概要
スプライトに属しているリンクモンスターで、リンクマーカーは右下と左下。
詳しくは後述するが、あらゆる効果が汎用性の塊と言える凄まじいモンスターでそのヤケクソ染みた汎用性と高い出張性能で【スプライト】の主軸のみならずあらゆるデッキに投入され、登場以降は瞬く間に環境で大暴れした。
ちなみに、公式Twitterにてギガンティック・スプライトと共に設定画が公開されている。
カードテキスト
【リンクマーカー:左下/右下】
レベル2・ランク2・リンク2のモンスターを含むモンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない。
(1):このカードのリンク先のモンスターは相手の効果の対象にならない。
(2):自分・相手のメインフェイズに、自分の墓地のレベル2モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、代わりにランク2またはリンク2のモンスター1体を対象とする事もできる。
解説
効果を解説する前に、まずこのカードの召喚条件を見て見よう。
『レベル2・ランク2・リンク2のモンスターを含むモンスター2体』
つまりこのカード、レベル2・ランク2・リンク2のモンスターが素材であればもう片方のモンスターは何でもよいという極めて緩い条件でリンク召喚できてしまう。
レベル2モンスターとトークンを含めた適当なモンスターだけで出せてしまうので【スプライト】のみならず、【イビルツイン】やガエルなどレベル2モンスターがキーカードのデッキでも採用でき、度々それらのデッキと手を組んで環境を席巻していた。
一応このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない制約があるものの、このカードを採用するということはレベル2・リンク2のモンスターが主軸であるので些細な問題だろう。
次に(1)の効果によりリンク先のモンスターに対象耐性を付与する。
【スプライト】では妨害効果を持つスプライト・レッドやスプライト・キャロットを無限泡影などの対象を取る効果から守ることでリンク先の妨害を通しやすくしており、地味に優秀な効果。
そしてこのカード最大の特徴が(2)の墓地に存在するレベル2モンスターを蘇生する効果。
低ステータスのレベル2モンスターを蘇生できるだけと聞けばそこまで強そうに見えないかもしれないが、この効果はお互いのメインフェイズであればフリーチェーンで発動できる。これにより自ターンは鬼ガエルのようなターン1制限のないレベル2モンスターの効果を使いまわし、相手ターンはこちらの増殖するGに対する墓穴の指名者にチェーンして蘇生することで透かしてしまうと言った戦術が毎ターン使用可能で、この効果でボード・アドバンテージを稼いでいくのがこのカード最大の強み。
これだけでも凄まじいが、相手フィールドにモンスターが存在していれば何とランク2またはリンク2のモンスターも蘇生できる。同じリンク2のI:Pマスカレーナやエクシーズ素材を消費せずに万能無効を使える餅カエルとは好相性。
特に餅カエルとのシナジーは強力で、この蘇生効果を用いることで『毎ターン万能無効を2回を構える(+無効化した相手カードを奪う)ことが出来る』と言う凄まじい妨害性能を持っていた。上記の効果で餅カエルに対象耐性を与えつつ、墓穴の指名者による除去も蘇生で透かしてしまうこの組み合わせは【ガエルスプライト】では頻繁に見られていた。
強いて弱点を挙げるならばこのモンスター自体は何の耐性も持たず、リンク2の低ステータス故にこのモンスターを除去すること自体は簡単な点。主に適当な下級モンスターで攻撃する、サンダー・ボルトで除去するなどが挙げられる。特に【スプライト】は魔法・罠への対処方法がスプライト・キャロットに頼りがちなので魔法・罠カードでの除去を意識しよう。
総じて極めて高い能力と出張性能であらゆるデッキで採用が見込める2軸汎用リンクモンスター。実家のスプライトでは蘇生と耐性付与でデッキの展開力と安定性を補うギガンティック・スプライトと共に最重要カードであった。
…が、案の定その活躍は終焉を迎えることとなる。
禁止カード入りへ
相性の良かった餅カエルが2022年7月1日で禁止カードに指定されて以降もその圧倒的な性能から様々なデッキに出張しており、その活躍が衰えることは無かった。
しかし、こんなパワーカードが許されるはずもなく2023年4月1日の制限改定で制限カードを通り越して一発で禁止カード入り、実装から1年も経たないうちにその役割を終えた。
これによってスプライトは安定感と柔軟性を失った上、同日にスプライト・ブルーが制限カード入りしたことにより展開力も大幅に低下。一気に弱体化を余儀なくされてしまった。
余談
名前の「エルフ」の由来は他のスプライトモンスターが放電現象をモチーフにしていると推測されるので、超高層雷放電の一種「エルブス」と思われる。
これはレッドスプライトよりも高い中間圏上部や熱圏下部で見られる輪状の発光現象である。
また「スプライト」と言う単語が妖精を意味することもあるので、同名の妖精である「エルフ」もかかっているのかもしれない。