概要
赤い靴はハンス・クリスチャン・アンデルセン作の創作童話である。1845年、『新童話集Ⅰ-3:妖精の丘、赤い靴、ヒツジ飼いの娘とエントツ掃除屋さん』に収録され出版。
主人公の名前は翻訳や出版の関係か、カーレンやカレンだったりする。また、赤い靴に「踊り続けろ」と命令する兵隊や、呪いをかけている正体が天使だったり、魔法使いであったり。足を切断しないバージョンもあれば、首斬り役人ではなく木こりに足を切ってもらうなど色んな脚色がなされているが大筋は「過去の自分の行いを反省する」というもので大差は無いだろう。
1948年、この童話を原作にした実写映画が公開される。マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーの監督作品。イギリス映画。
さらに1972年、TBS系列で放映されていた連続テレビドラマ『赤い靴』が放送される。
本作のプロデューサーが、NHKでバレエの番組を見たことがきっかけで、バレエのドラマを製作しようと思いたった。上記の映画「赤い靴」を見て感動し、そこからタイトルを付けた。
ストーリー
貧しい少女カーレンは、病気の母親と二人っきり。ある日、靴を持たない彼女は足に怪我をし、靴屋のおかみさんに助けられ赤い靴を作ってもらう。その直後、看病も虚しく母親は死んでしまい、孤児のカーレンは母親の葬儀に赤い靴を履いて出席した。それを見咎めた老婦人は彼女の境遇に同情し、養女にする。
老婦人に育てられたカーレンは、町一番の美しい娘に成長する。ある日、靴屋の店先に綺麗な赤い靴を見つけたカーレンは、老婦人の目を盗んで買ってしまう。戒律上、無彩色の服装で出席しなければならない教会にその赤い靴を履いて行き、老婦人にたしなめられる。それでもカーレンは言うことを聞かず、教会に赤い靴を履いていき、老婦人が死の床についているときにさえカーレンはその靴を履いて舞踏会に出かけてしまう。すると不思議なことにカーレンの足は勝手に踊り続け、靴を脱ぐことも出来なくなる。カーレンは死ぬまで踊り続ける呪いをかけられたのだった。カーレンが看病しなかったばかりに亡くなった老婦人の葬儀にも出席できず、身も心も疲弊してしまう。呪いを免れるため首斬り役人に懇願して両足首を切断してもらう。すると切り離された両足と赤い靴はカーレンを置いて、踊りながら遠くへ去っていった。
義足を作ってもらったカーレンはこれまでの自分を恥じ、不自由な体で教会に住み込みでボランティアに励む毎日を送る。一度は悔い改めたと思い教会へと行こうとして踊り続ける赤い靴に阻まれ再び己の罪を自覚するも、孤児やシスターから厚い信頼を受けながらカーレンは充実した毎日を送る。引き取ってくれたにも関わらず老婦人へ恩返しができなかった懺悔の祈りを捧げていたある日、突然足を踏み入れる事すら出来なかった教会へと場所は変じ眼の前に天使が現れ、罪を赦されたことを知ったカーレンは、天へ召されていった。
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映画
1948年のイギリスのバレエ映画。アンデルセン童話「赤い靴」をモチーフに「踊る」ことから逃れられないバレリーナの哀しい運命を描いた作品。
映画監督マーティン・スコセッシのネガ修復作業によって、2009年カンヌ国際映画祭で世界初公開された。
ストーリー
『赤い靴』を原作としたバレエの主演に抜擢され一躍スターとなった若きバレリーナ、ヴィクトリア・ペイジが、恋愛とバレエとの間で苦悩した末に悲劇的な最期を迎えるまでを描く。
ドラマ
1972年10月3日から1973年9月25日まで、毎週火曜19:00~19:30までTBS系列で放映されていた連続テレビドラマ。最初は全26話の予定であったが、好評により倍の52話までの延長が決定した。
コミカライズ
週刊少女コミックにてすずき真弓によって連載。
また、小学館の学年別学習雑誌にて複数の作家にもコミカライズされた。
ストーリー
主人公の小田切美保はバレリーナだった母の後を継ぎ、「和泉バレエ団」に入団してライバルの甲斐鏡子としのぎを削り合い、先輩の稲村節子のいじめを受けながらも、プリマドンナを目指して日々頑張っていく物語。
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