概要
フランスの特殊部隊『シャッセール』に所属する10番目の勇者。1997年製ミニローバーに変形。本来『ギャレオン』から地球に齎された『Gストーン』は有限且つ希少価値も高く、『GSライド』と直結させ抽出したエネルギーを高出力で利用した『ウルテクエンジン』の搭載は主力と言うべき『GGG機動部隊』や『GGG諜報部』系列の『ビークルロボ』に限られていた。だが、彼はそれらを見送った弊害で出力不足とスペースの制約で『ミラーコーティング』や『ホログラフィックカモフラージュ』をオミット。結果的に諜報用超AI搭載型勇者ロボの偽装能力を一般大衆用に極力溶け込ませ突き詰める形式に達する。
『バイオネット』の支部拠点制圧も目的に有り『ボルフォッグ』の設計データをベースに大幅な改修を加え勇者ロボのサイズダウン化の限界に挑戦。『三位一体』による連携攻撃も現行技術では叶わなかった代わりに臭いと電位差反応を察知する胸部イオンセンサーで感じ取り電磁的、光学的欺瞞を打破し敵の位置を特定、知覚させ隠密行動で威力を発揮する。それにより、平均的な勇者よりも小さく機動力が高くなったものの、内部武装が蹄を装備したアームパンチのみしか搭載出来ず、強烈な一発で被弾すれば大破に成りかねない虚弱な装甲が弱点である。武器全般はビークルモードのルーフキャリアに積まれた選択可能トランクに偽装した物をメイン武器として備えているが、場合によっては大陸間弾道ミサイルすら用いる。
超AIの持ち主は『ルネ・カーディフ』を見出しパートナーであった同組織に所属するエージェント『エリック・フォーラー』であったが、『脊髄原種』戦後『バイオネット』による報復襲撃で殉職から数日経って起動。但し、口調は少年に近い。
活動期間は数ヵ月と短く『バイオネット』の狂人科学者『メビウス教授』『ラプラス博士』の合体技で大破させられるが、『雷牙』と『パピヨン』が機能停止寸前にAIのバックアップを取り、ビークルモードと同型改装車に移植された。
その後『GGG再建計画』で本来のスタイルへと再設計・改修され、勇者ロボとして復活。それに伴い『三重連太陽系』から帰還しない『ボルフォッグ』のポジションを引き継ぐべく『内蔵ミラーコーティング』など同系統のシステムを差し戻す。
その一環として『ガンホーク』『ガンシェパー』と呼称する『専用ガンマシン』との三位一体で『ビッグポルコート』となるも、変形させた位置は異なる。
基本データ
型式番号:GBR-10
製造:GGGフランス
ビークルモード:97年式ミニローバー
全高:3.0m
装備、技:ポル・ミシル
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最問題点
勇者シリーズにおける超AIは、初出となる『マイトガイン』以降、形を変えて登場する。
代を兼ねるにつれて「心を持つ機械」の意味を問いかけていくが、ポルコートの場合は結果として「最問題」の部類に属してしまう。
「GGG」の勇者ロボ達に使用される超AIにはいまだに解明しきれていないブラックボックスが存在する。
当初は人格をゼロベースで作成する方法を取っていた(竜シリーズ)が、原種との決戦間近であった為、人格形成に裂く余裕が無く、ガイガー及び竜シリーズ以外は既に存在する人間の人格を複製する事で人格形成の時間が短縮化された。
この人格サンプリングには技術的落とし穴があり、現行のテクノロジーでは記憶の除去が不完全。その程度は様々で、きちんと時間をかけてサンプリングした場合は人格の奥底にある残留思念や性格の類似で済まさせる。
だが、サンプリング時間が短い場合、たとえば「殺害直後」にサンプリングを開始した場合、時間的問題もあり「記憶の除去が出来ない」のだ。
故に、ポルコートは「エリックの人格をモデルにしたロボット」では無く、「エリックの人格と記憶を複製したロボット」なのである(小説参照)。
同じ状況であるボルフォッグの場合、モデルとなった犬神霧雄のサンプリング作業が既に実行中であった為に表面化していないが、強く残留した最後の記憶がAIの奥底に封印されている。
だが、ポルコートは自分が勇者ロボのポルコートであると理解しているものの、同時にエリック・フォーラーとしての過去や記憶、妻子やルネの記憶がエリックとしての最後の記憶から延々と続いている。
「最問題」の部類というのは、「人格を複製する際に記憶を除去する」GGGの方針が無視された事に対する意味であり、少なくとも表立った事故や人権問題等が発生していないので「最悪」の問題とはなっていない。
だが、GGG再建計画以降に誕生した勇者ロボには(少なくとも現時点で)人格複製型が他に1体も作成されていない事から、戦時下特例中とはいえ相当な問題となっていたと見る事が出来る。