殺してやるぞミオリネ
らうだのやつあたり
概要
機動戦士ガンダム水星の魔女第21話『今、できることを』に関連したネタ。
同話のラストシーン、ラウダ・ニールの発言が元ネタになっている。
ガンダム・シュバルゼッテの前で怒りに震えるラウダが
「あいつのせいだ。」
「ペトラも 学園も」
「兄さんが変わったのも。」
と呟く。
ラウダの過去の発言から、視聴者が「きっとスレッタを恨んでいるんだろうなぁ」とか「話の流れ的に矛先はシャディクかな」と思った次のシーン、彼の口から飛び出た名は
「ミオリネ。」
であった。
この流れが宛らボボボーボ・ボーボボの「殺してやるぞ天の助」を思い起こすものだったため、シリアスで不穏な展開の締めでありながら上記のネタを知っている者からすればギャグのような構図になってしまい、放送直後からツイッターでトレンド入りする程になった事から、いくつかネタイラストが作成されている。
上記の通りあくまでネタであり、同じくラウダの台詞ネタである「墜ちろ!水星女!」とは違い、実際に「殺してやる」とラウダが発言したわけではないので注意されたし。
なぜミオリネなのか？
一見逆恨みのように思える言動だが、ラウダの持つ情報を精査すると必ずしもそうではない。
まず、ペトラが重症を負ったのはアーシアンのテロが原因だが、その引き金となったのがベネリットグループによるアーシアンの虐殺行為である。
これはミオリネが指揮したものであると(実態は異なるが)大々的に報道されており、ペトラや学園がテロに巻き込まれた原因をミオリネとするのは納得がいく。
また間接的にテロを引き起こしたとされるシャディクはシャディク隊とともに拘束され罰を受けることが決定しており、実際にテロを起こしペトラがいた建物を破壊したノレアは既にこの世を去っている。そもそもこれらの大元の原因であるプロスペラの暗躍と宇宙議会連合による陰謀を知らぬラウダからすれば、ラウダのやり場のない怒りをぶつける相手は、最早ミオリネぐらいしか残っていなかったのだろう。
一方グエルが変わった(父親のヴィム・ジェタークを殺害した)件についてはミオリネが直接的な原因となった描写は見られない。
グエルが大きく影響を受けたのは主にスレッタからであり、ミオリネがグエルの婚約者に戻ったのも父親を殺害した以降である。
スレッタについては以前は「お前が来てからは、おかしくなったんだ……! 何もかも!……水星女!!」と深い恨みを抱いていたが、彼女(と地球寮の面々)には〈ランブルリング〉にて負傷した際に助けられただけでなく、学園でのテロ時に瓦礫に潰されていたペトラを発見、救助したという義理がある（恐らく20話終盤でカミル・ケーシンクからその事実を知らせるかのような通話の際にペトラがスレッタに救助されたと言うくだりがラウダに知らされた可能性がある）。
ペトラ本人は意識不明の重体であるとはいえ、恩人であるスレッタをこれ以上恨むのは良くないと考えたのだろうか。
何よりラウダから見たスレッタの現状は18話での嫌味からして「（ラウダ自身もグエルの傍を奪われたと言う皮肉も含め）ミオリネに良いように使い捨てられた存在」というある種の同族嫌悪または同情の方が大きいだろう。
一方でグエル自体を恨むにも、元より尊敬する兄というだけでなく、グエルが復帰したことで責務から解放された反面、何もない自分に引け目を感じていたような描写があった。
そのため例え父を殺したといえども兄を恨むことは出来なかったと思われる。
そもそもラウダ自身、父に内緒で兄の退学の手続きを阻止していた為、少なからず父に反抗心があったのは確かであり、横暴な父の自業自得として割り切れたのかもしれない。
残るミオリネに対しては、ラウダの視点から見れば兄を巻き込んで騒動の引き金を引いたようにしか見えなかったため、これにグエルの変化の原因を押し付ける形で恨んでいるのだと思われるが、こちらに関してはやはり理不尽な恨みであると言わざるをえない。
以上によりラウダ視点で見ると、正当な部分もある反面逆恨みな部分もあるといえる。
尤も現在のアーシアンの虐殺に加担したと思い込みメンタルが弱ってるミオリネでは、ラウダの逆恨みも自分のせいと認めかねないと視聴者からは懸念されている。
