概要
正式名称は「ギガンティックアンローダー・バルガ」で、全高47mに達する巨大な人型ロボット。
前作『地球防衛軍4.1』で登場した巨大ロボットの歩行要塞バラムを受け継ぐ超大型ビークル枠であり、今作で一新された世界観に合わせ、その設定やデザインも刷新された。全高50mだったバラムと比べると若干小さいが、四肢が長く、より人間に近いシルエットをしている。
バラムが最初から軍事兵器として生み出されたのに対して、バルガはアンローダー(荷降ろし機)の名の通り、本来は建設作業用クレーンとして開発されたものである。架橋作業などを想定して、政府主導の下で天文学的な予算を注ぎ込まれ、十数機が建造された。しかし、運用にあたっての安全性やコスト面での欠陥が露呈し、関係者の責任問題にまで発展した挙句にEDFに譲渡され、そのEDFでも倉庫に死蔵されていた。活躍に恵まれない日々が続いたのもあって、当時は「鉄屑」呼ばわりまでされていた。
しかし、地球外生命体プライマーによる地球侵略が開始されると、プライマーの繰り出す巨大な怪生物アーケルスに対抗できる唯一の兵器として注目され、戦闘用にプログラムの再構築を施した上で実戦投入される。アーケルスは強靭な生命力に加えて圧倒的な再生能力まで持っており、EDFのあらゆる重火器・兵器でも傷一つ付ける事ができず「人類最大の敵」とまで呼ばれていた。この巨大怪生物に対して、同等の質量をぶつけて瞬時に粉砕すれば再生を上回る傷を負わせられるという理屈でバルガに白羽の矢が立ったのである。
「つまり、殴れと言う事だ!」
重機という設定を反映してか、全体的に兵器らしからぬデザインが特徴である。胸元には「安全第一」の標語と緑十字があしらわれており、全身が丸みを帯びている。両手は解体機のグラップルめいた形状で、握り拳による正拳突きを基本とするバラムとは異なり、爪で薙ぎ払うような攻撃動作が多い。
背部にはロケットのような二基のスラスターが備わっており、転倒時に起き上がる為に使用されるが、ジャンプやダッシュや体当たり等は出来ないので、移動手段はバラム同様に歩行のみ。また、バラムとは違いポージングによる起き上がりが出来なくなっている。
「安全第一」のマーキング通り、もともと建設重機として色々と安全措置が講じられていたようだが、初の実戦投入時にEDF戦略情報部がシステムに侵入し、衝突回避プログラムなどは解除されている。
そのおかげか木々だろうが街並みだろうが障害物すべてを薙ぎ倒して突き進み、さらに全身はE1合金と呼ばれる素材に覆われ、オペレーター曰く「敵の攻撃を気にする必要はない」程に頑丈。流石にゲームシステム上でノーダメージとまでは行かないが、他のビークルに並ぶものがない大量のHPでかなりの攻撃を長時間に渡って耐え抜く。
作戦中のパイロットも「バルガごと攻撃しろ」と言う通り、機体にまとわりつくような小型の敵は遠慮なくバルガごと攻撃した方が、むしろ余計なダメージを受ける前に排除できる。
戦闘用ではなかったため、前作のバラムが積んでいた補助火器の類いはバルガには存在しない。純然たる格闘のみの機体となった分、格闘戦のコマンドはバラム以上に豊富で、本部の「つまり、殴れと言う事だ!」の言葉が表す通り、重装甲で敵の攻撃を受け止めつつ、敵を力任せにブン殴るというロマン溢れる戦いを得意とする。また、クレーンとして設計されている為か、上半身を360°高速回転させる機構を持っており、この機構を利用した一撃もかなりの威力を誇る。
ゲームシステムとして見ると、バルガの爪には貫通属性と爆発属性、さらに攻撃動作中は持続する長時間の当たり判定が付与されている。そのケタ違いの破壊力と相まって、腕をひと振りするだけで軌道に居る敵をまとめて打ち砕き、重装甲エイリアンすら紙切れのように引き裂いて軽々と吹き飛ばす驚異的な攻撃性能を見せる。
なお、バラムにも言えるが、バルガの輸送機はとんでもない運搬能力を持っている。
一部モーションにはサンドロットの過去作品「リモートコントロールダンディ」や「ギガンティックドライブ」を彷彿とさせるモーションがある。
