概要
他人の物や公共物をあたかも自分の所有物であるかのように振る舞う事を指す。
道路など、複数または不特定多数の人が共用することを想定している物の私的占有や、他の人の利用を妨害する行為などが私物化として非難される。たとえ私道であっても沿道の住民らの通行に供せられていれば、公共性のあるものとしての扱いを受け、所有者が勝手に道路を塞ぐなどの行為は「私物化」として咎められることもある。
ピクシブ百科事典の私物化
特定の記事を単独のユーザーが独占しているような状態。ピクシブ百科事典は「みんなでつくる百科辞典」を謳っており、公式の示したガイドラインでも「ご自身の考えのみを押し通すような主張や、一方的に記事の編集を繰り返すことはお控えください。」としている。
また上記のガイドラインでは、禁止行為として「共通規約又は本ガイドラインに違反しない記事等をみだりに消去する行為」「他者の記事等を必要以上に何度も編集するなど、過剰な記事編集を繰り返す行為」を挙げており、既存の記述の大幅な改変・削除を行うユーザーは「記事を私物化している」と言われやすい。ただし、ピクシブ百科事典はユアペディアのような先編集主義(初版を投稿した人の主張を常に優先すること)を採用していないので、既存の記述を初版投稿者の意に沿わない形で書き換えること自体は規約違反ではない。
上記は他のインターネット百科事典にもまま見られる問題だが、ピクシブ百科事典の特有の「私物化」行為として、特定のメイン画像の設定に固執する行為がある。
また、ピクシブ百科事典では自作のイラストをメイン画像に設定したり記事内に掲載するなどの行為は自演編集として差し戻されることが多いが、記事を自作の宣伝目的に利用する「私物化」とみなされるためである。
- しかし、共通規約及びガイドラインでは自演編集を明示的に禁じてはいない。
よく勘違いされる例
- 無断転載、虚偽の内容、無関係なこじつけ、誹謗中傷などの問題のある記述に対する(正当な理由を提示しながらの)削除・差し戻し
- 同じ記事に同一ユーザーが頻繁に編集を繰り返す行為。ピクシブ百科事典はガイドラインで「過剰な頻度での記事の投稿・編集」を禁じているが「本サービスのサーバーに負担をかける」を理由にしており、この行為自体が私物化に当たるとはしていない。
- 「同じ人が立て続けに編集している」という状態は、記事の扱う内容の認知度が低い、古い対象作品に多いがブームを過ぎているために編集者の数自体が少ない、ニッチな話題を扱っており編集できる人が少ない、内容の真偽の確認が簡単ではない、などの可能性がある。
注意
- 上記の通り、ピクシブ百科事典では先編集主義を採用していないため、記事の作成者や古くからある記述を大幅に書き換えることは「禁止はされていない」。しかし、やはり推奨されるべきでない。
- 理由としては、その様な大幅な記事の変更は反感を買いやすく(本サイトに限らず普遍的な現象である)、当事者同士での諍いや編集合戦に発展するケースが目立つ。そして、「サーバーに負担をかける行為の禁止」というルールを把握していないユーザーも非常に多いため、編集合戦に関与した双方のユーザーによって、結果的にサーバーに負担がかかるからである。
- 記事が新たに大きく変更された場合、たとえ内容自体にそこまで大差がなくても、「自分の書いた表現や言い回し」を消されたことで怒りを覚えるユーザーも見られる。一見すると価値の低い様な内容でも、それを書いた本人にとってはそうではないのである。
- このような諍いを避けるためには、古い記述に明確な問題がない限りはリスペクトを払い、(賛否両論こそあれど)削除主義寄りの編集姿勢よりは包摂主義寄りの編集姿勢の方が角が立ちにくいと言えよう。概して「他者の編集内容を活かす」事を念頭に置くべきなのかもしれない。
- 「他の記事との内容の重複」を整理する場合でも、どちらかの記事から内容を削除する場合には、もう一方の記事(内容を残す側)との文章を統合して調節したり、履歴に必ずその旨を記す事で、反感を買う可能性を減らす事が可能であると思われる。
- 「私物化」がどういう状態を指すのかは個人の解釈によって異なるため、編集合戦が発生した際には「自分と対立する者の編集=私物化」という思考をどちらも持つ可能性があるので注意が必要である。中には、「直接自分とはやり取りをしていないが、そのユーザーが気に入らないから」という理由で第三者がどちらかに便乗して「私物化」というレッテルを貼る可能性もある。
- つまり、本来は問題のあるユーザーの言動を諫めるための注意喚起であるはずのキーワードが、他者を攻撃するためのツールとして使用されてしまうケースもあるということである。
その他の解決策
- 現在、ピクシブ百科事典に限らず、インターネット上には複数の集合知型の百科事典が存在する。そのため、対立を解決するために他のウェブサイトとの棲み分けや、場合によっては移住をするという手もある。
- 実際、その様な理由で立ち上げられた大手事典型ウェブサイトも少なくなく、ピクシブ百科事典にも同様の理由で加入したユーザーもいると思われる。
- 候補先としては、アニヲタWiki、ファンダム(ウィキア)、その他の Wiki型のウェブサイトなどが挙げられる。とくにファンダム(ウィキア)は、日本国内では非常に知名度が低いものの、グローバルな視点で見るとファンダム(ウィキア)こそが主流である。実際に、日本語版のウィキペディアに漫画やアニメなどのキャラクターの解説などが非常に多いのに対して、海外版ではその様な内容が逆に非常に少ないのはファンダム(ウィキア)が主に利用されているからである。
- そのため、ファンダム(ウィキア)があるために日本初の作品なのに海外の方が情報が豊富である事が少なくない。また、過去にウィキペディアなどで削除が決定されて消失した内容を復元するためにファンダム(ウィキア)を立ち上げるという事例も存在する。