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たつきショックの編集履歴

2023-05-02 14:27:36 バージョン

たつきショック

たつきしょっく

たつき監督が自身の降板を伝えたことに端を発した、メディアミックス作品『けものフレンズ』に関する一連の騒動のこと。

概要

2017年9月25日、アニメ「けものフレンズ」の監督たつき氏がツイートした発言、及びそれにまつわる一連の騒動に対する総称。「9.25けもフレ事件」、「たつき監督降板事件」等表記ゆれがあるが、pixiv上ではたつきショックタグの使用を推奨する。


発言の内容

突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です」※原文ママ


アニメ版『けものフレンズ』の第一期が大人気を博し、その監督を務めていたたつき氏によるこのツイートは極めて大きな衝撃と混乱を持って受け入れられ、瞬く間に波及。たつき氏の監督続投を求める声が続出し、一部の過激なファンによってWikipediaが荒らされた他、一時期カドカワに対する署名活動が発生した。


ちなみにカドカワとは2017年当時ではKADOKAWAグループの持ち株会社であるグループの会社の経営を管理する持株会社のことであり、出版事業、映像事業を行う株式会社KADOKAWAとはグループが同じであっても会社としては別である。つまりこのツイートはKFPに参加していない企業を名指ししてツイートしているということになる。


KFPからの公式発表

9月27日、公式サイトのニュースリリースより以下の発表がなされた。


「けものフレンズ」に関しまして、すでに新規映像化プロジェクトの制作を発表させていただいておりますが、発表当初より同体制での継続か、新体制での新たな表現かも合わせて検討中で、現時点においてもまだ何も決定していない状況です。そのような中、今年1月~3月に放送されたTVアニメーションと同様の体制を優先として、視聴者のご期待に沿えるべく調整をしておりましたが、アニメーション制作会社であるヤオヨロズ株式会社より8月に入った段階で辞退したい旨の話を受け、制作体制を一から模索することになっているのが現状です。「けものフレンズ」は動物ファーストの理念のもと、関わってくださったすべての方々の手によってゲーム、コミック、アニメ、舞台と展開して参りました。広く門戸を開放し、理念に賛同していただける方々のお力添えをいただき、世界を広げていきたい。そのために誰のものでもないプロジェクトとして、動物のための「けものフレンズ」として活動を重ねて参りました。しかし、アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。映像化プロジェクトとしては次回の制作を引き続きお願いしたかったため、情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したいとのお返事でございました。「けものフレンズ」の映像化プロジェクトに関しては、上記のような経緯で一部滞っておりますが、「けものフレンズプロジェクト」は今後も御協力をいただく皆様と共に作品を守り、ファンを守り、動物たちのことをもっと知ってもらう活動をこれからも初志貫徹、続けていく所存です。映像化に関しましても、改めて、そしてできるだけ早くご報告できるよう進めて参ります。今後とも様々な「けものフレンズプロジェクト」をよろしくお願いします。


要約すると、


  • ヤオヨロズ(たつき氏が作品契約という形で所属)側が8月に入った段階で辞退を申し出た
  • ヤオヨロズ側が関係各所への情報共有の連絡がないまま作品利用をしていたため、情報は事前に共有化して欲しい旨の正常化を図る申し入れをしたが、ヤオヨロズ側は情報共有の正常化という条件を受け入れられなかった

というものであり、ヤオヨロズ側の都合による辞退であることが判明した。


交渉開始

けものフレンズプロジェクト側の発表のしばらく後、10月3日にKADOKAWA代表取締役の井上伸一郎氏とヤオヨロズ取締役の福原慶匡氏により、以下のツイートが投稿された。


10月3日、KADOKAWA代表取締役の井上氏とヤオヨロズ取締役の福原氏により、以下のツイートが投稿された。


この発表により騒動は一時終息。たつき氏も変わらずアニメを作っていくことを宣言して、自身が無事であることを公表し、実際に2019年1月クールに「ケムリクサ」が放送された。


交渉結果

しかし12月27日、福原氏により以下のツイートが投下された。

この報告によりヤオヨロズの降板は確定、事態は変わることが無かった。


細谷氏によるコメント

また12月31日、ニコ生の年末生放送にてテレビ東京アニメPの細谷伸之氏による発表がなされた。


例の福原さんのツイートが出る前に、出演を決めていたので、さすがに逃げる訳にもいかずにですね、ちょっと今日、参りました。

いろいろ、公式から何もないみたいな事がありますが、ずっと、みなさんに楽しんでいただいたけものフレンズがですね、このタイミングで、このタイミングっていうか、夏以降からいろいろあって、非常に楽しい事が楽しくなくなってしまったなと、いう事がとても申し訳ないなと思っております。

