概要
ゲーム『ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF RUBICON』に登場する企業「大豊核心工業集団」の公式マスコットキャラクターという設定の二次創作キャラクター。
同社が掲げるコンセプト「樹大枝細」(中心たるコアは大きく、他は最小限に)を超解釈した傭兵たちが生み出してしまった架空の看板娘である。
ビジュアルは描き手によって異なるが、「樹大枝細」は概ねワガママボディな中華美少女として表現される傾向にあり、企業ロゴに用いられている芥子色や赤色が反映される事が多い。大豊娘娘は毎年あるいはイベントごとに抜擢されるキャンペーンガールであるという解釈も産まれており、その姿形はしばしば変遷する。
「娘娘」は中国語で貴婦人や女神に対して使われる尊称であり、企業の繁栄を願って生み出されたであろうキャラクターへのネーミングとしては申し分ない。
企業としてはベイラムグループの一勢力である大豊が、キャラクターコンテンツではアーキバス社すら下して売り上げトップを独走しているという設定も持ち上がり、何とも奇妙な立ち位置を得ている。
また、現在の路線になる以前に活躍していた「マスコット時代の大豊娘娘」に思いを馳せたり、企画会議の様子を勝手に補完したり(清渓川構文よろしく樹大枝細の社訓に反する意見を述べた社員が処分されるという内情を描いた二次創作も多く見られる)、企業主催のイベントでカメラに囲まれる大豊娘娘の衣装をまとったコンパニオンのお姉さんたちを幻視したりと、派生する幻覚もユニーク寄り。
中には、大豊製AC「天槍」の頭部パーツが控えめな性能である事に因んで、実はアホの子という業の深さを感じさせる概念もあるとか。
ファンアートの多くはイラストの形態だが、中にはVHS画質のCMを“発掘”してくる剛の者も。
誕生の経緯
ゲーム『ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF RUBICON』に登場する企業のマスコットキャラクターを考案し始めた傭兵たちのお遊びがネットミームと化し、先陣を切ったアーキ坊やや対抗勢力ベイ太郎に次いで生み出された、あくまでもファンメイドの大豊社イメージキャラクターである。
アーキ坊やが点けた炎は爆発的に燃え広がり、『AC』シリーズでも前代未聞の作中企業のマスコットキャラクターを創造するというムーブメントは瞬く間にコミュニティへと浸透、活発な議論が交わされるようになった。
着ぐるみタイプのアーキ坊やと残念系ゆるキャラのベイ太郎が場外乱闘を始める一方で、大豊のマスコットキャラクターの方向性として提案されたのが、「樹大枝細」を体現したボンッキュッボンなチャイナっ娘という萌え路線である。可能なかぎり発信源を辿ると、とあるユーザーがしたためたメモと、それをヒントに他のユーザーが描き起こしたビジュアルに行き着くことができる。
同じ土俵で競う事なくマスコットガールというフィールドへ斬り込んだ「大豊娘娘」はマスコット第3勢力へと踊り出し、先んじて二次創作界隈を賑わせていたエアやオールマインドの美少女化ファンアート路線に、にわかに勃興した企業キャラブームの勢いを上乗せした独自のコンテンツへと急成長を遂げ、困惑する傭兵たちに新たな衝撃を伴って迎えられた。
大豊核心工業集団について
ベイラム傘下の星外系企業の1つであり、重量タンク脚や大型グレネード、ガトリングといったガチタン御用達の重量級のパーツを製造している。企業名から元は中国系である事がうかがえる。
重量級パーツに強い拘りを見せ、どっしりとした作りのコアと身軽な印象の手足を持つ重量AC「天槍」を生産している(手足を重厚に作るとその重さで機体が振り回され、姿勢制御に影響を及ぼすといったデメリットが考えられる)。
2脚パーツなどはすっきりした膝下に比べて大腿部が太ましい作りになっており、コア(上体)との接続部分が見事にくびれているため、大豊娘娘を“天槍の擬人化”と捉えるのもあながち間違いではない。そこに「樹大枝細」の精神さえ込められていれば、鋼鉄のロボットも萌えマスコットも同じ場所に辿り着くのだ。
天槍そのものに不埒な感情を抱き始めた場合は、少し冷静になった方が良いかもしれないが……。