特徴
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸と世界各地に2亜種が分布しており、日本では夏季に北海道に飛来する夏鳥として、または本州以南に留鳥として周年生息する。
全長58~65cm。翼開長105~112cm。体重0.4~0.8kg。
羽色は上面が青みがかった暗灰色、下面は白い羽毛に覆われる。
夜行性であり、月明りの中でも飛翔することができる。
夕方から夜にかけて主に水辺を徘徊して小動物を捕食するが、邸宅の庭にある池に飛来してきて、そこで飼育されている錦鯉や金魚を漁ってしまう事もあるため、害鳥とされることもある。
また他種多様の鷺たちと、コロニーをつくって生活するという習性があることでも知られる。
ゴイサギという名は、「平家物語」作中において醍醐天皇の宣旨(せんじ:天皇の命令文)によって捕えられ「正五位(しょうごい)」という位を与えられたサギである故事から名づけられた。
青鷺火といわれる夜に青白く光る鷺の姿をした妖怪は、実はアオサギではなく、夜行性のゴイサギに水辺に繁殖する発光性バクテリアが付着したものであるともいわれ五位の火、五位の光という別名がある。
余談
首や脚を折り曲げた姿が、色合いからペンギンと見間違われることがあり、ゴイサギ自身が動物園や水族館のペンギン展示場に不法侵入して餌を盗み食いすることもあるという。
また餌を食べにきて外を歩いている様子を見た客に、「ペンギンが逃げている」と勘違いされたこともあるのだとか。
なおペンギン自体は捕食者以外には興味を示さないため、この居候を威嚇することはなく、すんなりと溶け込まれてしまっているのである。
東京都の恩賜上野動物園では、ゴイサギのヒナが頻繁に目撃されるほど園内で大繁殖したことが問題となった。
ゴイサギだけでなく野鳥の侵入は鳥インフルエンザ等の病気持ち込みリスクがあるため、現在ではペンギンコーナーにネットを張るなどの侵入対策がとられている。