アボカド
あぼかど
🥑概要
クスノキ科ワニナシ属の常緑高木やその果実を指す。
別名「鰐梨(ワニナシ)」。
メキシコと中央アメリカ原産。低温に弱く主に熱帯、亜熱帯で生育する。「森のバター」と呼ばれるほど果物にしてはカロリーが高く、100g辺り190キロカロリーもあるが、それ以上にビタミンや食物繊維豊富で栄養に優れており、動脈硬化や高血圧やがん予防に役立ち体脂肪率も落とせるので、食べ過ぎなければダイエット効果も期待できる健康食品(しかし、種の方が水溶性食物繊維がかなり多い)。
主に生食されており、甘味の無い果実であるためサラダやサンドイッチや寿司の具として調理される。単純にマヨネーズやワサビ醤油を付けるだけでも美味しい。本来の果実の様に甘味を加えてシェイク等のドリンクにされる事もある。たとえばベトナムなどでは、アボカドをコップなどに氷と一緒に入れて砕き、砂糖をまぶして食べる家庭的なデザートも普遍的にみられる。
品種はお店でよく見かけるハス種のほかに、日本でも栽培できるベーコン種やフエルテ種などが知られる。
「ペルシン」という毒素が含まれており、人間以外の動物、とくに犬や猫などが食べると、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こし、最悪死に至る可能性もある。しかしなぜ人間には全く無害なのか、まだ詳しく解明されてはいない。
アボカドの歴史と古代獣
アボカドの大きな種は、かつて南北アメリカに生息していたメガテリウムなどの巨大哺乳類に運ばせていた名残と思われている。
巨大な獣たちが絶滅した後はヒトが食用のために栽培したとみられ、その歴史は実に古い。
ペルーのチャン・チャン遺跡(西暦900年頃)からはアボカド型土器が発掘され、ノルテチコ文明の遺跡からは少なくとも3200年前に、カバロ・ムエルト遺跡群からはなんと3,800~4,500年前に人々がアボカドを食べていた証拠が出土している。
日本への渡来時期は明治末期で、大正時代の植物図鑑(大植物図鑑)ではワニナシの名前で記載されている。