我々としては当然、たつき監督はじめヤオヨロズさんの功績には非常に感謝をしておりますし、とてもたつき監督の2期を見たいなと、製作委員会一同もちろん思ってました。

で、そこはいやらしい話、ビジネス的にもそっちの方が絶対に上手くいくというのも分かっていたんですが、いろいろな事情があって、皆さんそこは、とてもお聞きになりたいとは思うんですけれど、 あの委員会は合議制でやってますので、誰がどうという事でも実はなくって、誰かが何かを言ったときに乗るか乗らないかという事がいろいろあって、それを突き詰めていくと逆に両方の個人攻撃にどうしても成らざるを得ないですし、

そこはちょっと我々としても本位ではないというところであまり…今日僕が委員会を代表して出て来ている訳ではないんですが、

えー…という事になりますので、ちょっと今回はいろいろと、ああいう福原さんからの発表がありましたが、我々としては9月の27日に出した声明が、今の我々の見解であるという事になります。

という事なので、この先ももちろん我々は…吉崎先生が作ってくれて、たつきさんが育ててくれたけものフレンズを、もっと、またみんなが楽しんでくれるような、コンテンツにしていくつもりで動いておりますので、この先も応援をしていただければなと、いう風に思っております。

これでご納得いただけないのは百も承知ではありますが、すいません今の僕にはこれしか言えないです。

みなさん、仰りたい事たくさんあるんでしょうが、残りを二人ゲストがいらっしゃるので、すごい楽しい話が聞けると思いますので、そちらを楽しんでいただければなと、いう風に思っております。


加えて自身のTwitter上にて

であると補足した。


細谷氏の説明によると、KFPとしては「ヤオヨロズ側が降板を申し出た」というのが公式見解であり、それはテレ東Pの立場としても変わらないが、一方で福原氏は「(意味も分からず)降板を宣言された」「要領を得ずに困惑している」と証言、双方の意見の食い違いが発生することになった。

  • ただし、両氏の発言はあくまでも個人の発言であること、KFP参加企業の中にはヤオヨロズの親会社であるジャストプロも含まれている点に留意する必要がある。

2018年カドカワ株主総会

参照元:外部リンク

株主総会にて何件か降板に関する質問があり、それについての回答を列記する。

  • KADOKAWAは製作委員会出資13社の1社に過ぎず、主導権はない。その上で各社に意見を窺ったが、最終的には制作会社との折り合いがつかず、全社一致で降板という決定に至った
  • たつき監督解任というより、制作会社が製作委員会の要望に必ずしもマッチしなかった。たつき監督のツイートの後、私と川上で一緒に制作会社に会って意見や要望をうかがった。製作委員会各社にも個別に話を聞いた。その上で合わないとなった
  • いろんな提案をしたが、監督降板というより制作体制の折り合いがつかなかった。もちろん、たつき監督のすばらしい才能と貢献には感謝している。第二期はまだ未定
  • KADOKAWAは批判の矢面に立たされたが、特にドワンゴとしては事故に巻き込まれたという認識。尽力したが意見の不一致を埋め合わせることができなかった
  • それを声高々に「僕たちは悪くない」と宣言するのも違うと思い、敢えて釈明はしなかった

またTwitter上にて、ドワンゴ執行役員(当時)の栗田氏が「たつき氏とカドカワに認識の違いがあったのか?」という質問に対して「その認識で合っています」と回答した。

9月27日の発表よりは踏み込んだ問答がなされたものの、“意見の不一致”について具体的な内容は一切明かされず(企業間の守秘義務があるため仕方のないことではあるが。これは栗田氏が「言えるなら株主総会で答えてる」と反応している)、騒動を終息させるには至らなかった。


降板の原因について

はっきりとした原因は現在も明かされていない。KFPとしては9月27日の見解が全てであり、KADOKAWAも「委員会とヤオヨロズの意見の不一致」が原因であると説明したがその内容は不明である。またヤオヨロズ側の説明は殆どなく、福原氏が「突然降板を宣言されたと認識している」とツイートした以外はこれといった否定も肯定もしていない。

