概要
元々はアメリカのバイオ製薬企業であるギリアド・サイエンシズが開発された物だが、ギリアド自身はHIV・AIDS及びB型もしくはC型肝炎の治療薬を販売をメインとしている事からそのライセンスをスイスのロシュグループに開放している。ギリアドはロシュにライセンス供与する事でかなり儲かっている模様。日本では中外製薬が輸入発売されている。
インフルエンザウイルスA型に有効とされ、症状の悪化を未然に防ぐ効果がある。ただB型は効果が薄くC型は全く効果が無い。
タミフルの作用は「ウイルスの増殖を阻害する」であるため、薬が効果を齎すタイミングは体内でウイルスが増え始める時期であり、インフルエンザの症状が出てから48時間以内に飲まないと思ったほどの効果は出ない。服用のタイミングが非常に難しい薬である。
その問題点
しかしこの薬、服用の副作用として腹痛や下痢、吐気などを催す危険性がある。
これらはまだ可愛い方でひどい場合は肝機能障害やショック症状、肺炎、急性腎不全を発症するケースもあると言われている。
他にも、発売当初は「原因不明の異常行動を取る」という報告も出された。
これら問題点はマスコミでも大きく取り上げられ、「タミフルエンザ」などと揶揄される事態になったばかりか、2007年3月、厚生労働省から「原則として10代には使用禁止」と発表され国内中で話題になった。
その後、2018年8月、インフルエンザ罹患時には薬の種類や服用の有無に関係なく異常行動が発現することが報告され、使用制限が解除された。
特にこの報道の際、「タミフルを飲むと異常行動を取る」という情報はマスコミが過度に強調したため、これに転じてネットでは「(まるでタミフルを飲んだかのような)異常行動を取っている」意味でタミフルが用いられる事が多い。例として
- テンション上がってきたイラスト
- 作者は病気タグが付けられるような誰得イラスト
- とにかくなんか物騒で狂気じみたイラスト
などが挙げられる。
似たような意味で用いられるネットスラングにダイナモ感覚があるが、あちらは正規の薬ではなく麻薬や覚醒剤といった違法薬物を吸って異常行動を取ったり捕まった人間に使われる事が多い。
だが、前述の通り2022年現在使用制限は解除され、異常行動はタミフルに関係ないこととなっており(腹痛など、他の副作用は残っているので服用時に注意は必要)、タミフルに対し過敏に反応するのはインフルエンザの治療に支障をきたす恐れがある。