マジック・ザ・ギャザリングのエキスパンション(拡張パック):エルドラージ覚醒に収録されたカードの1枚。
詳しい説明はエムラクールの記事にて。
デュエル・マスターズ
レアリティ | P(表記無し) |
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コスト | ゼロ文明(15) |
カードタイプ | クリーチャー |
種族 | エルドラージ/ゼニス |
パワー | 15000 |
能力 | 飛行(このクリーチャーは、「飛行」を持たないクリーチャーから攻撃もブロックもされない) |
T・ブレイカー | |
このクリーチャーが召喚によって出た時、このターンの後もう一度自分のターンを行う。 | |
このクリーチャーが攻撃する時、相手はバトルゾーン、シールドゾーン、マナゾーンにある自身の表向きのカードを合計6枚選び、墓地に置く。 | |
エターナル・Ω(このクリーチャーが離れる時、かわりに手札に戻す) |
なんとMTGの弟分であるデュエル・マスターズの世界に参戦。現状、デュエマにおいて唯一の「エルドラージ」を種族に持つクリーチャー。
初出はネタカードやファンサービスをテーマにしたパック、DMEX-08「謎のブラックボックスパック」。後にDMEX-18「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」にて再録された際にはMTGの旧枠を再現したフレームが用いられている。
ファッティ揃いのゼニスの中ですら規格外れの15コストと言う途方もないマナを要するが、「飛行」によってほぼすべてのクリーチャーに攻撃もブロックもされず、攻撃時に除去・表向きシールドの焼却・ランデスを相手に選ばせるという「滅殺6」の再現等、オリジナル同様「出せれば勝ち」を体現したかのような性能となっている。
そして、何と言ってもこのカードの最大の魅力は召喚時限定の登場時能力による追加ターン。これにより事実上のスピードアタッカーとして運用することもできる。
また、オリジナルのプロテクション(有色呪文)が削除された代わりに「墓地に置かれたとき、墓地ごとデッキに戻る」能力がエターナル・Ωに置き換わっていることで《デーモン・ハンド》等の除去に引っかかりはするものの、手札に戻るだけとなっている。最も、後述のコストパフォーマンスから手札に戻ってきても再召喚するかは微妙なラインであるため、オリジナルとの差異についてそこまで深く考える必要はないだろう。
しかし最大の問題は15という膨大なコスト。普通に支払ってもオーバーキル気味だろう。
召喚扱いになる《天運ゼニスクラッチ》や《イッツ・ショータイム》等の踏み倒し呪文などから繋げることを考えたい。
仮に場に出すことができたとしても、T・ブレイカーと言う打点の都合上、このカード1枚だけで即座にフィニッシュに持っていくことは少々難しい。先述の踏み倒しなどで相手の態勢が整うよりも早く召喚でもしない限りは、割ったシールドからS・トリガーが出て態勢を立て直される危険性も存在する。
一騎当千の戦力であることは確かだが、安全な勝ち筋を取るには他のクリーチャーとの連携も視野に入れる必要がある。この辺りはMTGに存在しなかったS・トリガー等のギミックによって使用感に差異が生まれている良い見本と言えるだろう。
召喚によって場に出していれば、追加ターンを利用して打点を揃えるのも一つの手。
明確な弱点として挙げられるのは「滅殺6」の選択権が相手にあるということ。
【裁きの紋章】等の表向きのシールドを増やすことに特化したデッキや、《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》等の5枚1組のカードで構成されている「バトルゾーンを離れない」効果を持つオブジェクトを採用したデッキ相手では、除去やランデスの被害を抑えられてしまうことも考えられる。特に後者の場合は墓地に送るカードを1枚に抑えられてしまう。
総括すると、「出せれば勝ち」というロマン性は光るが「それだけのマナを用意できるなら他の現実的なフィニッシュ手段が豊富」というオーバーキルカード特有の難点を抱えている。
例として、単純に過剰なマナブーストができるデッキならば、確実性の高いメインフィニッシャーとしては《水上第九院シャコガイル》の方に軍配が上がってしまう。
とはいえコレクターや本家《エムラクール》の根強いファンの間では需要があり、再録回数の少なさや封入率がかなり低い事もあってシングルカードにおける相場もかなり高め。《Black_Lotus》と同じくカードの魅力は決して環境での活躍とイコールではない事を教えてくれる1枚である。
と、言うように、今まではあくまでロマン砲としての側面が強かったこのカードだが、扱いやすい召喚扱いのコスト踏み倒し能力を持つ《キング・マニフェスト》の登場以降、評価が上昇。一度出せれば《マニフェスト》のマッハファイターやW・ブレイカーと合わせて、追加ターンと滅殺6で相手を蹂躙してしまえる。
召喚時能力は使えなくなるが、《超絶奇跡 鬼羅丸》の踏み倒し対象として採用するのもあり。コスト15のためガチンコ・ジャッジで捲ればほぼ確定で勝てる。追加ターンを得られなくとも《鬼羅丸》のスピードアタッカー付与でアタックトリガーの滅殺6がすぐに使えるため、悪くはない組み合わせだろう。
《鬼羅丸》自身もゼニスであるため《ゼニスクラッチ》を採用できるのも利点か。10コスト以上のクリーチャーの召喚コストを大幅に軽減できる《流星のガイアッシュ・カイザー》の登場も追い風になっている。
そしてアニメ出演へ…
アニメ「デュエル・マスターズキング」第40話にデュエマアニメお馴染みの3DCGでまさかの登場。
鬼化したキャップが切札ジョーとのデュエマで使用し、「チームウェイブの超大型新人」と紹介された。
この時ジョーに「チームウェイブじゃないじゃん!」と突っ込まれていたが、キャップは「チームウェイブのデッキに入っているからチームウェイブだ」と超理論で返していた。
《キング・マニフェスト》のバズレンダでデッキトップから踏み倒され、追加ターンと滅殺6によるランデスでジョーを追い詰めるが、最終的に《スパダチモンキッドR》のキリフダReVo能力で(マナ送りの代わりにエターナル・Ωで)手札に戻された。
MTGの背景ストーリーでは女性として扱われており、実際に女性的な口調と声でジェイスと会話する場面も存在するのだが、アニメでの声優は男性の福西勝也氏となっている。
(あくまで精神世界での会話であったため、現実世界での声は必ずしもそうではないと言うことだろうか)