概要
「シールド・トリガー」(以下S・トリガー)とは、『デュエル・マスターズ』の第一弾から存在する逆転要素であり「デュエル・マスターズの醍醐味」とも言える非常にスリリングな要素である。
S・トリガーとは
ではS・トリガーはどんな能力かというと、
「S・トリガーを持つカードがシールドゾーンから手札へ行くときに、マナコストを支払わずにすぐそのカードをプレイ(使用)してもよい」というもの。
デュエル・マスターズは相手の「シールド」と呼ばれるカードを全て破壊して相手プレイヤーにダイレクトアタックすることが勝利条件の一つなのだが、破壊された「シールド」のカードはそのまま手札に加わり、そのカードが「S・トリガー」を持つカードならばその場でクリーチャーを除去したり、次のターンへの備えを行って相手に予想外のカウンターをお見舞いすることが可能となり、相手にはうかつに攻撃させない抑止力としても働く。
ノーコストというのもポイントであり、「カードを使うには同じ文明のカードが必要」というデュエル・マスターズの基本ルールを無視できる事から、デッキのカラーを無視して入れる事もできる。
それ故にビートダウンデッキ(ゲーム開始序盤から速攻で押し切るデッキタイプ)以外のデッキでは、「S・トリガーを無効化できるクリーチャーや戦術がある」、或いは「S・トリガーが発動しても十分にリカバリーが可能で勝ち筋が見えている」という状況でも無い限り相手シールドへの迂闊な攻撃は極力控えるのがセオリーとなっている。
ちなみにS・トリガー効果を使うかどうかは原則任意であるため、都合が悪い場合はあえて使わないという選択肢もある。
なお、シールドゾーンのカードはゲーム開始時に山札の上から見ないまま置かれるので、どのようなカードがシールドゾーンに置かれるかは完全に運次第であり、このような不確実性が逆にゲームに刺激を与えているという上手い作りになっている。
なら「デッキ内のカードを全てS・トリガーにすればいいのでは?」と思ってもS・トリガーのみで強力なデッキを構築するのはカードの性能やバランス的に非現実的でありファンデッキやネタデッキ以外では避けられがちである。
また、S・トリガーを持つカードは、同じ能力でS・トリガーを持たないカードよりもマナコスト(そのカードを使用するためのポイント)が割高に設定されているため、手札に来られると困るカードも少なくない。
ただ後の拡張パックでは「シールドゾーンへ任意のカードを追加させてもよい」というカードも存在するため、意図的にS・トリガーを仕込む戦術も取れる。
DMRP-01からは上位版の「スーパー・S・トリガー」が登場している。こちらは自分のシールドが0枚の時にS・トリガーとして使う場合に限り、追加能力を適用できる。
前述したようにシールドが0枚というのは敗北一歩手前の崖っぷち状態であり、その分追加効果は逆転を促す強力なものが多い。
S・トリガーへの対抗策
一方でS・トリガーを封じるカードなども存在しており、S・トリガーを無力化するような戦術なども存在する。
例えば「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」は相手のシールドを攻撃した際に手札では無く相手の墓地に送るといういわゆる「焼却」と呼ばれる効果を初めて搭載したカードであり焼却されたカードにS・トリガーがあっても使用はできないルールになっている。
つまりボルメテウス・ホワイト・ドラゴンの前ではいかなるS・トリガーも意味を成さず、相手にとっては逆転の目を摘み取る非常に厄介な存在である。
更に後の弾では「呪紋の化身(カース・トーテム)」というクリーチャーが実装されるがなんとその効果は「このクリーチャーがバトルゾーンにいる間、相手はS・トリガーが使えない」というS・トリガーを全否定するような効果を持つ。
ただこのような効果は流石にゲーム性を損ないかねないと判断されたのか2008年に公式大会や公認大会での使用を禁止する、つまりデッキに1枚も存在してはならない「プレミアム殿堂」に指定された。
拡張パック第三弾までは呪文のみに存在する能力であったが第四弾以降はクリーチャーやそのほかのカードタイプにも付属するようになり、戦略的に非常に重要なファクターとなっている。
代表的なS・トリガー
呪文
第一弾実装当時から活躍している闇文明の呪文であり「相手のクリーチャーを1体選び破壊する」という簡潔かつ強力な効果を持つ。
S・トリガーで発動すれば相手の攻撃を少なくとも一回は凌ぐことができ、相手の戦略や作戦を狂わせることもできるS・トリガーの強さを見事に体現したカードである。
こちらもこちらも第一弾から登場している自然文明の呪文であり、「相手のクリーチャーを1体選びマナゾーンへ送る」という効果を持つ。
上述の「デーモン・ハンド」と比べると、マナを増やす=相手の行動範囲を増やすというデメリットを持つが、破壊された時の効果を封じられるというメリットもあるため、相手次第ではこちらの方が有効に働く。
こちらも第一弾から登場している光文明の呪文であり、効果は「相手クリーチャーを全てタップ(行動済み状態)にする」というもの。
つまりS・トリガーすれば、どれだけ相手クリーチャーがいても残りの攻撃を全て封じられるため、1ターンの延命が可能となる。
漫画やアニメにおいても、このカードで絶体絶命の状況を凌いだ場面は数多く存在する。
上記の「デーモン・ハンド」「ナチュラル・トラップ」と合わせて「三大S・トリガー」と呼ばれる代表格となっている。
DM-14で登場した火文明の呪文であり、効果は「相手のクリーチャーを、パワーの合計が5000以下になるように好きな数選び、破壊する。」というもの。
火文明は長らく有力なS・トリガーに恵まれていなかったため、このカードの存在は画期的であった。
DM-16で登場した光文明の呪文であり、効果は「手札から光でブロッカーを持つ進化ではないクリーチャーを2体までバトルゾーンへ出す」というもの。
他と違って通常使用が主となっている呪文であるが、S・トリガーによって序盤から超大型クリーチャーが飛び出す可能性があるというのは無視しがたいメリットである。
山札をシャッフルして、その一番上がクリーチャーならタダで出せる呪文。
ランダム故に狙ったクリーチャーが出る訳では無いものの、その捲りの魅力に取り憑かれた者も多く、この呪文をメインにしたデッキ、【ミステリー・キューブ】が開発された。
多色のトリガー呪文でもかなり強力な1枚。
効果は、相手のコスト5以下のカード全てバウンスか、相手のコスト6以上のクリーチャー1体を破壊、この2つから選んで使用する。
デッキによってはコレ1枚で優勢な盤面が壊滅し、油断してると痛い目を見るカードの1枚でもある。
クリーチャー
登場時に相手クリーチャーを1体選んで手札に戻す効果を持つ。
一見すると地味だが、手札に戻すという行為はそのクリーチャーを召喚するためのマナコストを無駄にさせる事を意味し擬似的な除去としても見ることが可能な能力である。
しかも種族にリキッド・ピープルというサポートや進化先に恵まれた優秀な種族を持ち使い勝手も良い。
登場時にそのターンを強制終了させるというとんでもない効果を持つ。
後続がなんであろうと確実に攻撃を止められるという点ではホーリー・スパーク以上だが、相手ターンで出さなければ意味が無いので、癖も強い。
関連タグ
デュエル・マスターズ 呪文(デュエル・マスターズ) クリーチャー(デュエル・マスターズ)