概要
インフルエンザの感染に伴い急激に発症し、神経細胞など脳に障害をもたらし、時には全身の諸臓器も障害を受ける(多臓器不全)。
ウイルス感染によって産生されたサイトカインなどによって、脳障害や多臓器不全が起きると考えられている。なお、インフルエンザの感染は引き金にはなるものの、脳の中でウイルスは増えるわけではないため、脳炎ではない。
症状
インフルエンザの発熱に伴い、数時間から1日以内に、痙攣(けいれん)、意味不明な言動、意識障害などの症状が現れる。
進行すると脳神経だけでなく、肝臓や腎臓など、体内のあらゆる臓器に障害をもたらす(多臓器不全)。
ひどい場合は死亡することもある。また、治っても後遺症が残ることがある。
治療、予後
治療、予後
脳症と診断されたらすぐに入院し、点滴などで全身状態を改善していく治療を行う(対症療法)。
残念ながら根本的な治療法がないため、致死率は10%、後遺症が残る可能性は25%と非常に高い。
異常行動
インフルエンザ治療薬の「タミフル」が原因で、10代の子供が異常行動を起こすと一時期話題になったが、現在ではタミフルと異常行動の因果関係は否定されており、異常行動が見られた場合は、インフルエンザ脳症の疑いがある為、早急に医療機関を受診する事。