「クッキー☆」とは声当て動画「【東方合同動画企画】魔理沙とアリスのクッキーKiss」の通称及び、そこから起きた騒動等を元にした独立派生創作界隈の通称。
詳しくは⇒ https://dic.nicovideo.jp/id/4490693
他にクッキー☆に含まれる作品群にはクッキー☆☆ クッソー☆ イースター☆等がある。
動画の概要
「東方Project」の二次創作動画で、2010年2月15日にニコニコ動画へ投稿された作品。
ストーリーは霧雨魔理沙がアリス・マーガトロイドにクッキーを作ってあげるという内容で、百合っぽい展開がある。
時系列は東方儚月抄より後と考えられる。
企画・脚本が1名、他42名の絵師、声優、音楽作成者、動画作成者によりこの動画が制作された。
投稿から約8年後、2018年5月末に東方カテゴリ総合デイリーランキング1位を達成した。
……とはいえ、これは後述の経緯によるもので、本作が東方二次界隈で高い評価を受けているというわけではないのだが。
問題点
当時「東方Project」は、原作となるゲームはもちろん、二次創作同人を中心に爆発的な人気があり、参加者人数43名、動画分数30分、しかも都内高級スタジオ「エーヴァージョンスタジオ」でアフレコという豪華な内容から、企画発表の段階で大きな話題となり、大いに期待されていた。
しかし、実際出来上がった作品を視聴した東方ファンからの評価は...
- 長い割には不要な場面が多い。セリフの間も長い。
- 1場面のなかでも絵師が変わるため、気が散る。
- 声優陣として参加した人の中に素人演技の者がおり、特に主演を中心に全編を通してお粗末な棒読みの会話が続く。
- アニメと聞いていたのにアニメではない(そもそも企画の趣旨的には多少動きのついた紙芝居に近く、ボイスドラマの方が後付けである)。
と酷評まみれであり、大炎上した。
実際のところは、この時期のニコニコ動画の東方二次創作には、言ってしまっては悪いがこのような出来の作品は多く、それらが特別問題になったりするようなこともなかった。
あくまで当時の基準だがこれ自体はここまで酷評されるレベルの作品ではなく、公開前から宣伝による過度な期待を持たれてた上にアニメという誤解も流れていた事から、純粋な出来の悪さよりも期待を大きく下回った事が主な原因とされている。
ここまでならただの騒動としてMADネタとしても一過性のブーム程度に終わっていたかもしれないが、ここからが本番(?)である。
淫夢厨の介入
そんな中、荒らし誘導目的で付けられたタグの中に真夏の夜の淫夢があったため淫夢厨が紛れ込み、その淫夢厨によって声優たちの棒読みっぷりが、ゲイポルノビデオ『真夏の夜の淫夢 第二章モデル反撃!犯されるスカウトマン』の棒読みと似ているという滅茶苦茶な理由で淫夢と関連付けられた。
動画全体が淫夢厨によるコメントに荒らしつくされる風評被害に遭い、元動画をMAD素材として使用する者もあらわれた。
通称とされる「クッキー☆」は、この時に投稿者がコメントフィルター機能を使って淫夢関連のコメントをすべて「クッキー☆」に置き換えたことに由来する。
淫夢厨の介入は収まらず、元動画は大量の「クッキー☆」で溢れかえることになり、元動画だけでなく界隈そのもの指す通称として知れ渡っていく。
しばらくは淫夢厨によってネタにされていたものの、企画者代理の蓮奈理緒(HZN)によりMAD動画が権利者削除を受ける。
ただし、HZNはシナリオを書いたのみで、音声や絵は彼の著作物ではない。
当時のニコニコ動画界隈はたとえ権利者であっても削除行為を悪とみなし反発する風潮にあり、特に淫夢は削除に対して非常に敏感に反応する者が多かった為、この行為に淫夢厨や一部のMAD民は反発した。
出演者の告発
そうした中で、魔理沙役の宇月幸成(UDK姉貴)のコミュが判明し、彼女の生放送に淫夢厨が殺到するなど騒動を起こす。
更に合作参加者から蓮奈理緒が参加者の女性たちにセクハラ、わいせつ行為を行ったとするタレコミが相次ぎ、騒動の勢いは加速。
合作自体の目的が「10代の少女たちが声優や絵師としてニコニコで活躍できる場を演出し、その製作過程で彼女たちに出会うための口実作りだったのではないか。東方が題材の理由も登場人物がほぼ女性で、女性を違和感なく集めやすかったからではないか」と邪推され(ただ蓮奈理緒は元々の企画者がいなくなったために代理で企画者になったため、最初から出会い目的で企画されたとは考え難い)、最終的に蓮奈理緒により謝罪とこの名前での活動の停止宣言が行われるに至った。
この後、蓮奈とは別の人物が企画した「クッキー☆☆」と呼ばれるボイスドラマ作品群が後継作として目を付けられ、騒動は更に拡大していく。
この本家クッキー☆からクッキー☆☆の間に起きた騒動を元に「ジャンルとしてのクッキー☆」が確立され、これ以降に作られたクッキー☆を意識した作品は「養殖クッキー☆」とも呼ばれる。