他のビークル同様に機体に地形判定を持つため、設置型装備を貼り付ける事も出来るが、エアレイダーのセントリーガン系はある場所には設置できない仕様になっている(参照)。
機種
バージョンによってカラーリングが異なる。攻撃力や耐久力などゲーム上のステータスはそれぞれ大きく異なるが、攻撃手段に変わりはない。
ギガンティックアンローダー・バルガ
初期型。機体色はオレンジ。最初のミッションの舞台であるベース228基地で背景としても登場している。プライマーの襲撃を受けたベース228と共に放棄されたが、対アーケルス兵器として奪還作戦の末に人類の手に戻り、想定通りの戦闘力を見せてアーケルスを駆除した。ゲーム終盤ではマーク1と呼ばれて、後述のウォーバルガと区別されるようになっている。動くマーク1はストーリー内で4回登場しており、最初はベース228からの回収時に現場の隊員をパイロットとして実戦投入された。2度目は先述の通り、正規パイロットを欠きながらもアーケルス駆除に成功して有効性を証明し、各地に死蔵されていたバルガが活用されるきっかけとなった。3度目はNPCとしてストーム2と共に援護に現れる。4度目は終盤の決戦で、ベース223基地にあったマーク1が非常手段として主人公の為に投下され、後述のウォーバルガに混じって戦闘に参加する事となる。
ギガンティックアンローダー・バルガG型
機体色は緑色。大規模架橋作業に備えて出力と機体剛性が向上している。
ウォーバルガ
機体色は灰色。実戦向けに調整されたバルガで、耐久性がさらに向上した文字通りの歩く要塞である。この機体のみ胸元の安全第一の標示がEDFの標示に変わっている。終盤では大量のウォーバルガが投入されるミッションがあり、その光景は壮観の一言。装甲・攻撃力共に最高クラスのEDFの最終決戦兵器である。
ストライクバルガ
「ULTIMATE」のマーキングも眩しい、最高クラスの更に上を行く紫色の決戦兵器。
流石に本当の無敵状態とまではならないものの、破壊は殆ど不可能の謳い文句通りマーク1の10倍の耐久性と攻撃力を持っており、ゲーム内の表示限界すら上回る。そのためダメージを受けてインジケータの棒グラフが減りはじめてもHP表示はしばらくの間999999のまま微動だにしない、擬似的な無敵気分が味わえる。
デジボク地球防衛軍
デジボク地球防衛軍では何故か謎のメイドが個人的に所有しており、後にEDFの巨大機動兵器として戦力に組み込まれる。
やはり武装は無いが、EDF5でドツキ合いを演じたエルギヌスはもちろん、原作では激突しなかった赤い成体エルギヌス、他作品の怪獣であるソラスやヴァラク、ベイザルなどにも「つまり、殴れと言う事だ!」で立ち向かえる。
耐久性も原作通りビークルの中ではトップクラスだが、やはり群がってくる小型の敵には弱い。特に高難易度モードでは、巨大怪獣よりも集って来るアリの方が厄介なんてことも。
また、EDF5で優勢(?)に転じた時のBGM「勝利の兆し」は、デジボクでは実質バルガ専用BGM扱いになっている。
デジボクでは「重機の一種」と明言されているものの安全装置の有無が言及されておらず、所有者のシャパリュが独断で戦闘に投入して以降はやはり周囲の損害を無視して戦える。
もともと街中でのメイドカフェ建設に使っていたはずなのだが…。
どの程度生産されていたのか、原作同様に役立たず扱いされていたのかや、大規模工事用の強化型であるバルガGの有無も不明。同作の地球防衛軍は決戦兵器としてバラムを保有しているためか、軍用改修型のウォーバルガやストライクバルガも登場しない。
EDF5と比べると動きが鈍いという感触があるようだが、その剛腕は健在。
激戦の中で大きく破損してしまうものの、DLC「新たなるシカク」では複数のバラムで怪獣に対抗する作戦の「プランB」として修復されており、増援として投下されることでバラムとの超巨大人型ビークル共演も実現した。
地球防衛軍6
「スクロールバーを動かして本文に衝突させてください」
「つまり、ネタバレ注意ということだ」
あの民間人を援護しろ!
民間人に後れを取るわけにはいかない!行くぞ!
