風疹ウイルスによる感染症。通称「三日はしか」。
潜伏期間は2週間から3週間。感染経路は患者のくしゃみなどによる飛沫感染や接触感染、また胎内での経胎盤感染。
初期症状は微熱、鼻水、咳、倦怠感、頭痛など風邪に似たものである。
おもな症状はリンパ腫の腫れ、発心などであり、高熱が出ることもある。
感染症法による5類感染症に指定、また学校保健安全法による第2種学校感染症に指定され、児童・生徒は発疹が収まるまで出席停止。
成人ほど重症化しやすい傾向があり、麻疹と似た症状が出ることもある。
予後はさほど悪くないことが多い病気だが、まれに急性脳炎や特発性血小板減少性紫斑病などを起こし重症化する。
妊婦が罹患すると子供に障害が残る可能性があり、寧ろこちらの方が深刻な問題である(後述)。
ワクチンで予防が可能。
日本では満1歳以上7歳半未満を対象とした予防接種が行われており、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)として接種する。
しかし過去には時代によっては女子のみが対象だったり、中学生が対象だったりした時期もあり、世代によっては十分接種がなされていないこともある。
また、体質によっては予防接種をしても抗体がつかなかったり短期で消えてしまう人もおり、普通に抗体がつく人でも10年以上の長期間たつと抗体が消えてしまう場合がある。
各自治体では抗体検査をしている場合もあるので、心配な人は受けておこう。
特に後述の妊婦への感染の心配から、若い既婚者に優先的に抗体検査の補助が出ているところが多い。
妊婦が風疹に感染した際、かなり高い確率で産まれる子供に障害が残ったり、流産する危険がある。
特に妊娠10週までの感染は90%以上の確率で何らかの影響があると言われている程危険度が高い。
感染した妊婦から産まれる子供が負う可能性の特に高いものは、先天性心疾患、難聴、白内障の3つであり、その他にも脳性麻痺や低体重などの例がある。
日本国内で有名な例としては、昭和40年代に当時アメリカ占領下だった沖縄県での風疹流行により多数の先天性聴覚障害者の子供達が産まれた例がある。
この件はもともとアメリカで風疹が流行した結果、沖縄の米軍基地から感染したものである。
どれくらい当時の聴覚障害の子供達が多かったかというと、1987年より6年限定で新規のろう学校(沖縄県立北城ろう学校)を設立する事態になったくらいである。
妊娠を希望する女性やそのパートナー、家族は風疹の抗体検査をしておくことを強くおすすめする。
また、家庭に風疹に罹患中の者がいる人は妊婦に近づかないように。