り込んだ二次創作について「三次創作」の呼称が用いられて久しいが、これは誤用である。勿論、その独自設定やオリキャラを踏まえて他者が創作をした場合は三次創作となり得るが。
筆者の予想としては
- 二次創作にオリジナル(一次創作)を足したものだから
- 一部の独自展開を含んだ二次創作が広く受け入れられ、三次創作が流行したから
といったことに対し三次創作を用いてしまったことが、誤用が広まる原因になったのではないかと思っている。
この誤用は本来用いられている「二次創作の二次創作」のことを指した三次創作の検索妨害にあたるので、二次オリを参照し各ジャンル独自の呼称を用いることを推奨する。
著作権
三次創作とは法的には二次創作物であり(特に同人活動においては)著作権法上の問題がつきまとうもので、原作者の許諾を得ずに行うと、複製権・翻案権等の侵害となり、処罰を受けることがある。
日本の作品は黙認されているケースがほとんどなので、それまでに他の二次創作作品が訴えられでもしていない限り、どれほど原作からかけ離れても訴えられるということはまず無いが、どれほど原作をかけ離れても、そこに原作を下敷きとした設定やキャラクターがある限り、著作権の侵害は発生しているので注意されたい。
(事実上のオマージュと呼べるまでにかけ離れた場合でも、「三次創作」として原作の名前を出せば商標権などを侵害する)
また他の二次創作物を土台とした三次創作なら、原作と土台となった二次創作の二つの著作権を侵害することになる。
三次創作の一例
東方二次創作から派生したクッキー☆は、いわば東方三次創作とも言うべき界隈ではあるが、東方Projectに対しての風評被害を原典としているため、その扱いは常に賛否が分かれる。→ク☆堕ち
「ピングー」にゲイビデオの音声を当てはめたMAD作品「ケツデカピングー」はピングーの二次創作に該当するが、それを元に有志による二次創作「ケツピンアンソロジー」が作られており、原典であるピングーから見れば三次創作に該当する。
架空の被造物が承認力により具現化するという設定の作品「Re:CREATORS」に登場する「軍服の姫君」は、自身を題材とした二次創作動画やファンイラストに描かれた能力を駆使するが、これは軍服の姫君が設定のない二次創作キャラ(という劇中設定)であるが故に、三次創作を自らの原典として際限なく取り込んでいくためである。
週刊少年ジャンプで連載されていた「封神演義」は古来中国に起きた殷と周の戦いに仙人や妖怪を織り交ぜていた伝奇小説「封神演义」を題材にしていた。しかし「封神演義」連載前に発売されていた「安能務翻訳版」のオリジナル設定が使用していた所もあり、最初は無かったが途中から単行本に「安能務翻訳版」がクレジットされこちらが原作となった。この経緯を見ると「封神演義」は三次創作として見れなくもない。