一方で、ヤオヨロズという会社自体が

  • 福原Pが武勇伝として「いちいち確認を取ったらスピード感が無くなる」と語る
  • 12.1話を事後承認という形で楽曲の使用許諾を得た
  • コミティア及びコミケ(後者は吉崎氏の許諾有)でけものフレンズ関連の同人誌を出す

等、良く言えばフットワークの軽い、悪く言えば同人的な感覚が強い企業であり、脚本印税の件を含めて様々な認識の違いの積み重ねが最終的にヤオヨロズの降板、曳いては事実上所属しているたつき氏の降板に至ったという説が有力である。

一方でヤオヨロズという会社自体が

  • 福原Pが武勇伝として「いちいち確認を取ったらスピード感が無くなる」と語る
  • 12.1話を事後承認という形で楽曲の使用許諾を得た
  • コミティア及びコミケでけものフレンズ関連の同人誌を出す

(『きょうびのいろどり』。コミティアで頒布された初版時にはなかったがコミケで再度頒布された時にはKFPの特別許諾がクレジットされている

等、良く言えばフットワークの軽い、悪く言えば同人的な感覚が強い企業であり、脚本印税の件を含めて様々な認識の違いの積み重ねが最終的にヤオヨロズの辞退、ひいては事実上所属しているたつき氏の降板に至ったという説が有力である。


「情報共有や連絡がないままでの作品利用」は未だに不明である。

  • ばすてき:発表された後KFPに許諾を取っている。但し、公式声優などを用いた動画が2次創作と言えるのか、など、その許諾の範囲の認識に各人で齟齬があったという証言がいくつか確認できる。

福原P「12.1話について、話せることがあれば」たつき監督「公に喋れることはほとんどないですね」細谷P「やりたいとは聞いていたけど、音もなく、まあGIFアニメみたいなものかと思ったら……音声もあり、音響効果もあり、ダビングもされていて……何だコレと」


細谷P「ロイヤリティ取るぞ」(笑)福原P「これは同人です」「冗談で13話待機とかやってるじゃないですか。そしたら何か上がったというので、え、ほんとに?という感じだった」


「・12.1話について たつき監督から現段階で話せることがないとのこと 細谷Pは福原Pから「たつきがなんかやりたいらしいよ」とは聞いていたが内容までは聞いておらず当日まで知らなくて「せいぜいGIF画像かなんかちょろっとアップするぐらいだろ~」って思ってたら12.1話がアップされて本気でひっくり返った模様 細谷P「なんだよあれ…声までついてるし「しゃべった!?」って本気でビックリした…あんなのいつ撮ったんだよ…たつきこわい…」細谷P「あれこっちの許可取ってないからね!?なんなら権利関係の申し立てできるからね!?w」福原P「あれは商用じゃないから、同人です」12話の制作が終わった後、たつき監督がアニメーターは解放して作画監督と美術監督にだけ「もう1週間残ってくれ」と頼んで密かに作ったのが12.1話 作監と美監がたつき監督と十年来の付き合いがあるからこそ出来たたつき監督の我が儘で生まれた作品 小野早稀さん本宮佳奈さんも12.1話の存在を他のキャストにも話さずに秘密にしていたので細谷PもPPPメンバーもみんな当日の25:35になって初めて知ってひっくり返ったらしい」


なお、ばすてきは本放送終了後に作成した映像であるが、TV本編のモデルや声優を使用している時点で「同人」として扱うのは公式のガイドラインに違反している。

  • コミティア:著作権の譲渡契約は本放送分のみしか行わないのが普通なので、KFPが著作権を持っているのはあくまで本放送のみで、コミティアで出された没作画集はアニメ本編と無関係ではあるものの、公式の情報資料を同人感覚で出すのは著作権侵害にならずとも別の問題が生じる可能性がある。

そもそも、コミティアでは原作者自身以外の作品は2次創作扱いとなり、例外があるとは言え、2次創作部分は総ページの半分以下などの厳格なルールを守らなくては、販売できないはずである。

なぜコミティアで販売できたのか、長らく謎であったが、2021年に、CHOCO氏が自身のFGO本をコミティアで販売する際、条件、規約などを説明し、そのリプライで「当時、一部のコミティアスタッフは(どういう経緯でか不明だが)『irodoriがけものフレンズの原作者である』と認識し、販売許可を出していた」という証言が確認された。