ギガンティックアンローダー・バルガ
EDF5からデジボクを挟んで堂々の続投。
タイムマシンを使った侵略者側の歴史改変に対抗するため、ストーム1とプロフェッサーも積極的な歴史改変に乗り出しことにより、プライマー襲来直後のベース228にて速攻で戦闘に投入された。
既に起動シークエンスを覚え込んでいたストーム1が手ずから起動したバルガは、ベース228に降り注いだ多数のテレポーションアンカーにその剛腕を振るい、あらゆる兵器が(当たり判定的にも)通じないはずのアンカー支柱部分を力ずくで叩き折り全て粉砕。これまでの歴史ならプライマーに制圧されてしまうはずの基地は見事に奪還された。
怪生物エルギヌスが出現した際には情報部に掛け合って再びの実戦投入が行われ、ストーム1の操縦により、従来とは比較人ならないほど早期にエルギヌスを撃破。「怪生物の再生能力を押し切って殴り殺せる兵器」として、これまでの歴史より遥かに先んじて有効性が認められ、EDF装備品としての増産改良が進められていく事となる。
前作における対アーケルス戦は情報部の発案であり、正規パイロットを欠くなど混乱の中で遂行されたが、今作ではプロフェッサーとストーム1が全てお膳立ての上で実施となった。
特に描写は無いが、今作ではただでさえ出番が少なく扱いも悪いアーケルスの方も出オチに近い形でバルガに殴り倒されてしまったと思われ、不憫さが加速している。
ベース228での起動成功には、前作で最初の侵略生物αに襲われ死亡してしまった「警備員の先輩」が深く関わっている。歴史改変により彼が生存し、搬出用リフトの起動コードを知っていたことから、ストーム1は地上で防衛戦に向かいリフトアップまで時間稼ぎをすることができた。
ファンの間では「丸腰だったストーム1を見逃し、先輩を狙ってしまった侵略生物αはEDF5におけるプライマー敗北の戦犯」とネタにされていたのだが、新たに「バルガの搬出を防ぐため、あえて先輩を襲った先見の明を持つ優秀な蟻」というネタに昇華されることとなった。
フォースター
「どけ!通行の邪魔だ!」
EDFが優勢となった時間軸において開発されたカスタム機体。胴体や肩などに青いパーソナルカラー塗装を施したウォーバルガである。
劇中ではエースパイロットであるダン少尉の機体が登場。フォースターを見た隊員が「あれはダン少尉だ!」と歓喜しているため、外見からすぐ判別できる彼の専用機だと思われる。
エネルギー残量を気にしながら戦うなど燃費は悪そうだが、凄まじい耐久力に加えて、コンボ攻撃を経ずにローリングパンチなどを繰り出せるため格闘能力はプレイヤー機を超える。
胸に並んだ模様がキルマークだとすれば、ダン少尉はこの機体で13体の怪生物を撃破したことが窺え、登場するミッションでも独力で3体のエルギヌスを撃破できる。
ダン少尉に限らず、NPCのバルガは攻撃動作が前作よりも多彩になっている。また、速成の未熟なパイロットまで投入されていた前作に比べてどのパイロットも落ち着いており、バルガが破壊された際には無事に脱出する描写が増えている。
以下、更なるネタバレ注意
アーマメントバルガ
同じくEDFが優勢となった時間軸にて開発された新型機。先進技術研究所の切り札とまで呼ばれる。
原型機に比べて頭部などに増加パーツがかぶせられた。肩には大ぶりな箱状のパーツが追加され、シルエットも大きく変化。この変化については「スーパーロボットっぽくなって良い」や「機能性が感じられない」など賛否両論。
とはいえ、もともと軍用で厳ついデザインや武装を持っていたバラムと異なり、「軍用ではない建設重機」だったバルガが本格的に武装化(armament)された姿は、巨大ロボットの強化型という、これまた男のロマンな展開であり、反応は概ね好評な様子。
武装化の呼び名どおり、最大の特徴は背部に搭載された超兵器カッパー砲。どのような原理なのかは触れられないが、地面を薙ぎ払うようにして放たれる巨大なビームは着弾地点に凄まじい爆発を起こし、直撃すればエルギヌスやアーケルスやサイレンといった怪生物すら一撃で倒してしまう。これまで怪生物の討伐に使われてきたEMC、バスター、チラン爆雷、そしてバルガの質量攻撃をも超える威力を見せる。
カッパー砲の発射シークエンスは、ポージングを決めたあと仁王立ちし、攻撃を受けようが構わず折り畳んでいた砲を展開して発射するという豪快なもので、ポーズを決めて爆発ビームを撃つ姿は
デジボク地球防衛軍におけるバラムのレーザータレットの発射シークエンスにも似ている。
カッパー砲は格闘と違い味方への当たり判定があるため、フレンドリーファイアには注意する必要がある(NPC機体のカッパー砲にはフレンドリーファイア判定なし)。
機動力が低い接近戦兵器であるバルガにわざわざ大型の砲を積んで前線に出す意味や、転倒しやすい超重量の人型ビークルに新型のビーム砲なんか積んで大丈夫なのか…といった疑問を呈するプレイヤーの声もちらほら上がっているが、そこは「ロマン」ということにしておこう。
カッパー砲の射程が短いので最前線まで持って行かないと当たらない…とか、巨体を動かすエンジンを積んだバルガはカッパー砲の動力源としても優秀だったのではないか…といった説も唱えられている。
余談
実は同じD3パブリッシャーのSIMPLEシリーズ出身である双葉理保の「THE 大美人」バージョンと全高がほぼ同じ。むしろ里保のほうが1m高い。
関連動画
(バラムでも似た様なネタ動画がある)
デジボク地球防衛軍では専用BGM扱いになっている。実はこのバージョンは厳密にはEDF5の本編で使われているものでは無く、一番上のPVで使われたものだったりする。
関連項目
鉄人28号…フォルム・内蔵火器が無い・基本的にパンチに類似点(オマージュ?)がある。ストライクバルガだと余計似ている。
ボスボロット…特にマーク1がカラーリングがそっくり。