概要
初登場は『ドラゴンクエストⅡ』。
対象1グループを深い幻で包み、通常攻撃の命中率を低下させる弱体呪文である。その後の作品でも定番呪文として登場しており、後に同様の特技をプレイヤー側も使用可能になった事などから、「幻惑系」というカテゴリの代表格となる。例外の技もあるが、ステータス異常の表示はマヌーサの「マヌ」である事が多い。
発動時のビジュアルは紫~ピンクがかった煙のようなものが吹き出し、対象を包むというものである場合が多い。この事から、他作品でも色付きの煙による目眩ましなどが俗にマヌーサと呼ばれる事もある。
初登場だった『ドラゴンクエストⅡ』では敵の通常攻撃が苛烈な為、有益な呪文……かと思いきやその効果量は「命中率を約3/4にする」という焼け石に水程度のものであった。
続く『ドラゴンクエストⅢ』及びSスーパーファミコン版『ドラゴンクエストⅡ』では約1/2程度、『ドラゴンクエストⅣ』以降のナンバリング作品では約3/8程度の効果になっている事が多い。
なお、こちらが使う場合は敵の呪文耐性にも左右されるため、通常攻撃が強烈な敵に使おうと思ったらマヌーサへの強耐性持ちで通らない…という事もままあり、一方敵が使う場合はこちらの通常攻撃一辺倒のキャラはほとんど攻撃できなくなるなど(特技が登場して以後はだいぶマシになったとは言え)かなり厄介な呪文である。
なお、行動不能になるわけでなく、あくまで「通常攻撃の命中率が低下する」という限定的な効果であるためか、治療呪文が長らく存在しなかったのも特徴。
自然に効果が終わるのを待つか、わざと死んでから復活するなどの裏技的な方法でないと治療する事ができなかったが、『ドラゴンクエストⅩ』で「マヌーハ」という幻惑専用の治療呪文が登場し、続く『ドラゴンクエストⅪ』にも続投した。
また、スピンオフ作品である『ドラゴンクエスト〜勇者アベル伝説〜』には「レロハ」というオリジナル呪文が登場する。
前述の通り、「すなけむり」など、相手の目を潰すものが実質的なマヌーサ効果を持つ特技となっている。
「まぶしいひかり」も同様に通常攻撃の成功率を下げる効果だが、幻惑系とは別の特殊な状態異常となっており、持続が1~2ターンと非常に短く、幻惑系と同時に掛かる可能性がある。
これらの特技は敵が使ってくる事が多いものの、『ドラゴンクエストⅤ』以降の作品では味方が使う事も可能な上に消費MPが0、「マホカンタ」を貫通するなどマヌーサの完全上位互換となっている。
『ドラゴンクエストⅧ』では上の特技は一旦は無くなったものの、『ドラゴンクエストⅨ』及び3DS版『ドラゴンクエストⅧ』では再び同じ効果かつ消費MP0の特技「花ふぶき」が登場してしまっており、何かと不遇な作品が多い。
マヌーサに関連する小ネタとしてはSFC版『ドラゴンクエストⅡ』における「マヌーサ状態の敵に対してザラキを使うと必中になる」、通称「マヌーサザラキ」という裏技がある。なお、同作のザラキは厳密には「成功したら254ダメージを与える」処理をされており、それ以上のHPがある敵は即死する事はない(本来HP255以上の敵には「ザラキ」は効かないため、正常な動作ではこれで問題無い)。
しかしこの254ダメージを与えるというのも同作基準で見ると普通にぶっ壊れており、ラスボスのシドーですらHPが1750なので、一旦「マヌーサ」さえ入ってしまえば短期決戦で一気に撃破できてしまう。
一部では『るろうに剣心』の英語吹替え版の空耳としても知られる。