没作画については著作者はirodoriメンバーとなり、コミティアの出版物の原作者はirodoriと考えるのであればKFPはそれを素直に言及すれば良いのではとも言われていたが、ばすてきの件も考えるとこの時点で公式が認知していないまま出版された可能性もあった。

けもフレ物扱ってるサークルが有るけどいいの?ってスタッフさんに聞いたら、「あそこ作者本人だから大丈夫よ」って回答があった記憶…


  • JAや日清とのコラボ:コラボ先から窓口を通して正式な契約を結んでいると声明が出された。

  • 第2期新ユニットオーディション台本の盗作

2018年9月2日、ユニットオーディションで使用される台本について、個人サイト「目指そう!声優」の管理者が同サイトで公開されているものと一致していることを指摘し、この台本は素材フリーとしているが著作権は放棄していないと宣言。その後、台本は内容が不適切だったとして取り下げられた。

この後、AGNの社長である加藤英治氏から

けものフレンズオーディションの件でご報告させて頂きます。

返信させて頂きます。

先程、先生に向けたつもりで呟いたツイートです。直接送らないと届かないとのご指摘を受け、お送りさせて頂きます。この度は大変ご迷惑をおかけしました。

とツイート。あかり先生側も応じ、両者間での和解をもって問題は終結した。


脚本費発言

2018年9月14日20:08たつき氏によるツイートが再び投下された。


台本無断使用のお話教えてもらいましたが、台本作者さんへの言及の無さに創作への蔑視が見えて…うーん…」「同じ文字まわりで脚本費全話と脚本印税いまだ1円もお支払いいただけてないんですよね。けもの。しんどいので忘れるようにしてたんですが、やっぱりこういうのも声をあげた方がいいのかなー…」(原文ママ)


ツイートの内容からして上記の台本盗用の件について言及しているのは明らかであるが、それにかける形で、「けものフレンズ1期の為に書いた脚本費・脚本印税が自身に1円も支払われていない」という内容の声を上げたのである。この発言はKFPが本来払うべき金をたつき氏に支払っていないという意味に取れ、そのセンセーショナルな予測に9.25と同様ネットは大きく反応し、ネットニュースでも即座に配信された。(ねとらぼ)(ライブドア)この時点ではネット上では「KFPがたつき氏に金を払っていない」という予測の声が大きく、KFPに対する判が展開された。が、後年では脚本料などの制作費は制作会社(=ヤオヨロズ)から支払われる流れである事が明かされているので、監督の発言が本当であればヤオヨロズが監督への支払いを滞らせている、という事にもなる。


9月15日、この件について細谷氏がTwitter上にコメントを発表。


製作委員会としてたつき監督を含んだヤオヨロズさんとの契約、発注なのでそこから先のお金の流れは我々にはなんとも言えないです。恐縮ですがこれ以上のことはお答えできません。すみません。


また、ヤオヨロズに参加していた経歴を持つアニメ監督、石ダテコー太郎氏も以下の内容をツイート。


一般的な脚本周りの報酬について皆さんにご共有。脚本費はアニメ制作会社からその話数にクレジットされた脚本家に支払われます。印税はパッケージならパッケージメーカーが、番販や再放送などの二次使用ならその各窓口会社が、これもクレジットされた脚本家に支払います。


2019年のテレビ東京株主総会でも、テレビ東京の株主総会にて株主からたつき監督の脚本費と脚本印税が未払いは下請法に違反しているのではないかという質疑に対して、テレビ東京の田村明彦氏は「脚本費と二次使用は契約書に則り支払いをしている」「交代については制作委員会の総意であり、アニメ業界ではままあることと認識している」と回答した。KFPは公式として一切の返答を行っていないが、細谷氏やテレビ東京は「適切に処置した」「契約に基づき支払いを行っている」とも回答している。ヤオヨロズ側も問い合わせを受けていたものの、責任者不在という理由により明確な回答は行われていない。また、この費用の呼び方は「脚本料」が本来一般的だが、何故か監督はこれを「脚本費」と称している点も含めて、監督は脚本に関する費用への知識に何かしら誤った認識を持っていたのではないかという声もある。上記の関係者や株式総会での発言により、たつき氏に何らかの誤解があるのではないかという声が上がり始め、次第に憶測(という名の中傷)合戦が発生する事態となった。

