概要
1985年に特殊部隊の隠密潜入作戦やゲリラ作戦用の特殊消音銃としてVSSと共にAKの動作機構を参考に開発され、1987年にほぼ同時期に完成した。簡単に言えばVSSのストックを折りたたみ可能なものに変えたもので、VSSのアサルトライフル版ともいえる。
こちらはVSSよりも設計が2年遅い為、双子の弟と言える。
AS(АС)とはロシア語の「Avtomat Special'nyj (Автомат Специальный)」の略称で、特殊自動小銃(または突撃銃)の意。ヴァル(Вал)とは「シャフト(軸、心棒)」のこと。
使用弾薬
VSSと同じ弾薬を用いる。(9×39mm弾)
この弾薬は弾頭重量が重く、銃口初速が音速を超えないようになっている。
AK-74に使用される5.45×39mm弾より口径が大型化、また弾頭重量も増加しているので近距離の貫通力とストッピングパワーに優れている。400mで厚さ5mmの鋼鉄板を貫通し、100メートル以内なら軍用の防弾チョッキを貫通できるらしい。しかし弾頭重量が増加しているものの火薬量は5.45mm弾と大差なく、銃口初速が非常に低いので、発射後の弾道は一般的なライフル弾より落ち込みやすく、直接射撃距離は185mとかなり短めで遠距離での精度は期待できない。
消音性能
構造はVSSとほぼ同じで特殊な銃身と銃身一体型の専用サプレッサー、そして前述の9×39mm弾を用いることにより高い消音性能を実現している。
基本データ
全長 | 878mm |
---|---|
銃身長 | 200mm |
重量 | 2500g |
口径 | 9mm |
装弾数 | 10/20発 |
バリエーション
- ASM Val
ピカティニーレールの追加と30連マガジンを採用した近代化モデル。2018年から納入されている。
特徴的な大型サプレッサーを取り外しハンドガードをやや大型化。セレクターボルトの形状がAS-VALと異なり、サプレッサーに付いていたリアサイトがレシーバーカバーに取り付けられている。ストックを横に折りたたむものからアッパーレシーバ方向に折りたたむものに変更して、近距離向けに改良されている。
- SR-3M
SR-3のストックをValと同じ物に変更し、リアサイトと折り畳み式フォアグリップが追加されたモデル。
- SR-3MP
SR-3Mの更なる近代化モデルでナイトビジョンゴーグルやバイザー式のヘルメットを使用している射手用にグリップ底部にストックが装着できるようになったモデルで、ハンドガードの両サイドにピカティニーレールが追加されている。
より安価で製造できるようSR-3の代替品として再設計されたモデル。
9A-91のマークスマンライフル化モデル。
射撃能力を向上させるために固定ストックとピストルグリップ化を行ったASValのマークスマンライフルバリエーションとも言えるが、上記の通りこちらがVSSのバリエーションでもあるともいえるややこしい状態である。
登場作品
特殊部隊向けの特殊な銃ということもありメディアへの露出は少なく、アメリカ映画には一度も登場しておらず、ロシア国内の作品も片手で数えれる程度しか登場していない。
ただし、ゲームで登場することは非常に多い。
『バトルフィールド3』から登場し、キャンペーンではロシア側の主人公であるディマがパリでの任務の際にコブラドットサイトを装着した物を携行している。
続く『BF4』にもDLC「Second Assalt」のBF3のリマスター武器として登場している。
その後は現代戦作品そのものが作られていなかったが、『BF2042』のバトルフィールド3ポータルの武器として復活した。
一作目は「VLA Special Assault Rifle」という名称で登場している。
二作目では「SA Avalanche」という名称に変更された。
Season4にて「AS VAL」という名称で追加される。
ガンスミスでカスタムすることでVSSやSR-3風への改造が可能である。
性能も高めで眺めモーションの際もかなり拘られており優遇されている。
また、『CoD:Mobile』にもモーションを流用される形で登場している。
次回作の『CoD:BOCW』では何故かAKS-74UをVal風にカスタムすることができる。
「AS-VAL」という名称で登場。
反動制御にアタッチメントを振りやすく、アーマーに対する貫通力も高い為、ボスでも瞬殺することができる所謂強武器。
ランク3でアンロック可能。ゲーム内ではDLCを含めない場合唯一の消音内蔵武器である。
ドールズフロントラインの登場キャラクター
エアソフトガン
ロシアのエアソフトメーカー「NPO-AEG」からエアソフトガンが発売されているが、非常に高価であり、(完成品で1000ドル近い)外装がリアルなこと以外は品質が酷く、アイアンサイトやストックにガタつきがあったりと上級者向けであった。
台湾のエアソフトメーカー「LCT airsoft」が上記のコピー品を半額程度で販売している。
その後「King Arms」がさらに安価な三万円台ものを発売しており、敷居は低くなったと言える。
最近では安価なエアソフトガンを販売しているCYMAがVSSを3万円を切る値段で販売しており、こちらもバリエーションとして販売される可能性がある。