本記事は御自身の病気に対して責任を負う物ではありませんのでご注意下さい。
インフルエンザ(Influenza)とは
インフルエンザウイルスによる急性感染症のこと。高熱、筋肉痛、悪寒等風邪に似たような症状が出るが、インフルエンザ(流行性感冒)は風邪(感冒)ではない。急速かつ重篤な全身症状が現れ、重症化すると最悪の場合、死に至る伝染病である。
歴史上、クロムウェルなど多くの著名人がこの病で死去した。
ウイルスはA型とB型のどちらかだが、特にA型が感染力が強く、パンデミックを引き起こすのはA型のみ。どちらも症状は同一である。なお、毒性の弱いインフルエンザウイルスC型による感染症は症状が比較的穏やかな事も多く、風邪との区別がつきにくい事から風邪に分類される事が多い。
風邪は、抵抗力が弱まっている人がかかりやすいが、インフルエンザは抵抗力があっても突然かかる事がある為注意が必要である。また、通常の感染症では、免疫力が弱い幼児と老人の危険性が高いのだが、インフルエンザに限っては感染が激烈な免疫反応を引き起こし、体力のある若者の方が危険な状態になる事がある。毎年冬頃になると全国的に流行し多くの人がインフルエンザに掛かる事になる。
診断ならびに治療法
39℃以上の熱がある場合は即座に病院へ診察に向かうニュース等で綿棒を鼻の奥につっこます映像を見た事があるだろうが、はっきりさせる為には鼻の奥(喉の辺り)が理想的らしい。(痛いのがいやなら耳鼻科へ行く事。麻酔をかけてくれる)
治療はタミフル、リレンザのほか、最近はラピアクタ(点滴治療)とイナビル(吸入治療)が出てきたため治療の幅が広くなった。
ただ、タミフルの副作用による異常行動が問題視され、10代への使用が制限された。ただし、現在ではタミフルと異常行動との因果関係は無いというのが厚生労働省の見解。
異常行動等が見られる場合は、インフルエンザ脳症の疑いがある為、早急に医療機関を受診した方が良い。
幼児や高齢者の症状悪化及び死亡も少なくないが、体力のあると思われる年代でも肺炎や脳症を引き起こすこともあるので、なめてかかることなくしっかりと寝て療養することが大事である。
50代半ばだった高木弘樹の急死のように、症状が悪い時に入浴などをして急死につながる場合もあるので、無理をしないことが大事である。
特徴
インフルエンザウイルスの特徴としては変異性が高く、毎年異なる形のインフルエンザウイルスが流行する。したがって、一度感染したから二度と掛からないというものではなく、ワクチンもウィルスの形に合わせたものを毎年打たないといけない。
数十年に一度くらいのペースで全世界的に大流行(パンデミック)する事もあり、1918年のスペインかぜでは6億人が感染し4000万~5000万の人が死亡したとされている。
2019年末〜2020年にはアメリカでも大流行し1.2万人を超える死者を出し、ちょうど中国のCOVID-19流行とも重なり大騒動となった。ここまでの拡大はアメリカの保険制度の関係上、所得の低い層が十分な医療を受けられなかった可能性が指摘されている。
このように衛生状態や医療体制に問題がある地域だと現代においても大量の死者を出す可能性がある病気である。
COVID-19の流行から後述の予防が徹底された事で一時期はインフルエンザの発症件数は激減していたが、その後はCOVID-19が5類になった事で感染対策が緩和された影響からか2023年冬からインフルエンザの発症件数は再び増加している。
感染症法に基づき
インフルエンザは感染症の一つであり、感染した場合は仕事や学校等は休まなければならない。多くの場合就業規則や学則に決められている。解熱後2日経過すれば大丈夫なのだが、上記の通りラピアクタとイナビルは1日で解熱効果があり熱が下がったといって学校へ行ったり仕事へ行ったりした結果、感染者を増やすという悪循環も起きている。
迷惑がかかるから、時給が減るから等という事で単なる風邪ですなどと強弁して無理に出勤してもいけないし、頭数足りないんだから出てこいなどと無理に仕事などをさせてもいけない。結局余計に被害を増やす行為であるし、後者に至っては違法行為の強要である。
芸能系でも近年はインフルエンザに罹患した芸能人はパンデミック発生源となる場合があるので、発症したアイドルやバンドマン、歌手は仕事を休ませる、ライブは罹患したメンバーのみ欠席もしくはライブを延期か中止する措置が常識となりつつある。
発症後5日、解熱後2日と実質1週間は動けないと思えばいいだろう。
病原体について
「インフルエンザ」と名の付く病原体には「インフルエンザウイルス」と「インフルエンザ菌」の2種類が有るが、それぞれ全く別物である。
毎年冬に流行るのは「インフルエンザウイルス」を原因とする方である。
一方、「インフルエンザ菌」は主に呼吸器や中耳に感染する細菌の1種で、中でもb型菌のことをHib(ヒブ)と呼び、ワクチンを「ヒブワクチン」と呼ぶ。主に生後2か月以降から接種が可能で、できれば4回受ける事が推奨されている。
予防
まずは予防接種を受けることである。
通常、秋頃から各病院で予約を受け付けており秋から冬の間に駐車するのが通例である。
そして、手洗いとうがいの徹底が大事である。
手洗い・うがい・マスク着用や、「睡眠をとり栄養バランスのいい食事をとり体調を整える」という予防の基本は他の多くの感染症予防と共通するところがある。
特にインフルエンザウイルスはアルコールや石鹸でダメージを与えられる「エンベローブウイルス」であるため、石鹸での手洗いは同じくエンベローブウイルス感染症であるCOVID-19や風疹の予防策をも兼ねられるので是非やっておこう。
実際、コロナ対策でマスク着用や各所の消毒が積極的に行われた2020~2022年はインフルエンザの発症件数が激減しており、インフルエンザの複数の株が絶滅したとも言われている。
反抗期の遅い者は生れつき運動能力に恵まれ、病気への抵抗力も優れているから予防しなくてもインフルエンザにかからないとよくいわれているが迷信であり、真に受けてはいけない。
はたらく細胞でのインフルエンザ
細胞をテーマにした漫画「はたらく細胞」にもインフルエンザがモデルのストーリーが存在。
メイン画像がインフルエンザで、赤い帽子のようなウイルスが一般細胞達に寄生、ゾンビ化させ、白血球やキラーT細胞達を苦しませた。
インフルエンザになると細胞達がどうなるかわかりやすく説明さるているので、一見する価値はあるかもしれない。
関連タグ
病気 風邪 スペインかぜ 鳥インフルエンザ 新型インフルエンザ スペイン風邪 インフルエンザ脳症