概要
2020年6月30日発売の電撃G's magazine 2020年8月号にて発表された、全三章で展開される『勇者史外典』の第二章。同誌10月号から連載開始。全5話。
神世紀29年、『乃木若葉の章』と『赤嶺友奈の章』の間に相当する時系列で繰り広げられる、2人の「友奈」の物語。舞台は『結城友奈の章』と同じ香川県観音寺市。
タイトルからもわかる通り、登場人物は勇者でも巫女でもない一般人、さらに主人公はシリーズ初のハーフでありサブタイトルも英語という異色な内容となっている。その分ストーリーは明るめで、シリアス展開こそあるものの他のシリーズに見られるようなハードな要素はほぼ皆無。
総じて一般人の視点から勇者であるシリーズの世界を見た物語になっていると言えるだろう。
このような物語ゆえか外典の中でも特に人気が高い作品で、後述の「G’sチャンネル」で舞台探訪レポートが展開されるほど。
ファンからはこれまでの通例に倣って「ふゆゆ」の愛称で定着しつつある。
ストーリー
二人の友奈が『壁の外の世界』を目指すガール・ミーツ・ガール・ストーリー
世界が日本の四国以外すべて滅んでしまった世界で、神に選ばれた無垢なる少女達が過酷な運命とともに戦うTVアニメ『結城友奈は勇者である』のスピンオフノベル。
神世紀29年の四国。
天から襲来した謎の化け物たちにより、四国を除く日本全土が崩壊してから、30年以上の時が過ぎた。
若い少年少女たちは、既に当時の悲劇を知らず、四国を守る壁の内側で平和な日々を送っている。
そんな時代の中で、生まれた時に特殊な所作をしたために「友奈」という名前を授けられる少女たちがいた。
友奈とは、約30年前に化け物たちとの激戦の中で殉死した「高嶋友奈」から取られた名誉ある名前。
柚木友奈は、そんな「友奈」の一人だったが、英雄の名前に反し、特別な力など何も持たない少女だった。
彼女は同じ学校に、同じ友奈の名前を持つ少女がいることを知る。
芙蓉・リリエンソール・友奈――
彼女は言う、「私の夢は壁の外に出て世界の真実の姿を見ることだよ」
(カクヨム掲載ページより引用)
登場人物
- 芙蓉・リリエンソール・友奈(ふよう・りりえんそーる・ゆうな)
本作の主人公。4人目の友奈。情報集めが得意。アメリカ人の母を持つ。
- 柚木友奈(ゆずき ゆうな)
もう一人の主人公。スポーツ万能。英雄に倣って付けられた自身の名を嫌う。
最終話にて、2人の前に姿を現す人物。
勇者史異聞 芙蓉友奈は語部となる
2022年10月5日、同月末に開設される「G’sチャンネル」にて本作にまつわる新プロジェクトが始動すると発表された。その後タイトルは電撃G’s magazine 2022年12月号にて発表された。
2023年4月8日から配信予定のビジュアルオーディオドラマで、全6話予定。挿絵は『結城友奈の章』のコミカライズを担当していたかんの糖子。内容は本作の後日談となる様子で、新キャラクターとして単行本書き下ろしにて登場していた横手すずが登場する。
余談
『花結いのきらめき』に主人公2人が参戦した『きらめきの章』第19話での会話によると、2人が通っていた中学校は讃州中学校の前身であることが判明した(神世紀300年の面々曰く「勇者部の先輩」)。
また、メモリアルブックでは原作の時点で2人に勇者の素質がある事を匂わせていた事が明かされている。