概要
清渓川とは韓国にある川である。
韓国の首都であるソウル市内の観光地の非常に浅い川で、全長は10.92km。
仁王山(イナンサン)を源流とし、ソウルの中心部を東に流れ、城東区の沙斤洞(サグンドン)、松亭洞(ソンジョンドン)、聖水洞(ソンスドン)の境界で第1支流である中浪川(チュンナンチョン)と合流し、その後漢江(ハンガン)に合流する。
李氏朝鮮の時代から生活排水などとして使われ、ソウル市民たちの生活を支えた非常に歴史ある川となっている。
1971年、暗渠化されその上に高速道路が建設されたが、2000年代になって市民からの要望により高速道路を撤去し復元。
一度暗渠化した首都の河川を復元する工事は当然ながら大規模プロジェクトであり、当時は賛否両面で多くの議論が生じた。
ひとたび工事が始まると、地下鉄トンネル内からの地下水を放出するなどして水質を改善し、川底がはっきり見える程に透き通る美しい川へと生まれ変わった。
環境に配慮した工法によって生態系も回復し、整備前は98種だった動植物が工事後の調査では788種と大幅に増加した。
上流から順に歴史・文化、遊び・教育、自然・生態をテーマにブロック分けがされており、それぞれにふさわしいモニュメントなどが用意されている。
現在の清渓川はソウル市民の憩いの場として機能しており、川沿いに座るカップルや水遊びをする子供達、散歩する市民や観光客等で賑わっている。
韓国ドラマの撮影地としても利用されており、夜には中流域でライトアップも実施されている。
後知恵で語る限りにおいては、公共のプロジェクトとして「大成功」であったと評価されるべきだろう。
この清渓川復元工事はテレビ朝日で放送された番組「素敵な宇宙船地球号」でも取り上げられ、日本で進められている日本橋付近の首都高速道路の地下化などにも影響を与えている。
都市開発と自然環境のバランスを考える上で重要なモデルケースとなるプロジェクトであったと言えよう。
なお、着工当時のソウル特別市長はイ・ミョンバク。後の大韓民国第17代大統領である。
(ただし、韓国におけるソウル市長の政治的地位は日本でいう東京都知事と同等またはそれ以上、行政の長に限りなく近いポストである。ソウル市長→大統領はそれほど大出世というわけではない)
清渓川の仲間たち
少し水深が深くなる下流域のビオトープエリアを中心に動植物788種の生息が確認されており、なんと近年絶滅が危惧されるカワウソの生息も確認された。
貴方もソウルに行ったら清渓川を覗いて見ては?
※環境保護の為、ペット等の放流・放出や耕作、野生生物の採集、釣り、餌付け等は禁止されています。
哺乳類
など
鳥
- チョウゲンボウ
- ウミネコ
- カワウ
- カイツブリ
- オシドリ
- マガモ
- カルガモ
- カワアイサ
- アオサギ
- ダイサギ
- チュウダイサギ
- チュウサギ
- コサギ
- ゴイサギ
- カワセミ
- イソシギ
- ドバト/カワラバト(外来種)
- キジバト
- スズメ
- ヒヨドリ
- ツバメ
- ジョウビタキ
- シジュウカラ
- コガラ
- ダルマエナガ
- ハクセキレイ
- カササギ
- ハシブトガラス
など
爬虫類
など
両生類
など
魚
- コイ(外来種)
- 金魚(外来種)
- フナ
- コイフナ(外来種)
- ウエキゼニタナゴ
- チョウセントゲタナゴ
- チョウセンイチモンジタナゴ
- ウグイ
- コウライタカハヤ
- オイカワ
- カワムツ(外来種)
- コウライカワムツ(国内外来種)
- カワヒラ
- カマツカ
- モツゴ
- ムギツク
- コウライニゴイ
- ズナガニゴイ
- コウライモロコ
- コウライデメモロコ
- ホソモロコ
- シマモロコ
- ドジョウ
- カラドジョウ(国内外来種)
- コウライシマドジョウ
- ナマズ(国内外来種)
- ヨシノボリの一種
- ヌマチチブ
- セマダラドンコ
- ブラックバス(外来種)
- ブルーギル(外来種)
- カムルチー/雷魚
など
甲殻類
など
昆虫
など
植物
自然再生の為に植栽した157種と自生する314種の合わせて471種。
水際には主に韓国の在来樹木や雑草が植栽されている。
- ショウブ
- オニユリ(植栽)
- キショウブ(外来種)
- タマノカンザシ/ギボウシ(植栽)
- スゲの一種
- オギ(植栽)
- ツルヨシ(植栽)
- ススキ(植栽)
- エノコログサ
- アキノエノコログサ
- チガヤ(植栽)
- カヤの仲間
- チカラシバ/ナギ
- ヒメリュウキンカ(外来種)
- ムラサキケマン
