俺は『Victor(人間)』だ
『Thor(神)』じゃない
概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する謎多き人物・ヴィクトルの別称。「Victor(ヴィクトル)」から「Victhor(ヴィクトール)」と呼ばれる。
彼が辿った戦歴から冠された伝説「戦勝の神」に由来し、呼称されるに足る埒外な戦闘力を有している。なおヴィクトル自身は、この肩書を嫌悪している。
本稿では便宜に、ヴィクトルの戦力面について解説。
彼の詳細な人物像・経歴などについては【ヴィクトル(アンデラ)】を参照。
戦勝の神
この英雄譚に由来して「戦勝の神(ヴィクトール)」と称されている。
ヴィクトルにとっては、彼の戦う元凶「神」と同等な肩書であるため、これで呼ばれる事を嫌う態度は当然であろう。
因みに彼が数多の戦場へ関わった詳細は不明慮だが、趣味で『世界旅行』『遺跡探索』がある事、課題(クエスト)や課題報酬から古代遺物(アーティファクト)などの目的物を探索する事、これらで数多の国々へ来訪する機会はあった。その訪問先で、時に戦争へ武力介入をして早々に終結させて、趣味の遺跡や重要物の探索をする経緯などがあったのではと考察される。
戦闘力
自己対象 強制発動型
自己の死に関する事象を否定し、強制的に肉体再生する能力。
初登場して即座に、男性主人公・アンディでは苦戦を強いられたUMAスポイルを瞬殺し、彼とは比較にならないほどの戦闘力を見せつける。
そしてヴィクトルが「戦勝の神(ヴィクトール)」と英雄視されるに足る、最強な身体能力・能力戦闘も有していた。
人の限界を超える者
戦神(ヴィクトール)と対峙した組織の否定者・シェンによると、生物としてのリミッターを外して怪力を発揮することが出来るようで―
- 武術家・シェンの受けをその上から潰し叩き伏せる
- 拳を握り込むだけで自身の指を壊し、そのまま部位弾(パーツバレット)の体勢に移行する
など驚異的な怪力を見せつける。
このように長年の研鑽・鍛錬で、人体の生理的な制御を任意に解除できるまで老練させている。なお身体強度はあくまで生物の域を出ず、リミッターを外した筋力を発揮して振るった拳はバキバキに複雑骨折している。だが戦神(ヴィクトール)は不死者であるため、即座に再生する。
畢竟の不死者
カードを額に刺しているアンディと違い、単純に再生速度が速くなっているだけでなく頭以外からも再生が可能。これを利用し本体を指弾(フィンガー)に移すなど戦神(ヴィクトール)は非常に多彩な戦術を習得している。
また再生強度も埒外な様で、嘗て頭部だけになったアンディを収容した捕獲器を、戦神(ヴィクトール)は再生力だけで捕獲機に入れられた状態から破れるほど。
そして戦神(ヴィクトール)の真価は、もはや再生能力の範疇を逸脱するほどに磨き上げられた不死技の数々にある。
使用技
部位弾(パーツバレット)
千切れかけの部位を再生の力で押し出し放つ中~遠距離技。アンディと同じ技だが、彼と比べ少ない予備動作で放つ事ができる。上記にある怪力で、両拳を握り込んで複数の指を打ち出す“指連(フィンガーズ)”や、生物のリミッターを外して腕が自壊する程の正拳→腕を再生しつつ指弾(フィンガー)を打ち出すなど無駄がない連携技が可能。
分裂弾(ディヴィジョンバレット)
部位弾(パーツバレット)の派生技。放った部位弾が弾毎に再生し、ヴィクトールの分身となる。
不死をどこまで拡大解釈すれば分身技になるのか…。この技でUMAスポイルを瞬殺する姿に度肝を抜かれた読者も多い。
分身は上半身のみの体を構成し、再生度合いで生成した骨の剣からの剣戟や部位弾などを駆使して縦横無尽の物量戦を行える。
おそらく分身はアンディ同様時間経過で消えるものと考えられる。また、本体と分身は額の古傷の有無で判別することができる。
死閃(デッドライン)
自傷した指先から高圧で血を噴射し、巨大な血のウォーターカッターを生み出して眼前をぶった切る。後述の死刃(デッドブレイド)の応用技。
驚くべきはその射程。作中ではレインボーブリッジの上から新宿駅をバラバラにし、その間にある地域も壊滅状態へと変えている。
控えめに見ても9㎞以上の攻撃範囲がある。これでも勝てない神とは一体…。
死連弾(デッドバルカン)
指を外側に折り、断面から血の弾丸を発射する。
因みに指の断面をのぞかせるその姿は何処か既視感を覚える。
死刃(デッドブレイド)
拳から噴出した血を凝固させ、剣として振るう。
予備動作も無く出せる模様(または上記の怪力から、拳の握り具合で出血させているかもしれない)。しかもこの状態からそのまま死閃(デッドライン)へと繋ぎ、空まで切り裂いている。
死道(デッドロード)
腕から大量の血を放ち質量で圧し潰す。敢えて言い換えれば、血液版のかめはめ波。
明らかに自身よりも大質量の血を放出しており、その驚異的な再生速度が窺える。
pixivのヴィクトール
『ヴィクトール』だけならば他作品に登場するキャラも指す。
そのためpixivにイラストを投稿・タグ付けするならば、本記事の『ヴィクトール(アンデラ)』を使用したり、関連タグとして『アンデッドアンラック』や『アンデラ』など合わせた符応(タギング)が絞り込み検索を助ける。
余談
「Victor」という名前は、国々によって発音が異なり―
綴りと発音が一致するのはスペイン語だが、そこにヴィクトルのルーツがあるのかは作者のみぞ知るところである。
ヴィクトルが嫌悪した『Thor』には、原作漫画で添字(ルビ)があったように、神域へ縁ある単語。
北欧神話に登場する神様の名前で、主要な神の一柱であり、神々の敵である巨人と対決する戦神を指すという。
世界的には、雷電を象徴するハンマーを振るう雷神や、これを創作基にしたアメリカン・コミックス『マイティ・ソー (The Mighty Thor) 』が有名。
ヴィクトルこと「戦勝の神(ヴィクトール)」は、掲載誌にて世界的にも知名度がある某戦闘民族にある第三形態「髪の毛が長髪化」「よりマッシブな体型に変化」へ外見的特徴が似る。
そして戦神(ヴィクトール)が初登場した掲載誌・週刊少年ジャンプ2020年25号では、奇跡的なのか意図的なのか、この超戦闘形態を特集した頁が少年漫画『アンデッドアンラック』の次に来る配置となっており、不思議な偶然?が発生した。
この面白について原作者・戸塚慶文は認知しており、次号の巻末目次コメントにて「ヴィクトールが初めて出た回の次PでSS3(スーパーサイヤ人3)悟空がいたのは本当におでれぇた!」と嬉しい驚きをしている。
参考:週刊少年ジャンプ2020年26号の巻末目次コメントより