9月16日、たつき氏により以下のツイートが投下された。


台本無断使用の件、その後の進展教えていただきました。細部やタイミング等々えっ?と思うところあるのですが、一区切りして作者さんが納得されているならば良かったのと、こちらでふれる事ではなくなったかと思います」 「こちらの事もお騒がせしました。便乗になってしまいすみません。実状知っていただけたので、今後世の何かしらが良くなったり、似た事が起きる率が少しなり減ったならそれで…とも思います。もし何か動きありましたらご報告します+必要あれば詳細もご説明しますが、しばらく本懐の制作に集中します


台本盗用騒動において加藤氏による謝罪が行われている事と併せて本件も一応は幕引きとなった。しかし、本件に関する報告は現在もなされておらず、真相は不明である。また、本来ならたつき監督とは関係がないこの一件に監督が発言した理由も不明。これらに関してヤオヨロズ側も公式の声明や告発をしないままだったのも事実な為、どこからどこまでが真実なのかの判断が、外部の者からすれば極めて判断が難しくもある。さらにヤオヨロズはこれらに関する声明を一切出さないまま2020年に解散したので、当時の出来事について語られる可能性は限りなく低いものとなってしまった。


  • けものフレンズ2の炎上

上記の騒動の影響を多大に受けた結果、アニメ2期であるけものフレンズ2に対してもPVが公開された当時から批判の声が上がっていた。このうちニコニコ生放送では、2019年3月12日に配信された第9話の放送後アンケートにおいて、5段階評価のうち最高評価に相当する「とても良かった」が3%となり、公式アニメ配信でのワースト2位(当時)を記録した。

同じく第12話のアンケートにおいては「とても良かった」が2.6%、最低評価である「良くなかった」が95.3%となり、公式アニメ配信での最低記録となった(それまでのワーストは遊戯王ARC-V第148話の2.8%と94.2%)。

ただし、上記の数字はあくまでもニコニコ生放送の中での数字であり、あにてれなど別のサイトでの評価は概ね上記とは異なるものとなっている。


アニメ2期や制作会社、KFP関連企業、スタッフ等にここまでデマや誹謗中傷がまかり通り、また作品に対する極端な低評価が集まった理由の一つとして、アンチ側の主張ではけもフレ2の内容等が制作陣による1期ファン・制作陣に対する"悪意"で満ちているように感じたという感想がある。

1期と対照的な内容ゆえに「1期をとにかく潰したいという悪意を感じる」という声が一部で上がった。

当時は冷静な判断・分析による批評を下す意見が個人的な主観による多数の声に埋もれがちだったのもそのように捉えられていた原因の一つと言える。


同時に、放映時期が偶然重なったたつき・ヤオヨロズ側のオリジナルアニメケムリクサを賞賛する一方でけものフレンズを意図的に貶す過激なファンがいたり、けもフレ側のファンや絵師へ活動を止めるよう脅迫にも近い攻撃を繰り返していた事が問題視されている。

さらにはアンチ側の一方的な種間で「下痢便主人公」と断じたけもフレ2の主人公であるキュルルの画像をコラージュし、一見するとそういう風には見えないものの実態は原作へのリスペクトすらないヘイト創作であるけものフレンズRをも生み出した。


また、アニメ2期の制作を担当したトマソンにも一日に200件のメールや数十件の電話による問い合わせにより業務に支障が出ている事、さらに自身の名前を無断で様々なサービスへの登録に使われている事がトマソンの取締役でありまたけものフレンズ2では制作会社側のプロデューサーを務めた沼田心之介より語られており、外部からの妨害もアニメ制作に支障をきたしていた事が示唆されている。


中にはまとめサイトで集めた情報を頼りに評価を下す者(いわゆるネットイナゴ)も複数存在し、結果的にそれらの者達の声が大多数になった事によって擁護派の意見が捩じ伏せられていた事、また低評価に集中するよう一部の人間が悪意をもって計画していた事も指摘されており、さらにそこからの延長線として誤った情報を信じて作品叩きに便乗した人間も今なお多く、当時から数年経過した今でも炎上騒ぎを根幹とした真偽不明の情報の拡散や公式及びファンへの理不尽な攻撃が終息せずにいる。


4月15日、テレビ東京は同社の『けものフレンズ2』公式サイトにて、同社スタッフがSNSで「視聴者の方々を不快にさせる」不適切な投稿をした事を認め、謝罪するコメントを発表した。日本では発言を行ったスタッフの実名や不適切発言の具体的な内容は示されなかった(海外のギーク系ニュースサイトでは細谷氏の発言と報じており、実際に細谷氏はTwitter上で自身に届いた批判または中傷目的のリプライに対して相手の感情をさらに逆撫でしかねない返信をしていた)。

