概要
有翼人の生き残り。白い天使のような大きな翼をもつ青年。昔から聖域の城で一人静かに暮らしてきた。だがその心の内には常に孤独を抱いていた。
昔から有翼人を崇める高原の村ハイランド(PCE版では大地の村ラパロ)の村人が有翼人の世話をしてきたが、今ではごく一部の者しか行ってなく、聖域の城にいるエルディールのことを知るものもごく少数。当代の世話係は長老の孫娘リーザである。
眉目秀麗で、さらに教養に溢れ、慈愛に満ち、穏やかで温厚な性格…とまさに完璧超人。リーザからは慕われ愛されているが、エルディールがリーザをどう思っているかは、媒体によって異なっている。
各媒体による扱い
イース4はゲーム、小説等、様々な設定のものが発売されているが、エルディールは媒体によって扱いが違っているキャラクターである。
SFC版『イースIV MASK OF THE SUN』
ファルコム原案に忠実に製作されたSFC版『イースIV MASK OF THE SUN』ではラスボス。
聖域にやってきた闇の一族のグルーダたちにそそのかされて、古代文明を復活させてセルセタを混乱に陥れた。目の前でリーザがグルーダたちにリンチを受けて殺されるのを静観するなど、一見冷酷と思いきや、その後でリーザを輝きの首飾りの力で蘇生させて助けたことから、グルーダたちの手前、冷酷さを装っているだけで、完全に悪に染まったというわけではない。
最終決戦でアドルに破れたことで、自らの過ちを認めて潔く謝罪。そこに駆けつけたリーザに、強く生きるようにと別れを告げて、アドルたちと共に転送することで脱出させ、自らは崩壊する古代都市と運命を共にした。
PCE版『イースIV The Dawn of Ys』
PCE版『イースIV The Dawn of Ys』ではグルーダたちに利用されたあげく、自分を慕うリーザすら犠牲にしようとするなど、自身が暮らした聖域に安置されていたもう一つの黒い真珠の魔力を取り込んだ影響からか完全に闇堕ちしていた。
セルセタ王朝の古代都市を全ての力を費やして地上に呼び戻した後、リーザを生け贄にして、太陽の仮面復活の儀式を執り行おうとするが、グルーダに背後からクレリアソードで貫かれて殺されてしまう。このためゲーム4作品の中で唯一アドルと戦うボスキャラとしては登場していない。
今際の際に自らの過ちを悟るも、リーザへの謝罪の言葉半ばで力尽き、その魂は五忠臣の導きにより「仲間の待つ安らぎの世界」へと送られていった。
小説版『イースIV 樹海に沈みし魔宮』
小説版『イースIV 樹海に沈みし魔宮』では、裏切ったグルーダによって瀕死の重傷を負わされるが、輝きの首飾りを通じてリーザの祈りが通じ、一命をとりとめた。その後リーザを連れて逃げるようにアドルとドギに頼むが、リーザは一緒に逃げようとエルディールに肩を貸し、ドギは何人も面倒はみれないとアドルだけかついで脱出。その後はリーザと共に生死不明になる。逃げようとしているエルディールとリーザを見たというカーナの言葉や、ドギの「固い絆で結ばれた二人をセルセタの4人の神様が見捨てるはずがない」という言葉から、生き延びてどこかで生きていると思われる。これに関しては作家である大場惑氏がSFC版ともPCE版とも違う結末になるとあとがきで公言していた。
漫画『イース太陽の仮面 -Mask of the Sun』
奥田ひとし氏による漫画『イース太陽の仮面 -Mask of the Sun』では故人(もう一人の有翼人の生き残りジーナスによってひそかに殺害されており、なりすましたジーナスによってこの作品ではセルセタに眠る大いなる力の秘密を握るリーザそして、闇の一族までもが騙され操られてゆく)
リーザとの関係
リーザとの関係も媒体によって異なっている。
SFC版『イースIV MASK OF THE SUN』
SFC版『イースIV MASK OF THE SUN』では、グルーダたちによって目の前でリンチを受けて殺されるリーザを冷たく見ていた冷血男と思いきや、その後でリーザを蘇生させて助けるなど、冷酷さを装いつつも、内心は彼女を大切にしていた。最終決戦の後、「最後までお仕えするんです」とエルディールと死を共にしようとするリーザに、強く生きるように言い残して、彼女を脱出させて別れを選んだ(死別)
PCE版『イースIV The Dawn of Ys』
PCE版『イースIV The Dawn of Ys』では、リーザを生贄として殺そうとしたあげくグルーダに殺害されて死別(リーザ曰く「私はあの方の心に入ることはできなかった(心を開いてくれなかった)」)
小説版『イースIV 序章 翼あるものの肖像』
小説版イース4である『イースIV 序章 翼あるものの肖像』では、自分に尽くしてくれるリーザの気持ちをうれしく思うものの、エルディール自身は恋愛感情には至っていない。だが争いに巻き込まれることがないようにリーザに城に来ないように言うなど、エルディールなりにリーザのことは配慮していた(結局リーザのエルディールへの恋心に気づいたバミーの進言で出入り禁止はなくなった)
ゲーム本編ノベライズ『イースIV 樹海に沈みし魔宮』
ゲーム本編のノベライズである『イースIV 樹海に沈みし魔宮』では、グルーダに殺されたリーザを輝きの首飾りで蘇生させたりするなど、リーザを大事に思っている。輝きの首飾りの力とリーザの想いで一命をとりとめた後、崩壊する都市からリーザと共に脱出しようとしている姿を、同じく逃亡中のカーナたちが見たのを最後に、その後はリーザと共に消息不明になる。ドギ曰く「固い絆で結ばれた二人をセルセタの4人の神様が見捨てるはずがない」と言っていたことから、どこかでひっそりと生き延びたということになっている。
セルセタの樹海
イース4の最新作にあたる『イース セルセタの樹海』(PSVITA、PS4、PC等)では、リーザをアドルの現地嫁にしたいスタッフの意図か、エルディールはリーザを見守る父親的存在になった。
人物
人間から神々と崇められる一族の者だけあって、高潔で穏やかな人物。教養もあり、性格も慈愛に満ちていて、さらに美青年。例えるなら、男性版フィーナ(もしくはレア)といえるだろう。