概要
隣玉高校に通う不良生徒で、不良グループのリーダー。舎弟たちからは「蛭谷さん」と呼ばれている。
下の名前は不明。
城之内克也の中学時代の旧友。
ネット上ではググると、城之内を工場に連れ去り拘束し、つるし上げにしてリンチした際の台詞「フフ…いい眺めだぜ城之内」が、背景を変えてネタにされている。
人物
長身で長髪を結び、凶悪な顔つきが特徴。原作では仏頂面だが、アニメ第一作では感情表現が豊かで顔つきも美形かつマイルドになっている。
中学時代に荒れていた城之内とつるんでいた過去があるが、城之内からしてみれば「利害関係の一致」にすぎず、心の底から仲が良かったわけではない様子。しかし彼曰く「中学時代は今ほど腐ってはいなかった」と評されている(過去に何か歪む原因があったのか城之内が人が良いせいで蛭谷の素性を見抜けていなかったのかは定かではない)。
高校に進学する際には、それぞれの道を行くために袂を分かち、自身は隣玉高校へ進学し、城之内は童実野高校に入学した。以来、城之内とは音信不通となっていた。
その間、非行をより重ねていた様子である。
目的のためなら舎弟たちを動員して多対一でリンチすることをはじめ、悪知恵を駆使して弱者を恐喝・脅迫してその弱みに付け込んで利用したりするなど、どんな卑怯で汚い手も使い、果てには殺人沙汰になりかねない行動もとる凶暴さを秘めている。もっとも、彼が起こした行動によって落命した者が示唆される描写はなかった。本気で命を奪おうとするような言動は恐喝のための「言葉のアヤ」にすぎない可能性がある。後述の城之内との対決では失明させかねない卑怯な手は使うも、気配を読まれて負けるなど増長しやすい気質の所為か詰めが甘く、城之内からは「猿山のボスになって喧嘩の腕前が鈍った」と酷評された。アニメでは顔に傷がついて激昂した場面がある。
喧嘩は強いにもかかわらず、仲間を引き連れて人数的有利を確保する手法に走っていた。城之内に敗北した後も性懲りもなく再度接触し、やられ役に成り下がった小悪党のギャグキャラクターと化してしまい、読者にもネタにされかねない位置づけになってしまった。
劇中での活躍
原作では二つのエピソードに登場する。
初登場のエピソードでは、勢力拡大を目論み、中学時代の喧嘩の腕前を見込んで城之内に自身のグループに入ることを強要する。
遊戯たちと過ごして姿勢が変わってきていた城之内は断るが、「仲間にならないなら童実野高校の城之内のクラスメイトに闇討ちをかける」と脅迫する卑劣な手段を用いて、やむを得ず城之内は武藤遊戯やクラスメイトを守るために仕方なく蛭谷らと共に非行に走ることとなる。
しかし、蛭谷の舎弟(ニット帽をかぶった眼鏡)が遊戯を一方的に傷付けたことで城之内は離反。制裁のため城之内を仲間と袋叩きにした上、スタンガンまで用いて気絶させるが、覚醒した闇遊戯にスタンガンを奪われて、蛭谷一派は罰ゲームを受けることになる。
その後も更生もせず、懲りずに城之内を仲間にしようと再度、遊戯と城之内の前に、(現実世界で当時ハイパーヨーヨーが流行っていたからか)ヨーヨーを武器にする小悪党となって姿を現す。
童実野高校の一般生徒である根津見を駆り立てて使いパシリにし、遊戯と城之内を手玉に取って、遊戯を捉えてを人質にするなど相変わらず悪辣な手を使う。
しかし、城之内が気合で救出した遊戯の策略によりヨーヨーの紐をハメた指ごとクレーンに上げられるという過激な仕打ちを受け自滅した。その際「指がちぎれる~!」という台詞は印象的であり、一部読者にもネタにされている。
一度は退けられたものの、しつこく遊戯と城之内を襲い、最終的に城之内とのタイマンでガラスの破片を城之内の眼にバラ撒くという卑劣な手段も用いたものの敗北。なお、負傷した城之内の眼は大事には至らなかったが、前のゲーセンの話で頬に切り傷が付き、カサブタ化して治癒する様子は描かれていった。
アニメ版(初代遊戯王)では、初登場の城之内へ脅迫を行った回とヨーヨーの回が合成された物語構成であった。
原作で『城之内をリンチのために吊るす』『不良たちの指をまとめて吊るす』といった有害な使われ方をしたクレーンは、城之内が本田と参加した中学時代の駅伝の地区大会に使った襷を引っかけて移動し、危機を逃れるといった有益な使い方をされている(別のWJ作品のハチマキ並に丈夫な襷である)。
演者について
初代遊戯王で蛭谷を受け持った石井康嗣氏は、後の『遊戯王デュエルモンスターズ』にて闇の仮面とレアハンターを演じた。
関連タグ
騒象寺、百済木……同種の不良だが、凶悪性は蛭谷には及ばない。
バンデット・キース、インセクター羽蛾、ダイナソー竜崎 、ゴースト骨塚…作中にて城之内と交戦し、汚い手段をも用いる同種のヴィラン。竜崎のみアニメ限定だがキャラ改悪で子悪党化し自分が落ちぶれたのを城之内と決めつける等、蛭谷を彷彿させる言動がかなり増えた(こちらは視聴者や読者から「原作ではそこまで非道ではなかった」と評されている)。