2019年4月25日、テレビ東京定例記者会見でライツビジネス本部長の川崎由紀夫氏は、細谷氏のSNS投稿に対して、同局が謝罪した問題で彼をアニメ以外の他の部署に異動させ、アニメ制作業務から退かせたが、社内処分ではなく定期異動の一環であると発表した。また、同本部長は細谷氏のSNS上での発言が、視聴者の意見を皮肉ったり、煽ったりしたものであり、不適切だったことを認め、宣伝するつもりが対応を誤ったということで反省している、と述べた。同局の小孫茂社長は、視聴者の意見に対しては常に真摯であるべきで、どのような反応を届けられたとしても、正面から受け止めなければならないとしている。


なお、2020年6月24日に細谷氏はテレビ東京を退職し、現在はアニメバーを経営している傍らアニメ関係の企画にも積極的に参加している。


  • ブルーレイ全巻購入特典の景品表示法違反の指摘

第2期ブルーレイ全巻購入特典の「全話一挙見ディスク」がプレゼントされることになっているが、ブルーレイ購入者が封入されたチラシの中に全話一挙見ディスクに1000円の手数料が必要と記載されていることを公表した。カドカワストアと松竹DVD倶楽部には手数料が必要との但し書きがなく、景品表示法違反が指摘されていた。6月7日に誤記を認め謝罪した。


pixivへの影響

これらの炎上による影響はpixivにも及んでおり、当該ツイートから広がった根拠のない憶測やけものフレンズ2の作風に対して批評の域を超えた中傷、さらにピクシブ百科事典における関連する記事でもヘイトに偏った編集が多く見られた。さらにpixiv本サイトでも、以下のようなアンチ・ヘイトや誹謗中傷を目的としたイラストが日常的に投稿されるという異常な状況が長らく続く事となった。


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2021年カドカワ株主総会

漫画家ピョコタン氏によるリポート(9:21~15:30)


数年にわたり、この件に関する質問が株主総会で繰り返し行われたが、この年の総会では、長時間にわたる要領を得ない質問内容が他株主からの不興を買い、氏から「他の多くの株主が集まる場で、自分のことだけを考えて、貴重な質問の機会を奪うべきでない」と苦言を呈されるに至った。
これを皮切りに、当時から活動していたKFPアンチの所業が騒動の詳細をあまり知らない層にも知れ渡る事となり、アンチや対立煽りの活動規模が少なからず収縮している。


炎上の要因

元々けものフレンズというプロジェクト(KFP)は、アニメ放送前から、ゲーム、舞台を交えたメディアミックスを計画していた企画であったが、アニメの完成が長期に及んだこともあり、放送を待たずして原作スマホゲームは終了、漫画版も放送中に連載終了したため、一部のブログなどの紹介により、アニメ放送による知名度の向上がなければマイナーなコンテンツとして終わっていたかもしれないシリーズであったかのように誤認されてしまった。

元々『けものフレンズ』はアニメの前にソシャゲーが存在した。しかし2015年3月に開始されたそれは、一年後に完全無料化となり、そしてアニメ放映直前である2016年12月にサービスを終了してしまった。これによってフレンズは帰るべき故郷を失った。もう生き残るためにはアニメとマンガしかないのである。


以上のような経緯もあり、当時は単純に「けものフレンズの魅力=たつき監督によって齎された、たつき監督に依存するもの」という認識を持つ人間が多かった。そのような層からすれば「たつき監督の降板による作風の変化はコンテンツの魅力の喪失に直結する重大事」と受け取られ、そうでない層からも「アニメから入った層が離れる」とコンテンツ自体の存続が危惧されることとなる。


更にアニメ二期の制作決定が発表されていたことと、たつき監督が「2」のロゴを含んだビジュアルを発表していたこととを合わせ、「二期もたつき監督が製作するもの」という意識は広く行き渡っていた。そこへ突然の降板発表であり、その落差もパニックを助長したと思われる。
こうした衝撃・驚愕はKFPに対する疑惑という形で爆発し、長く続く炎上の主原動力となった。


