ドライセン
どらいせん
概要
一年戦争時の重モビルスーツ「ドム」の設計思想を受け継ぎ、ネオ・ジオンに協力する旧ジオニック関連企業のヘクタ・ドナ社がドムのバリエーション機であるリック・ドムⅡをベースに開発したドムの後継機。
ドム系列の最終発展型に位置する機体であり、多機能・高性能化を推し進めた他のネオ・ジオン製モビルスーツと比較してオーソドックスな機体仕様を持ち、高い耐久性と機動性を両立しており、その特性からパイロットから篤い信頼を得た為、第一次ネオ・ジオン抗争中盤以降は同軍の主力機としてのポジションを確実なものとした。
当初はドム同様に地上専用機として開発されていたが、後に宇宙での運用も可能な汎用機として仕様を改められた上で完成した経緯を持ち、推力・燃料積載量を重視したランドセルと専用のビーム兵装「メガ・バズーカ」を装備する予定であったが、ランドセルの不採用とそれに伴う出力低下によって現行の仕様に改められたとされている。
その結果、ジャイアント・バズによる砲撃戦を主体としていたドムとは違い、ビーム・ランサー、ビーム・トマホークを利用した格闘戦に重きを置いた機体として完成し、主に中・近距離戦闘で真価を発揮する。
しかし、ビーム・ライフルやビーム・キャノンといった各種射撃武装を携行可能という事もあり、射撃・砲撃戦への転用も容易など、その汎用性は高い。
その基本性能は、第一次ネオ・ジオン抗争を終え、更に第二次ネオ・ジオン抗争を経てもなお高い物であったとされ、ネオ・ジオン残党「袖付き」は保有していた2機に改修を加えエングレービングを施し、ドムの運用思想に基づいた新兵装を装備した上で一線級の機体として運用していた。
主なパイロットはアクシズ=ネオ・ジオンではオウギュスト・ギダン、ラカン・ダカラン、グレミー・トト、バーン・フィクゼス、袖付きではザミュ・サミュ、テルス・ロイド、レッダー等。
武装
ビーム・ランサー
本機専用に開発された白兵戦用武装。出力1.70MW。
主に刺突目的で使用され、ビーム・トマホークと連結することでその出力を倍加させる事が可能。
ビーム・トマホーク
ビーム・ランサーと対となる白兵戦用武装。出力0.92MW。
斬撃用途に用いられ、ビーム・ランサーと連結する事でその出力を倍加させる。
三連装ビーム・ガン
前腕部に装備されているジェネレーター直結型ビーム兵装。出力は2.8MW。
高出力のビームを連続射撃可能とし、近距離では高い制圧能力を発揮する。
パワーサプライヤーが外部に露出しているが、袖付き仕様の機体ではそれが内蔵される改修が施されている。
バーン機はアクシズ攻略の迎撃時に三連装マシンガンに換装している。このため、前腕部ハッチが閉じない不具合が発生している。
トライ・ブレード
バックパックに装備されている大気圏内用の投擲武装。バーニアが装備されている為、宇宙での使用も可能。
実験的な意味合いの強い武装であるが、使い方によっては高い威力を発揮する。
袖付き所属の機体はこれを取り外し、ウェポンマウント用のラッチを取り付ける事で武装選択の幅を広げている。ただしザミュ・サミュはこのトライ・ブレードを装備した機体(OVAに登場した機体)に搭乗していた。
ビーム・ライフル
バウのものと同型の射撃武装。出力は3.6MW。
オウギュスト・ギダンの部隊が装備していた。
メガ・バズーカ
試作案で提示されていたビーム兵器。
インドラ艦隊のバーン・フィクゼスはコレと試作型ランドセルを装備したドムカラーの機体に搭乗していた。
ヒート・サーベル
袖付き所属機の装備する近接戦闘兵装。
使い捨てが前提な旧式の装備だが、シンプル故に製造コストが低く、資金不足の袖付きでは重宝されている。
1/144スケールのものが『ZZ』放送時に発売された旧キットと『UC』展開時に発売された袖付き版及びその後にZZ版がHGUCで発売されている。
特徴的な三連装ビームガンの展開ギミックは旧キットでは差し替えなしで可能なのに対し,HGUCでは差し替え展開になっている。
外部出演
『スーパーロボット大戦』シリーズでは大抵は敵ユニットとして登場するが、『スーパーロボット大戦EX』のみ自軍として入手する事が可能。なお、ファーストガンダムが参戦している一部の作品では黒い三連星も乗っている事がある。