梅田貨物線
うめだかもつせん
概要
東海道本線とJR貨物の梅田駅(貨物駅、後の梅田信号場)、桜島線(JRゆめ咲線)安治川口駅を結ぶために設けられた貨物線(東海道本線の貨物支線)。
書類上は東海道本線の吹田貨物ターミナル駅が起点、大阪環状線の福島駅が終点となっている。貨物線の線路(単線)はさらに福島駅〜西九条駅間を大阪環状線の線路(複線)と並走する形で敷設されており、当該区間の貨物線の線路は「大阪環状線の線増部」という扱い(線路財産名称は「環状第三線」)となっている。福島駅と野田駅には大阪環状線の線路にのみホームが設置されているため、梅田貨物線の列車は全て通過扱いとなる。
運行状況
元々が貨物線であるため開通当初から貨物列車が運転されているが、東海道本線(JR京都線)新大阪方面と大阪環状線の西九条・天王寺方面を結ぶ連絡線的な性格も持っていることから、国鉄がJRに移管して以降は旅客列車も多数運転されるようになっている。
旅客輸送
全区間を特急「はるか」・「くろしお」・「らくラクやまと」、新大阪駅〜大阪駅(うめきたエリア)間をおおさか東線の普通列車と直通快速が運転されている。
かつては本路線は大阪駅を経由していなかったため、線内で旅客が乗降できる駅は長年に渡って新大阪駅が唯一であった(ただし、運賃計算上は当初より大阪駅を経由したものとして扱われていた)。しかし、2023年2月13日に一部区間の地下切り替えが行われ、同年3月18日には同区間の大阪市道九条梅田線と四つ橋筋の交差点北西部の地下に大阪駅地下ホーム(21〜24番ホーム、「大阪駅(うめきたエリア)」)が開業、梅田貨物線を経由する特急列車が同ホームに停車するようになった他、新大阪駅からおおさか東線が同駅まで直通運転を開始した(地下線への切り替えが完了した時点で既に駅施設自体は一部設備を除きおおむね完成していた)。なおこれに伴い、従来の大阪駅(東海道本線〈JR京都線・JR神戸線・JR宝塚線〉・大阪環状線が発着する高架の1〜11番ホーム)は「大阪駅(西側エリア)」として区別される。
貨物輸送
安治川口駅に発着する5往復の定期貨物列車が運転されている。
大阪駅(うめきたエリア)の前後は地下線への切り替えに伴い急勾配ができ、貨物列車は電気機関車の単機牽引では走行不可能になったため、貨車の前後に機関車を連結するプッシュプルでの運行となっている。
沿線
書類上の起点は吹田貨物ターミナル駅だが、東海道本線との分岐はそのはるか北方の茨木駅南側である。
分岐した西九条方面の下り線は高架となって東海道旅客線を乗り越えて大阪貨物ターミナル駅からの貨物支線と合流。千里丘駅付近から東海道旅客上り外側線の西隣を並走し、吹田貨物ターミナル駅へと至る。
吹田貨物ターミナル駅から北方貨物線と城東貨物線が分岐し、梅田貨物線は北方貨物線と並走しながら神崎川手前でおおさか東線と合流し、新幹線と立体交差する手前で北方貨物線と分かれて新大阪駅へ。
新大阪を出ると淀川を渡り、西へカーブして新御堂筋をくぐる。続けて南へカーブして阪急京都・宝塚・神戸線と交差する手前で地下線に入り、大阪駅(うめきたエリア)へ至る。
大阪駅(うめきたエリア)を過ぎると、建設中のなにわ筋線(複線)が右手に分岐して単線となり、書類上の終点である大阪環状線福島駅の北側で地上に出る。そのままなにわ筋と交差する踏切を通過し、高架へ上がって大阪環状線と並走。野田駅を通過して西九条駅へ至る。線路はそのまま桜島線へ合流するが、西九条駅手前の渡り線を通ると大阪環状線へ転線できる。