概要
冷暖房器具。エアコンディショナーの略。
人と接する本体、人目に付かないところで頑張る室外機がある。また、窓際設置用に本体と室外機を一体化したもの(窓用エアコン)もある。
ヒートポンプの原理により、本体と室外機を配管経由して循環するガスを媒体として熱を移動させる事により冷暖房を行う。冷蔵庫やヒートポンプ式給湯器も使用目的こそ異なるものの、動作原理はエアコンと同じである。
普及
高度経済成長期後期の日本(昭和40年代)ではカラーテレビ(Color Television)・自家用自動車(Car)と並ぶ「新・三種の神器」「3C」と言われたが、1960年代後半〜1970年代に急速に普及率をあげたカラーテレビや自家用車と比べて、エアコンは大幅に普及が遅れた。1970年のルームエアコンの普及率は7.7%に過ぎず、日本の過半数の家庭がエアコンを使うようになったのは1980年代も後期になってからであった。
北日本では21世紀に入ってからもエアコンを持っていない家庭もかなり多くあり、特に北海道の家庭では近年までこたつと並びほとんど見かけない冷暖房器具であった。寒冷地でのエアコンの普及が遅れているのは、夏場暑い日が少なく冷房として活躍できる日数が少ないのと、冬場外気温が低過ぎると暖房としては役に立たないからである。2010年代以降、北海道でも家庭用エアコンが一般化しつつあるのは、地球温暖化による真夏日の増加と、屋外が低温でも暖房として機能する寒冷地対応のエアコンが登場したことによる。
北海道ならともかく、今では35度超えの猛暑日が当たり前にある南東北以南では、エアコンは生活必需品というか生命維持装置である。真夏にエアコンが無い環境に居ると冗談抜きで生命に危険が及びかねない。平成後期以降、各地の学校でもエアコンの取り付けが進められ、東京都の小学校のエアコン設置率はほぼ100%となった。生活保護家庭などの貧困層がエアコンが買えないという問題は人権問題として取り上げられるようになっている。
井戸水(クーリングタワー)エアコン
主にビル一斉型。冷媒を水または間接に水を利用したエアコン。 年中水温がほぼ一定な井戸水を使いそれをラジエターを通し後ろからファンを回す、井水の水温以下にはならないが大規模な冷房には充分だった。しかし井水のくみ上げすぎによる地盤沈下が問題になりクーリングタワーによる水使用の削減、現行の冷媒使用のエアコンになった。比較的大型であるため冬季はボイラーの蒸気を利用した暖房や電気ヒーターを内包したパッケージエアコンが知られる。最近は河川の水熱を利用したヒートポンプ暖房も出てきている。
愛称
愛称がつけられたのは昭和後期で冷房を主眼としたつけ方が多い。
東芝:木かげ→大清快 ゼネラル:ミンミン →富士通ゼネラル:Nocria
日立:白くまくん(注) ダイキン:黒潮 タスタス(マルチエアコン) まどっぽ(窓枠設置)
三菱:霧ヶ峰 三菱重工:ビーバー (ダイエー向け:コルティナ)
松下:樹氷→楽園→エオリア 三洋電機:ひぇひぇ→Raydan 健康
シャープ:チロル→ウインダム→プラズマクラスター(平成後期→令和 空気清浄機一体型)
(注)白熊のマークは冷蔵庫にも採用された。(取説では白くまのイラストが息を吐いて冷やしている)