CV:江口拓也
概要
2020年12月26日にアニメ第992話として放送されたアニメオリジナルエピソード『町家カフェでの事件』に登場。
人物
町家カフェ「杜蒸庵」の学生アルバイト店員。年齢は19歳。
店では主に厨房でドーナツを揚げており、店内の客席から見える中庭も丹精込めて手入れをしている。
「杜蒸庵」店長の富田智がトイレで後頭部を殴られるという事件が発生した時も厨房でドーナツを揚げており、その間は客席には一切行ってないと証言していたが、実際に富田を殴ったのは彼であり、中庭を手入れしていたのも自身の犯行計画のひとつに過ぎなかった。
その計画は、カモフラージュ用に中庭の色を自分の作務衣と同じ色にし、その状態で中庭を通るのは一瞬しかなく、客がドーナツに夢中になる為に見つかる確率は低く、擬態できる事も計算。
結果、ドーナツを揚げる3分の間に犯行を可能とし、客の野中健司に下剤を飲ませてトイレに行かせる事で野中に犯行を擦り付けようとするも失敗に終わった。
動機は自分が万年アルバイトだった事。
メニューやコンセプト、そして目玉である中庭も自身のアイデアだったが、その後もずっとアルバイトのままだった事でその不満による犯行だった。
『コナン』では非常にレア?
犯人の動機としては通常の犯人と変わりがないが、酒井の場合はこれまで登場した多くの犯人とは違い、『コナン』の世界では非常に珍しい19歳以下の犯人である。
19歳以下の犯人は某推理漫画などの作品では見かける事はあっても、『コナン』ではこのような人物が登場する例は非常に(むしろ極端といっていいほど)少なく、アニオリでも大学生(のサークル)は何度か登場しても酒井のように19・18歳の大学生はあまり登場せず、そのほとんどは20歳以上だった。
約30年連載している原作でも、コナンが関わった事件で19歳以下が犯人だった例は『霧天狗伝説殺人事件』と『殺人犯、工藤新一』に登場した犯人のわずか2例しかなく、通常はゲストキャラが19歳以下の場合は犯人になる事はほとんどなく、登場した場合は犯人候補が減る形になり、事件によっては犯人候補が2択になったり、とあるアニオリ回では複数人登場して犯人候補が実質1択になった例もある。
アニオリを含んだ場合は、『町家カフェでの事件』が放送される前までは上記の2作品と『織り姫クラブへようこそ』しかなく、アニメでは約5年半ぶりである。
しかし、『織り姫クラブへようこそ』は警察を呼ばずに事件を終結させている為、アニメで19歳以下の人物が逮捕されたのは『殺人犯、工藤新一』以来約12年ぶりである(なお、『織り姫クラブへようこそ』は2023年時点で唯一コナン達を含め登場人物全員が18歳以下のエピソードである)。
その為、酒井は長年放送しているアニオリ『コナン』で記念すべき19歳以下の逮捕者第1号となった。
放送前にまさかのネタバレ
ほとんどのエピソードでは、犯人役のキャストが一番最後に表記される為、キャスト欄の順番から放送前の番組表を見て犯人が判明するパターンがある(ただし、近年はメタ推理を回避させる為に番組表のキャスト欄にゲストキャラを載せないパターンもある)。
だが、『町家カフェでの事件』では番組表のキャスト欄で他のゲストキャラ3人と酒井役の江口氏の間にスペースがあった為、放送前から明らかに犯人だとバレる結果となった(同様のケースが翌年に放送された『憎しみのフライパン』でも発生している)。
余談
『町家カフェでの事件』の脚本を担当したのは大和屋暁氏。
彼が担当する脚本は、自身がジャスタウェイなどを所有している馬主でもある関係もあって、脚本担当回には基本的に事件関係者の苗字やブランド名が騎手から取られている事がほとんどの為、そっちに注目が集まりやすい。
しかし、初脚本回となった『グランピング怪事件』では原作では扱った事がない食物アレルギー(カニアレルギー)を使った殺人を扱ったり、それ以外にもコナンの推理後に犯人が病死、男性遍歴がかなり派手な被害者など、過去のアニオリではほとんど扱わなかった(あるいはアニオリ初の)展開をいくつも扱っており、師匠の浦沢義雄氏とはまた違った意味で注目度がある。
また、2023年6月17日にアニメ第1087話として放送された『歩美の絵日記事件簿3』では殺人事件の被害者の年齢が19歳というアニオリ史上初の出来事(19歳以下の殺人事件の被害者は2007年7月に放送された原作回の『服部平次との3日間(探偵甲子園)』に登場した時津潤哉以来約16年ぶり2度目)が発生しており、殺人犯とは別に18歳の横領犯も登場するなど様々な展開にチャレンジしている(これらの人物が登場したのは、2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられた事も理由といえる)。
関連タグ
ロイド・フォージャー:後に江口氏が演じるSPY×FAMILYの主人公。彼が着ているスーツの色が酒井が着ていた作務衣と同じく緑色である。