- クサノオウ
- アメリカスミレサイシン(外来種)
- チョウセンネコヤナギ(植栽)
- アカメガシワ
- ネムノキ(植栽)
- フジ(植栽)
- バラ(植栽)
- ノイバラ
- ウメ(植栽)
- リンゴ(植栽)
- クマイチゴ(植栽)
- ホザキシモツケ(植栽)
- ユキヤナギ(植栽)
- ホザキナナカマド(植栽)
- 桑(植栽)
- ナズナ
- マメグンバイナズナ(外来種)
- ムラサキハナナ
- 菜の花(植栽)
- ムクゲ(植栽)
- ヤマブドウ
- タンチョウソウ/イワヤツデ(植栽)
- オオバコ
- スイバ
- ギシギシ
- オオイヌタデ
- ミゾソバ(植栽)
- メハジキ
- ムラサキシキブ(植栽)
- ハコべ
- ミズキ(植栽)
- サンシュユ(植栽)
- カラムラサキツツジ(植栽)
- ヤエムグラ
- ガガイモ
- ヒトツバタゴ/ナンジャモンジャの木(植栽)
- チョウセンレンギョウ(植栽)
- ノウゼンカズラ(植栽)
- マルバアサガオ(外来種)
- ペチュニア(植栽)
- アイビー/セイヨウキヅタ(植栽)
- ヤマギク(植栽)
- アワコガネギク(植栽)
- ヒメジョオン(外来種)
- ヒメムカシヨモギ(外来種)
- ヨメナ
- タンポポ
- オニタビラコ
- コバノガマズミ(植栽)
- ウィローモス
など
その他生物
……ここまでの内容が真面目な説明であるが、「清渓川」の名前は2020年代前半における日韓サブカルチャーにおいてまったく異なった文脈で用いられ始めており…。
清渓川キム・ヨンハ構文
この清渓川、首都の中心部を流れているとはいえ日々目にする現地の市民にとってはごく普通のせせらぎなのだが、日本の一部の層からはネットミームとして圧倒的な知名度を誇る。
それはひとえに、ネット上で見られる清渓川キム・ヨンハ構文という怪文書の影響が大きい。
キム・ヨンハとは、韓国のゲームクリエイターで、日本でも大人気のゲーム『ブルーアーカイブ』の統括プロデューサー。
このキム・ヨンハ。ネットではブルーアーカイブの全権を握る無慈悲な独裁者「偉大なるキム・ヨンハ統括P」として、非透明主義(後述)的な発言をした部下や失態を犯した部下を清渓川に突き落として処刑するというキャラ付けがなされている。
そしてこの清渓川にはピラニアや人喰いズワイガニ、黒豹などが生息しているとされ、突き落とされた人間を容赦なく貪り食らうのだそうな。
今日も清渓川には、ブルーアーカイブが掲げる「透き通った世界観」に反する(非透明主義的な)発言をしたNEXON社員や日和見主義に走ったNEXON社員が沈められている。
なお、構文によっては自らの過ちに気づいたキム・ヨンハ統括P自身が清渓川に身を投げることもある。
この場合
- 清渓川は真に透明な心を持った者には牙を剥かないため、キム・ヨンハ統括Pは無傷
- キム・ヨンハ統括Pは強いので、ピラニアや人喰いズワイガニを全部返り討ちにする
の2パターンのどちらかでキム・ヨンハ統括Pは生還する。
また、キム・ヨンハ統括Pはコミックマーケット101にも参戦し、自らブルーアーカイブの同人誌を買い集めていた。
この情報が出回った際、ネット上にはキム・ヨンハ統括Pが有明に固有領域がごとく出張版清渓川を展開するという構文が出現。
同人誌を転売して荒稼ぎをたくらむ転売ヤーがピラニアの餌食となった。
時はメインストーリー対策委員会編3章Part4が更新された2024年7月17日。
同日の清渓川は豪雨の影響によって一部が氾濫する程増水し、濁流と化していたのだが、それを知った先生(プレイヤー)達からは「最新ストーリーを読んだ先生達の情緒と清渓川が連動して荒れ狂っている」「先生の涙が清渓川を氾濫させた」「清渓川が3章を見て怒り狂っている」「3章の展開のせいで清渓川が反転して清渓川*テラーになった」「本当にピラニアがいて沈められそうな見た目になった」などとネタにされていた。
ちなみに清渓川は上記の通り観光地のど真ん中にあり、さらにうつ伏せにでもならなければ溺れるのも難しいほど浅い川である※1。あとそもそもの話観光地のど真ん中に流れている川に人食いピラニアを放つわけがない。 ※2
そういったことは実際の清渓川がどのような場所かを知っていれば容易に思い至るはずなので、きちんと調べれば一連の話がジョークだとわかるようになっている。
キム・ヨンハ構文に清渓川が選ばれたのもそういった配慮からである。
※1下流域には少し深みがあるが、大人なら溺れない程度。
※2清渓川は生物の放流が禁止されているので警察案件。
