ボイド(アンデラ)
ぼいど
容姿
初登場は単眼のロボットスーツを纏っており、単行本の描き下ろしや回想などで中の人は褐色肌の大男として描かれている。
ロボスーツのボイド
戦闘時に全身へ装着する単眼の黒いロボットスーツ姿。組織の技術者・ニコにより製作され、その装甲はタンカーの衝突やダイナマイトの爆破にも耐える程強固である。因みに手先足先ともにハッタリで大きくみせるよう造られている。
組織構成員の共通装備である赤いネクタイに似たパーツが首元へ搭載されており、大きく張り出した両肩の装甲側部には「09」の文字と組織構の証(ライセンス)が施されている。
普段のボイド
ロボットスーツを着た中の人は、褐色肌に色素の薄いオールバックの髪をした強面で筋肉質の大男。普段は組織の制服でサスペンダー付きスーツの動きやすそうな服装でいるらしい。
単行本の描き下ろしでは、鉛筆画(ラフイラスト)のため詳細は不明瞭だったが、回想などで褐色肌や服装(スーツ)といった風貌が判明した。
人物
指令に忠実で確固たる使命感を持つ戦士だが、その態度は粗暴。
元ボクシングヘビー級世界王者だったが、3度目の防衛戦で劣勢の際に発現(誰かから移行)した否定能力で対戦相手を殺害してしまい、競技としてのボクシングが続行不可能となり引退(正確には否定能力の性質上、無防備な相手を撲殺する殺試合(デスゲーム)になってしまうため選手生命を否定された事態となった)。後にボイドは「否定の業(さだめ)」を背負わされた事で自暴自棄となり、酒浸りになっていたところを組織へスカウトされた過去を持つ。
組織に加入後は、忌々しかった否定能力をフル活用でき、かつ戦士(ボクサー)の実力を存分に発揮できる任務へ生きがいを感じていたようだ。この心境変化から性格は段々と粗暴になっていったことから、元は真面目なスポーツマンだったのかもしれない。
実際に、見た目は普通の少女である否定者へ殺意が宿った鉄拳を打ち下ろす凶行をみせたが、後に「心が清い者が乗れる雲」の古代遺物(アーティファクト)へ搭乗できる人物だったと判明した(いわば、喧嘩は日常茶飯事だけど捨て猫はほっとけない不良みたいに情愛のある男だったのかもしれない)。
能力
UNAVOIDABLE -不可避-
他対象 (おそらく強制発動型)
自身が殴る構えをとることで相手の回避を否定する拘束型の能力。
正確には、否定能力を発動すると「相手の筋肉の動きを止めている」ので、対象の生理現象などは効果適用外。つまりボイドと対峙した者は、意識がある状態(きっと瞼を閉じる筋肉が動かず拳が迫ってくる様子を見続ける)から殺人拳を不可避で受ける恐ろしい事態となる。
これに対し不死者であるアンディは、自身の再生力は阻害されないと理解すると、真正面から殴られて負傷した状態(筋肉がズタボロ)で反撃をする力業で対抗していた。因みに、この対抗手段は痛覚がある状態で行った(いたそう)。
作中最も早く攻略されてしまった否定能力だが、元プロボクサーのパンチ + ロボットスーツの(言葉通りな)鉄拳であるため、回避も防御も否定された普通の人間ならば即死するだろう。つまり初見では絶対に対策の打ちようがない一撃必殺の能力である。
またUMAなど身体能力が丈夫(タフ)な者でも、防御不可避な状態で鉄拳(パンチ)をくらって大ダメージは否めないだろう。
ボイドの最期
日本の都市にある解体中のビル内にて、風子の起こした不運でアンディもろとも解体用ダイナマイトの爆発に巻き込まれたボイド。だが彼は頑丈なロボットスーツのおかげで無事だった。そしてビルの瓦礫から突き出たアンディの腕を引っ張って、不死の否定者回収を試みた時点で彼の命運が尽きた。
それは切り離していた不死の腕で、これを囮にしていたアンディに背後をとられ、不可避の否定者は自身の否定能力を用いて迎撃を試みる。だが不可避能力の対象外である「部位弾(肉体の再生力を利用した指弾)」の射出を止められず、ロボットスーツの単眼(カメラアイ)ごと頭部を打ち抜かれてボイドは絶命した。
不可避の能力を持つボイドだったが、タイトル防衛戦では王座陥落を避けること叶わず、彼の最期は弾丸を避けられなかったという皮肉な末路となった。
pixivでは
『ボイド』だけならば他作品に登場するキャラも指す。
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黙示録(アポカリプス)が宿す「世界の記憶」には、現行の世界より前の世界(ループ)でボイドと酷似した大男も登場していた。その場面は、組織の制服でサスペンダー付きの衣装(スーツ)に、片腕を覆う巨大な鉄拳の武器を装備して、UMAスポイルへ仲間と共に立ち向かっていた。
因みに彼の仲間には、サーベルを片手に挑む男装をした仮面の人物や、ある少女の面影がある老婆と、現行の世界に縁を感じられる人達も登場していた。
この他にも、ある男の回想にボイドと酷似した大男が再登場しており、ボイドが戦士(ボクサー)として活躍する前から、世界の理へ挑む戦士(ウォーリアー)となる運命は不可避(避けられない)だったのかもしれない。
101回目のループではこうした彼の悲劇をも回避すべく風子達が動いているが、クエスト受注時点ではまだボイドに不可避は移ってはいなかった。
その前任者の名前は「除津健二」。日本の埼玉在住の御年98歳のお爺さんである。詳しい素性は不明なものの、組織に監視されているとはいえ商店街のくじ引きに(意識的かは不明だが)否定能力を使いつつ平穏無事に暮らしている。どうやら月末にボイドに不可避が移る=除津が死ぬ可能性が高いようだが、風子がそこに特に言及しておらず年齢を考えると健全に天寿を全うするものと思われる。このようにこの漫画ででも稀有な否定者でありながら98年も平和に生き抜いた傑物だったりする。
なお彼の不可避はどうやら「くじ引きの一等に『避けるなよ』と念じることで的中させる」というボイドのそれとは性質や使用方法も異なった能力となっているようである。