概要
水生カメムシとは、カメムシの内、水辺や水面、水中で暮らす種の総称である。
分類ではなく生態に基づいたカテゴリーであるため、別々の系統由来のカメムシが含まれる。言い換えれば、カメムシのうち水生化が複数回に収斂進化した。見た目もカメムシの共通点以外バラバラである(強いて言えば水中で暮らす種類は触角が退化的で目立たない傾向がある)。
タガメ、ミズカマキリ、タイコウチ、マツモムシ、アメンボなどの著名な種もいるが、コバンムシ、ナベブタムシ、メミズムシ、ミズカメムシなどの一般的には知名度が低い種も多い。
河川や湖沼、水田地帯に多くの種が見られるが、中にはウミアメンボなど、昆虫としては珍しく海に生息する種も存在する。
ほとんどの種が肉食で、他の昆虫や甲殻類、小魚やオタマジャクシなどを捕獲し、針のような口吻から消化液を体内に注入、中身を溶かして吸い取る。
カメムシなので危険を感じると匂いを出す。タガメはフルーティーな香りで、アメンボは飴のような甘い香りがする。
主な種類
- タイコウチ
- ミズカマキリ
- タガメ
- コオイムシ
- メミズムシ
- アシブトメミズムシ
- コミズムシ
- アマミコチビミズムシ
- コバンムシ
- ナベブタムシ
- マツモムシ
- マルミズムシ
- エグリタマミズムシ
- アメンボ
- シマアメンボ
- ウミアメンボ
- ケシカタビロアメンボ
- サンゴアメンボ
- イトアメンボ
- ケシミズカメムシ
- ミズカメムシ
- ミズギワカメムシ
- サンゴカメムシ
下位分類
タイコウチ下目 Nepomorpha
タイコウチ上科 Nepoidea
タイコウチ科 Nepidae
など
コオイムシ科 Belostomatidae
など
メミズムシ上科 Ochteroidea
メミズムシ科 Ochteridae
など
アシブトメミズムシ科 Gelastocoridae
など
ミズムシ上科 Corixidae
ミズムシ科 Corixidae
など
コバンムシ上科 Naucoroidea
コバンムシ科 Naucoridae
など
ナベブタムシ上科 Superfamily
ナベブタムシ科 Aphelocheiridae
など
Potamocoridae科
日本には分布しない
マツモムシ上科 Notonectoidea
マツモムシ科 Notonectidae
など
マルミズムシ科 Pleidae
など
タマミズムシ科 Helotrephidae
など
アメンボ下目 Gerromorpha
アメンボ上科 Gerroidea
アメンボ科 Gerridae
- アメンボ (ナミアメンボ)
- ナガサキアメンボ
- コセアカアメンボ
- ヒメアメンボ
- ハネナシアメンボ
- トガリアメンボ (外来種)
- オオアメンボ
- エサキアメンボ
- セスジアメンボ
- トゲアシアメンボ
- シマアメンボ
- シオアメンボ
- ウミアメンボ
- ツヤウミアメンボ
カタビロアメンボ科 Veliidae
- ケシカタビロアメンボ
- ホルバートケシカタビロアメンボ
- マダラケシカタビロアメンボ
- チャイロケシカタビロアメンボ
- ケシウミアメンボ
- ナガレカタビロアメンボ
- オヨギカタビロアメンボ
- ヒゲナガカタビロアメンボ
- アシブトカタビロアメンボ
など
サンゴアメンボ科 Hermatobatidae
など
イトアメンボ上科 Hydrometroidea
イトアメンボ科 Hydrometridae
など
Macroveliidae科
日本には分布しない
Paraphynovellidae科
日本には分布しない
ケシミズカメムシ上科 Hebroidea
ケシミズカメムシ科 Hebridae
など
ミズカメムシ上科 Mesovelioidea
ミズカメムシ科 Mesoveliidae
など
ミズギワカメムシ下目 Leptopodomorpha
ミズギワカメムシ上科 Saldoidea
ミズギワカメムシ科 Saldidae
など
アラメカメムシ上科 Leptopodoidea上科
サンゴカメムシ科 Omaniidae
など
Aepophilidae科
日本には分布しない