ブルアカミームとしての清渓川の仲間たち
キム・ヨンハ統括P
ブルーアーカイブの全権を握るプロデューサー。
ブルアカの透き通った世界観を守るためなら鬼にもなれる覚悟を持っている。
ピラニア
清渓川に生息する凶暴なピラニア。
非透明主義者と日和見主義者の血肉が大好物。清渓川に投げ込まれた無能な社員を食い荒らす。
清渓川の意思を反映している節がある。
人喰いカニ
清渓川に生息するカニ。怪文書によってズワイガニとタラバガニの2パターンがあるため、ここではカニとする。
非透明主義者と日和見主義者の血肉が大好物。清渓川に投げ込まれた無能な社員を貪り食う。
清渓川の意思を反映している節がある。
仁王山の黒豹
清渓川に生息する黒豹。もともとはキム・ヨンハ統括Pのペットだったが、逃げ出して清渓川に住み着いた。
日和見主義者と非透明主義者の喉笛を切り裂く。
ソウル市内にある仁王山(イナンサン)の密林をねぐらにしているともいわれ、非透明主義者が現れた際に清渓川に現れる。
ちなみに、仁王山の標高は338.2mで、東京スカイツリーよりも低い。
清渓川の意思を反映している節がある。
エビ
清渓川に生息しているエビ。清渓川に投げ捨てられた日和見主義者と非透明主義者の肉を食い、肥え太っている。
ヨースター社長の李衡達、ネクソン社長の朴勇絃、キム・ヨンハ総括Pの3人の指揮の下、メンテナンスの大幅延長による補填としてユーザーたちへ送るため、ヨースター、ネクソンの社員総出で大乱獲された。
その数はユーザー一人につき8000尾。ブルアカのDL数を7200万と仮定すると実に5760億尾のエビ、アクティブユーザーに限定しても約40万アカウント、実に32億尾のエビが一晩のうちに乱獲、冷凍され、ユーザーの下に送られた計算になる。
猛毒グッピー
清渓川に生息する猛毒をもつ巨大な人喰いグッピー。
清渓川に投げ込まれた無能な社員を貪り食い、その度毒性が増す。
その他
アナコンダ、人喰い白ワニ、人喰い亀、人喰いアメリカザリガニ、人喰いジャンボタニシなど。
公式把握済み
今ではすっかりキム・ヨンハを始めとしたブルアカ開発スタッフからもネットミームが知られるようになっており
- スタッフによる公式生放送にて「清渓川に行きたくないんです」という発言が飛び出す
- ソウルで開店したブルアカコラボカフェに、清渓川に沈められた非透明主義者を食い荒らすピラニアとタラバガニ、黒豹のぬいぐるみが飾ってある
- 2023年正月イベントで明らかに元ネタをオマージュしたキャラクターのニャオモト・カンが出る
- キム・ヨンハPが「強い決意を持つため」清渓川に行く。傍らには非透明主義者を食い荒らす人喰いガニのぬいぐるみが。
- 韓国のブルアカインタビューでキム・ヨンハ本人から彼関連のミームを受け「ユーザーさんたちが開発する側まで興味を持ってくださるとはありがたいことです。この頃人喰いカニの腹を満たすような事が多発しているようですが、開発者たちは常に注意すべきです」と、客であるゲーマーを無視している韓国のゲーム業界に大粛清の警告が出る
- エイプリルフール企画のブラウザゲーム「ミレニアムクエスト」にて水辺で「しらべる」コマンドを使うと釣りができ、たまにピラニアが釣れる。
など、公式も全力でネタに乗っかってきている。
余談
余談だが、種類は違えど実際の清渓川にもカニとエビが生息しており、さらに清渓川沿いのペットショップにはピラニアが売られていたり、流域の貯水池にペットとして飼われていたピラニアが複数放流されたこともあったりもする(韓国の気候的に定着はできなかった様で、その後見つかっていない)。
そして仁王山周辺にはかつてアムールヒョウが生息していた(現在は絶滅)ことも知られており、ブルアカミームの人喰い怪生物達も清渓川の住人としてはあながち間違いでもない……のかもしれない。
関連タグ
清渓村:現在の大阪府茨木市の一部。名前は同じだが読みは「きよたにむら」であり、関係は一切ない。
キム・ヨンハ:ヨンハ構文の爆心地。公式がノリノリで乗っているとはいえ「ブルアカのミーム」ではなく「ブルアカ開発スタッフに関するミーム」であるため、ある程度時と場所は選んで使おう。さもなくばピラニアの餌食である。
和楽チセ:ブルアカ登場キャラクター(生徒)。構文ミーム化よりやや先行して実装された水着バージョンのEX(必殺技)演出や一部モーション中にカニが登場する。
ニンジャスレイヤー:清渓川構文の元ネタ。ソウカイヤのボス、ラオモト・カンが失禁したヨロシサン製薬営業を人喰いズワイガニの群れの中に落とす、といった描写がある。