こうした経緯からすると、淫夢に絡まされていなくても何かしら別の形で東方二次創作史上最低最悪の不祥事として、大きな問題になっていたと考えられる。
しかし匿名化してでも無理矢理炎上を続ける例のアレやなんJのように、黒歴史として有名になってもここまで話題が長期化することはなかっただろう。
ジャンルとしてのクッキー☆
東方シリーズの設定を「原作の原作」としてキャラを演じた声優を主体としたMAD作品が作られ、独自のジャンルを形成していった。
初期はエルシャダイのブームによりMADコンテンツとして大きな遅れをとっていたが、そのエルシャダイが廃れた際に移住先の一つとして多くのMAD民が流れ込んできた。
その後も廃れたMADコンテンツの住人を受け入れ、淫夢ブームに合わせて規模が大きくなっていき、ニコニコ動画の有名なMADコンテンツの一つとして扱われるようになった。
登場人物はキャラクターそのものというよりも声優自身のパーソナリティ(個人のSNSや配信活動など)やそこから連想したネタに絡めて表現されるようになり、各人が演じたキャラを「ガワ」として被せられる形でキャラクター化した。また、名前については主にTDN表記が用いられる。
東方二次創作を源流とした三次創作とも言える界隈であり、東方と淫夢の要素を併せ持つ。一般の東方民にはよく思われておらず、扱いには注意が必要。→ク☆堕ち
クッキー☆界隈独自の文化と思われがちだが、ニコニコ動画ではたいして珍しいことではなく、初期の頃からクッキー☆のように元ネタと独立した独自の世界観を持つ三次創作的なMADコンテンツがあり、クッキー☆のように元ネタとは独立した別ジャンルとして扱われるモノも多かった。
一方で、現在はニコニコ全体の世代交代によって両者の歴史的経緯を知らない者が増えており、他ジャンル同様クッキー☆と原作および各種東方二次創作を同一視する者も少なくない。現在まともに別物扱いされているジャンル/元ネタといえばゼERO/ロックマンぐらいである。
しかし、元ネタとの別物扱いが珍しくなかった頃の時点でもクッキー☆が別物扱いされた理由はレアなケースである。詳しくはこちら→クッキー☆☆☆
東方二次創作のみをネタにして居ると思われがちだが、東方以外の二次創作や全く関係ない一次創作、挙げ句の果てには政府が作ったPR用アニメーションやごく普通の昆虫の動画までネタにされている。
MAD後半に不意打ち気味に淫夢ネタを叩き付ける「一転攻勢」に出る者も多い。ただ、サムネに淫夢キャラが写っていたり開幕から淫夢ネタが入っていたら一転攻勢ではないと意見が分かれる。
一転攻勢の一例
また、クッキー☆以前から「野獣妹」などと呼ばれ淫夢キャラ扱いされて居た伊吹萃香の扱いなど、東方夏淫夢の要素を吸収している。
クッキー☆10周年
2020年2月15日にクッキー☆は10周年の節目を迎え、pixivでもお祝いイラストが投稿されている。
原点となったニコニコ動画では、東方とクッキー☆の二次創作の在り方を痛烈に描写したボイスドラマ「魔理沙とアリスの自己矛盾☆」が投稿され話題となった。
名台詞
括弧内は動画での別名。
博麗霊夢(RIM、RU姉貴)
「ぷはー 今日もいい天気」
「クォラ!」
「お菓子だからね」
「アリスが食べた事無かったら、誰も食べた事無いんじゃない?」
「この酒飲みが!」
「待てこらガキ!」
霧雨魔理沙(UDK姉貴)
「きっと、今日は休憩の日なんだよ!」
「神社閉店の日!」
「やっぱりアリスの作るブラウニはうまいな、生地がしっとりとしていて、それでいてべたつかない、すっきりした甘さだ。
クォクォアはバン・ホーテンのものを使用したのかな?」
「ああああ!忘れてた~」
「それでは諸君、さらばだー!」
アリス・マーガトロイド(ALC、HNS姉貴)
「じゃあ~明日は?」
「きゃっ!」
「お粗末さまでした」
「壊れてないよ、魔理沙の気持ち」
伊吹萃香(SIK、野獣妹、YMN姉貴)
「イカスミ焼きぃ~?」
「あっ んまぃ!」
「私も食べさせる~」
チルノ(CRN)
「あたいー」
ルーミア(RMA、神の棒読み)
「そーなのかー」
大妖精(DIYUSI)
「隣の垣根に、囲いができたんですって!」
紅美鈴(ラーメンマン(クッキー☆)、MCT姉貴)
「へー」
「侵入させていませーん!」→「侵入されてしまいましたー!」
パチュリー・ノーレッジ
「むきゅー」
「借りる?盗むの間違いじゃない?」
十六夜咲夜(釣りキチおばさん)
「タネ無し手品でございまーす」
「うん、ありがとう。」
ミスティア・ローレライ
「無理無理無理!産めない!」
風見幽香(早口おばさん)
「あら面白い花火を上げる輩が居ると思ったら懐かしい顔ね」
「答えられる様にしてあげるわ」
「お返し、マスタースパーク」
関連項目
人物
カップリング |
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