KFPの対応の遅れ

たつき氏が最初のツイートした直後にKFPがファンを落ち着かせるような対応を取っていれば、あるいはこの時点で「大きな認識の相違がある」ことを発信していれば、ファンに冷静な判断を促し、炎上も小規模ですんだ可能性が指摘される。しかし実際にKFPが発表を行ったのは上記のとおり2日後であり、「認識の相違」が明言されたのは2018年に入ってからである。KFP内での意思疎通など察すべき事情はあるものの、少なくともパニックに陥ったファンを落ち着かせるには遅すぎた対応と言えるだろう。


この間にファンのやり場のない感情ははけ口を求め、分かりやすい「悪者」を求めて「KFPという悪者がたつき監督をのけものにした」という無根拠な疑惑を固めてしまう。事実9/27の発表に対して、(KFPとたつき氏に意見対立があるのなら、双方の意見に矛盾が出たりするのは当たり前であるにもかかわらず)KFPの発表だけが一方的に怪文書のレッテルを貼られる結果となった。たつき監督降板の真実が明らかにならないだけにこの疑惑も付きまとい、炎上長期化の原因となっている。


また、対応の遅れとは関係ないが、この騒動の前後にKFPの信頼度を削ぐような事案も(一部真偽不明もあるが)多発している。構成会社であるKADOKAWAコンテンツ潰しとしての黒い噂や二期声優オーディションの台本盗用騒動などがそれにあたり、間接的に炎上の燃料になったのは間違いない。


KFPのように多数の企業が共同してプロジェクトを組織する方法は、リスクの分散や各企業が得意分野で活躍できる等のメリットを齎す反面、デメリットもあると目される。具体的には「一つの組織として行動する場合、一々企業間での情報共有・意思統一を行わなければならないため極めてフットワークが重くなる」「綱紀粛正が全体の隅々まで行き渡らない」等が予想される。前述したようなKFPの対応の遅れやインシデントの多発を見る限り、こういった組織体系の悪い面が事あるごとに出ているのではないかとの指摘もある。


ヤオヨロズ側の対応の問題

KFP側への動きに批判が集まりがちだが、対してたつき監督及びヤオヨロズからは、先述のように問い合わせに対して責任者不在を理由に騒動に関する回答が行われずじまいで、それ以前に事の発端となったツイートの数々も現状ハッキリとした証拠や続報がうやむやになったままの為、見方によってはヤオヨロズ側が事態の終息を放棄したようにも取れてしまう。実際、炎上がピークの時期にけもフレ側への過激な攻撃が繰り返されている中、たつき監督やその他関係者から過激なファンへの注意喚起が行われる事は一切ない状態だった。


その後の流れ

当時と比較すれば炎上はある程度落ち着いたものの、騒動から数年が経過した現在でも双方のファン同士の小競り合いが後を絶たない。特にKFPに対するアンチの活動は少数になったものの過激の一途を辿り続けており、当時放映されていたケムリクサやへんたつを賞賛する一方でけものフレンズを意図的に貶す過激なファンがいたり、けもフレ側のファンや絵師へ活動を止めるよう脅迫にも近い攻撃を繰り返していた事が問題視されている。後年にはけものフレンズの制作スタッフや作品に出演した声優への過度な誹謗中傷や殺害予告が原因で逮捕者も出るなど、完全な終息には未だ至っていない。さらに、当時のアンチ層が「あの時暴れていたのは真フレがなりすまし工作を行なっていた」と当時の出来事を隠蔽によって無かった事にしようとする動きも確認されており、まとめサイトを主に陰湿な手段での責任転嫁行為も後を絶たない。また、元プロデューサーの細谷氏は当時の騒動から執拗に攻撃を続けていた悪質な人物に対して法的な措置を取っている事もtwitterで語っており、目に見えていない所で過激思考のユーザーが未だモラルに欠ける行動を続けている事が示唆されている。ここまでアニメ史上最悪と言われるまでに荒れた本騒動だが、数年が経過した現在、KFPはけものフレンズ3などのゲームや「けものフレンズVぷろじぇくと」、そしてコロナ禍で頻度こそ減ったもののリアルイベントも精力的に行なわれており、派手さはないものの地道に活動を繰り広げている。一方のたつき監督は2021年末の「へんたつ大晦日特別編」において一度は「2023?」と劇場アニメ新作を匂わせたものの、2022年末の「へんたつ特技編」において続報は無くまだ具体的な動きは見られない。


関連タグ

けものフレンズ(アニメ) けものフレンズプロジェクト

テレビ東京 KADOKAWA

ヤオヨロズ株式会社

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