道教における究極の目標
道教の不滅の真理である、道(タオ)を体現する。
全知全能の人=仙人
人里離れた秘境に住み凡人では想像もできないような鍛錬の末に不老長寿になり、
あるゆる秘術を扱うことができるようになった人間を超えた人間。
道教などでは神々より位は上である。
封神演義など古代中国書物を中心に多くの作品で取り扱われる存在で、たまに下界にやってきては現世にちょっかいをかけてゆく。
現代の日本に広まっている一般的な仙人のイメージは、頭が丸くて大きく、白ひげが垂れ下がり、ゆったりした衣を纏い、杖を手にして、雲に乗っている老人像だろう。
一方で女仙は、若く美しい女性の姿が多い。
比喩表現の「仙人」
上記の仙人から転じて、まるで仙人であるかのように、無欲で世事に疎い人を指す。
東方projectにおける仙人
作品集の中の東方茨歌仙と東方神霊廟では特に、仙人をメイン題材として扱っている。
キャラクターは、茨華仙(茨木華扇)、霍青娥(青娥娘々)(邪仙)、物部布都(尸解仙)、豊聡耳神子(尸解仙)が該当。皆対外的には「仙人」と呼ばれている。
基本は、上記の仙人を踏襲した存在。
道教等の修業や秘術によって寿命を数百~数千年に伸ばした不老長寿の人間を指す。
老人の外見をした者が多い。
超人的な力を身に付けており、妖怪に匹敵するかそれ以上の力を持っている。
仙術や方術を駆使して隠居しながら気楽に生活している。たまに俗世にちょっかいを掛けてくる。
人間からは変人扱いされる。が、俗世と関わりを持つ仙人の中には人間の味方をする者が居るので、妖怪に襲われている時の人間はそんな仙人を安心して頼る事ができる。新たに仙人候補が現れると雑用係も兼ねた弟子入りを積極的にさせ独り立ちできるまで面倒を見てくれる、と噂されている。実際仙人の超人力を求めて弟子入り志願してきた人間を受け入れてくれる仙人も居るが、そのほとんどは小間使いか使いっぱしり扱いに留まっている。ほとんどの仙人が自分の為だけに力を使うので、他人に力を教える必要が無いからだ。
仙人同士の繋がりは深い、らしい。
仙人の住居は、俗世との関わりを断つ為かその殆どが通常の世界から隔絶されている。例を挙げると、1つ目は仙郷と呼ばれる別世界をこの世の隙間に作り出し、普段はそこで生活。その空間を逆にどこにでも繋げてどこからでも現れる神出鬼没型。2つ目は、俗世の定まった場所に住居を作るが、そこへ通じる道を方術によって隠し正しい道順を辿らないと辿り着けなくする型等。なので普通の生物が侵入を試みるのは非常に難しい。
仙人は霞が主食だと言い伝えられている通り、実際に仙人は空中に漂う霞を食べるが、霞ばかりを食べて暮らしているわけでは無い。その辺で購入できるらしく、流通価格は比較的高値である様子。(求聞口授より) 修業の内容には穀断ちのような食事制限が多いはずだが、どうやら酒や嗜好品(普通の料理、菓子)を日常的に口にする事は可能であるらしい。(茨歌仙、求聞口授より)
その実態は、天人に憧れ、天人になるために修行を積んでいる天人モドキ。
厳密には未だ人間であり、一日の大半を修行に費やすことによって不老長寿の体と数々の秘術を手に入れた。だが欲を捨てきれていないせいか悟りが開けず、天人になれない。
仙人の肉は妖怪のクラス(強さ)を上げる効果があり(妖獣になるには他にも僧などの修行を積んだ徳のある人間を食べ過ぎるとなる。)、とても美味だとして多くの妖怪から日々狙われている。逆に天人の肉は妖怪にとって猛毒である。
さらに、修行を怠るとすぐに体が維持できなくなってしまう。
何よりも、仙人にとって最も大きな試練にして仕事。それは百年に一度くらいの頻度で地獄から来る死神のお迎えである。生き過ぎた人間を殺すべく攻撃を仕掛けてくる死神に負けると、即死んでしまう。死神の到来からは決して逃げられないが、戦いに打ち勝てば次のお迎えまで寿命を保つことができる。なので、寿命を延ばすためには抗う力を付けなければならない。心の隙を突いた不思議な精神攻撃が主体。仙人は打ち勝ってきた者ばかりなので死神からは嫌われている。
……という具合に、仙人になるのは、正直あまり良い事では無い。
千年も仙人を続ければ、やがて天人や神仙に成れるらしいが。ちなみに、天人にも死神のお迎えは来る。天人も不老不死では無い。
作品内で登場した分類上の種族は、
「邪仙」(仙人でありながら仙道から外れていると天から認定され、邪気を持った仙人)
「尸解仙」(死んだフリや、実際に体を滅ぼして剣などの物に魂を移し人間体に変化させる等して、世間から一度死に、再び現世に蘇る術を使い仙人になった人間。手軽だが、死後の気配が体に付いてしまう。)